証券・資本市場向けソリューション
企業データ全体から大きな利益につながる洞察を導き出す
リスクの全貌と詳細を視覚的に、オンデマンドで探索。
リスクデータの集約作業を自動化・高速化することで、規制で求められる以上のレベルに準拠する正確性を確保し、よりスマートな資本計画を実現します。また、自社のリスク選好度と比較しても、より優れたリスク管理を行うことが可能です。SASの証券・資本市場向けソフトウェアは、さまざまなリスクをタイプ別に分析および集約することができる総合的なソリューションです。
- 市場リスク:あらゆる市場金融商品の価値を評価し、ストレステストに基づいて会社全体のポートフォリオを最適化し、自社における市場リスクの全体像を把握することが可能。
- 信用リスク:取引先エクスポージャーとCVA (Credit Value Adjustment, 信用評価調整) を効果的に管理し、Basel規制の遵守を徹底。
- 流動性リスク:資本と資金調達の最適化、ファンド・トランスファー・プライシング(FTP)実施のほか、ヘッジ戦略を効率よく正確に分析。
- オペレーショナル・リスク:業務上およびコンプライアンス上のリスクを管理・評価。
既存のリスク管理システムが抱える縦割管理、硬直性、即応力の欠如といった課題を克服し、全社規模のリスクデータ集約機能とレポート機能を強化することで、グローバルな法規制の遵守を徹底し、リスクに関する意思決定を改善。先行きが不透明な時代においても、エクスポージャーの動きを高い精度で予見します。SASは他にはない、以下の機能を有した包括的なハイパフォーマンス・リスク分析ソリューションを提供しています。
- ポートフォリオに含まれる証券全体の時価総額に基づき、より高い精度でリスク・ポジションを集約:イベント・ストリーム処理により、次々と生成される大量の市場データから迅速に洞察や知見を導き出し、大規模なポートフォリオのリスクデータに集約。また、バーゼル銀行監督委員会(BCBS、BCBS 239の規定を含む)、連邦準備制度理事会(FRB)、金融安定理事会(FSB)の規制遵守を徹底。
- 将来を見越したプランニング:オンデマンドのハイパフォーマンス・リスク分析を用いて、ストレステストとシナリオ分析を超高速に実行することが可能。エクスポージャー(VaR:想定最大損失額)、P&L(損益)、PFE (Potential Future Exposure, 将来の潜在的エクスポージャー)、感度など、あらゆるタイプのリスク指標を計算。
- リスク計算の結果を迅速に取得:特許出願中の手法により、複雑なリスク計算でも処理時間を飛躍的に短縮することができるため、リスク・エクスポージャーを必要な頻度で更新し、市場の変化に臨機応変に対応することが可能。
- 新しい金融商品、集約の階層構造、ビジネスシナリオに柔軟に対応:柔軟でオープン仕様のリスク・プラットフォームにより、カスタマイズや拡張が容易。
不正取引、市場の濫用行為、 マネーロンダリングを未然に防止。
不正や金融犯罪に晒される機会を低減した上で、検知率を高めながら、誤判別の低減も実現。自社が直面している不正リスクやオペレーショナル・リスクの性質や規模を深く理解・把握できるよう支援します。SASの証券・資本市場向けソフトウェアには、以下の領域に対応した実績ある監視・不正対策ソリューションが揃っています。
- 不正取引の防止:より多くのトランザクションをより短時間で監視し、従来の方法では見過ごしていた疑わしい取引を特定、対処することで、取引上の損失と規制違反の罰則を最小限にとどめる。
- 市場濫用行為の防止:優れた監視手法により、すべてのトレーディング・デスクで市場濫用行為を検知・防止。
- マネーロンダリングの防止:不正/セキュリティ対策システムのデータと情報を総合的に分析し、疑わしい取引を検知/調査/レポートすることで、ITコストと調査コストを削減。
- 支払不正の防止:全部門を対象に、すべてのトランザクション・タイプを漏れなくスコアリングし、不正な支払を迅速に検知。
- FATCAと顧客に対するデューデリジェンス:外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)やその他規制の遵守義務を果たしながら、コストも適切に管理。
不正取引をはじめとするリスクの高い活動を自動的に検知する仕組みを整え、各種エンティティの平均像を作成し、シミュレーションの基準として利用。高度なハイブリッド型の分析手法を用いて既知/未知の疑わしい行動を検知します。また、不正リスクとオペレーショナル・リスクの集計を高速に実行してリスクの全体像を把握。SASは他社にない、以下の機能を実現できる総合ソリューションを提供しています。
- 疑わしいトランザクションを総合的に把握:強力なアナリティクス基盤に基づく使いやすいデータ・ビジュアライゼーション(視覚化)機能を用いて大量データをリアルタイムで探索し、他の方法では気づかない関係性や結びつきを特定。
- あらゆる取引活動をリアルタイムで自動監視:高度で柔軟なリスクモデルを用いたトレーダーレベル、あるいは、帳簿レベルの自動アラートにより、疑わしい行動を速やかに特定。
- 取引損失、罰金、時価総額の目減りを回避:迅速な対応が求められる優先度の高い状況を速やかに特定することが可能。また、総合的なケース・マネジメント・ツールを用いてケース配分を最適化し、限られた調査リソースを最大限に活用。
- 疑わしい行動パターンを完全に把握:業界で最高水準の包括性を誇る不正検知プラットフォームと、最高水準の高速性・柔軟性を誇るイベント・ストリーム分析エンジンを組み合わせることで、新たなパターンや行動の出現に応じてルールを継続的に管理、改良、調整していくことが可能。
資本に関する意思決定を、情報や知見に基づき、より的確、迅速に実施。
必要資本とその利用可能性を、より高い精度で予測できる仕組みを導入し、Basel III、EUのCRD(資本要件指令) IVおよびCRR(自己資本規制)、米国のCCAR(包括的資本分析および検討)、EBA(欧州銀行監督機構)の自己資本保護要件などのグローバル規制に完全に準拠。リスク調整後収益性管理(RAPM)により、リスクと収益のバランスに関する経営幹部の意思と整合性をとりながら、規制対応を完全に「見える化」。SASの証券・資本市場向けソフトウェアは、以下の機能を備えた包括的なソリューションです。
- 資本の計画と配分:資金調達ポジションと市場データを世界中から収集・統合し、リスク指標を複数の次元で計算することで、リスクとリターンのバランスを踏まえた資本配分について事実上制約のない視点を得ることが可能に。
- リスク調整後収益性管理(RAPM):金融資産の収益性を継続的にモニタリングし、より高いリスク調整後資本利益率が見込める事業領域に資本を重点的に配分。
- 資本の最適化:市場、資本、リスク要因に変化が生じた場合に即座に対応できるよう、資本を最適化。
- シナリオ分析:対話型のシナリオ分析機能を用いて、複数のタイムゾーンにまたがる極めて複雑なポートフォリオ、資金調達ポジション、金融商品に基づいたwhat-ifシナリオを作成。
- リスク管理と財務管理の統合:同じデータとITインフラを使って業務と収益性の改善に取り組むことで、基本的な規制対応のための投資で、オペレーション面の優位性も実現。
散在するリスクや金融、財務データを統合し、複数のシナリオを分析して想定される結果を比較した上で、将来の目標と見通しに基づいて資本の配分を最適化。SASは他社にない、以下の機能を実現できる総合ソリューションを提供しています。
- 規制対応の透明性を確保:事前設定された資本計画フレームワークに、シナリオ分析、資本最適化、予測分析など、すぐに活用できる機能を含む。
- ヘッジを強化し、チャンスに機動的に対応:イベント・ストリーム分析を活用して同日中に何度でも感度を再計算し、注視すべき事象の動きを完全に把握することが可能。
- トップダウンのリスク方針・選好度とボトムアップの視点の一貫性を確保:会社がトップダウンで示すリスク方針・選好度を各部門に周知徹底することが可能。また、自動化されたワークフローを活用し、会社の総合的なリスク許容度に関する測定結果や監視結果をボトムアップで収集・統合。
- リスクベースの収益予測に基づく資本配分:適正資本に関するストレステストを実施し、CCAR(包括的資本分析および検討)や同様の法規制で求められる透明性を確保。
優れた意思決定は良質なデータから。
リスク管理、規制対応、不正検知、業務遂行のためのデータ管理基盤を統一することで、正確性、一貫性、検証可能性、最新性のいずれにも妥協しない高いデータ品質を実現。データ管理に取られる時間を減らし、新しいアイデアやチャンスの探索により多くの時間を投入できるよう支援します。SASは業界最高水準の包括的なデータ管理機能を提供しています。
- データ品質管理:クリーンで信頼性の高いデータ品質を確保。
- データアクセス:必要なデータがどこにあっても、必要なタイミングでアクセスすることが可能に。
- イベント・ストリーム処理:リアルタイムで次々と生成されるデータを分析して洞察を導き出し、それにもとづいてほぼリアルタイムに業務を遂行できる環境を構築できます。
- マスターデータ管理:業務の中核をなすデータ資産を統一して一元的に管理し、全社規模で信頼性の高いビューを提供。
- データガバナンス:あらゆる企業情報に対して、一貫したポリシーとプロセスを策定および適用することが可能。
- データ連携:仮想データ環境を用いて、データとセキュリティの管理を簡素化。
すべての業務データを一元的に把握できる包括的で信頼性の高い統合データビューを確保することで、必要なデータに必要なタイミングでアクセスできるようになり、データ統合プロセスの一環としてデータを自動的に検証することも可能になります。SASは他社にない、以下の機能を実現する証券・資本市場向けソリューションを提供しています。
- データの一元性・一貫性を確保:主要な業務領域を網羅した証券を含む金融業界に特化したデータモデルを完備。
- データの完全性と信頼性を確保:データ品質上の問題を自動的に検知して是正するデータ・プロファイリング機能を標準装備。
- 断片的な手法によるデータ管理との決別:包括的なソリューションで、データアクセス、統合、品質、ガバナンス、マスターデータ管理を総合的に扱うことが可能。
大量データに埋もれているビジネス機会を「見える化」し、確実に捉える。
利用可能な全データから精度の高い洞察を導き出し、複雑な問題にもIT部門の助けなしに迅速に対処。最新データに基づく洞察にPCやタブレットでリアルタイムにアクセスすることも可能に。SASならではのデータ・ビジュアライゼーション(視覚化)機能は、さまざまな機能と組み合わせて利用できます。
- ビッグデータ・アナリティクス:ハイパフォーマンス・アナリティクス環境で、極めて難しいビジネス課題に取り組むことが可能に。データマイニング、予測分析、テキストマイニング、時系列予測、最適化などを適用し、ビッグデータからタイムリーで正確な洞察を導出。
- リアルタイムの視覚化:数百万~数十億行ものデータを含む大規模なデータセット全体を対象にした探索/分析を視覚的な操作環境で実行し、ほんの数秒で視覚的な結果を得ることが可能。自動チャート作成機能により、ボックスプロット、相関図、度数分布図はもとより、非構造化データ向けのワードクラウドやネットワーク図などを迅速容易に作成。
- センチメント(感情)分析:ソーシャルメディア・サイトのデータストリームをリアルタイムで分析し、自社に関する顧客の感情を把握。
- リスクの集約:リスク・エクスポージャーを集計し、部門、デスク、ポートフォリオ、商品、期間などの基準別に分析、探索、ドリルダウンすることが可能。
- 取引の監視:数秒でデータを分析して結果を視覚的に探索できる環境で、傾向やパターンを浮かび上がらせ、さらに詳しい分析が必要な取引活動を特定。
ビッグデータ資産を視覚的に探索して貴重な洞察を導き出すことができる環境で、他の方法では見落としてしまうような隠れた傾向、パターン、つながりを特定し、得られた知見や洞察を戦略の策定、リスクの特定、あるいは優れた成果を生む新しいアイデアの具体化に活用。SASは他社にない、以下の機能を実現する証券・資本市場向けソリューションを提供しています。
- データ主導型の意思決定:IT部門の手を借りなくても、構造化/非構造化を問わず、あらゆるビッグデータ資産を業務ユーザー自身で素早く分析することが可能。傾向、パターン、隠れた洞察を突き止め、それらに基づいて戦略の策定、仮説の検証、優れた成果の達成や新たなリスク・脅威の特定に役立つ新しいアイデアの創出に取り組むことができる。
- 常に最新の市場情報を入手:リアルタイムのデータ探索機能を備えたハイパフォーマンス・ソリューションにより、常に競合他社に先行することが可能に。
- すべての関連データを対話操作で探索でき、データの部分的な抽出やサンプリングが不要:インメモリ処理を用いて、どのような規模のデータセットでも超高速に処理。
- 極めて複雑な課題も速やかに解決:容易で分かりやすい操作環境により、技術に詳しくないユーザーでも高度なモデリング手法やデータ探索手法を活用することが可能に。

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