セグメント・オブ・ワン(個客)にネクスト・ベスト・オファーを提供

Telenor社、高度なアナリティクスを販売営業やビジネスのノウハウと融合し、顧客一人ひとりのニーズの理解を改善

現代の企業は自社の顧客に関する情報や洞察を大量に保有している。しかし、その知識をフル活用できるシステムを確立している企業はごく少数だ。モバイル事業者であるTelenor社の新しいシステムは、この点において独自の存在感を放っている。同社が2年をかけて開発したガイダンス・ツール、Automated Sales Tips (AST) は、全ての面で期待を上回る成果を上げているという。

お客様に提示するオファーが汎用的すぎる内容にならないようにするには、個々のお客様を理解する必要があります。SASのモデルでは、お客様にとって有意義な価格設定という観点からだけでなく、より多くの要因にもとづき、的確なオファーを作成することができます。
Ketil Sandvand

ケティル・サンドバンド(Ketil Sandvand)氏
CRM担当責任者

パーソナルな顧客対応を目指して

2012年、ノルウェーのTelenor社はモバイルサービスのプロモーション、案内、販売に関して先駆的手法を創出することを目指した戦略を策定した。同社が求めていたのは、よりパーソナルな顧客対応を実現する手段であり、また、販売営業アプローチの刷新と改善も見据えていた。新たな戦略の策定にあたっては、より的確なサービスやオファーを最適なチャネルを通じて顧客に提供するために、社内に蓄積されたインテリジェンス・データをいかに活用するかを検討する必要もあった。

「さまざまな側面の中でも弊社が留意したのは、800人のカスタマー・サービス担当者がお客様にプレッシャーを感じさせることなく商品やサービスを紹介し、販売につなげるにはどうすればよいか、という点でした」。Telenor社のCRM担当責任者であるケティル・サンドバンド氏はこう振り返る。ASTプロジェクトが進むにつれ、サンドバンド氏と彼の部門はテレコム事業グループ全体から注目を集めることになった。

包括的なモデル

ASTプロジェクトの目標は、どの顧客も自分にとって有意義なオファーを確実に受け取れるようなソリューションを構築することだった。このソリューションには、販売効率の向上に役立つだけでなく、カスタマー・サービス担当者の業務を快適化するためのガイダンスを提供することも期待されていた。それと同時に、顧客満足度の向上やカスタマー・エクスペリエンスの改善を通じて、顧客が知人にTelenor社を積極的に推奨したくなる状況を生み出すことも狙っていた。そして最終的には、ASTを全部門、全チャネルに展開することが目標である。

これらの目標を成就するためには、Telenor社の顧客ベース全体を分析し、全ての商品やオファーについて全体像を把握することが必要不可欠だった。ASTでは、収集済みの情報にもとづき、特定の顧客のニーズに最適な販売ヒントが割り出され、カスタマー・サービス担当者やセールス担当者のコンピュータ画面に表示される。同じオファー内容は個々の顧客のログインページ「Mine Sider」にも表示されるほか、同社の他のどのチャネルでも同様に提示される。こうした多種多彩な販売ヒントは、統計分析を用いて設計された70種類のモデルにもとづいて生成される。それと並行する形で、それぞれの顧客が受け入れてくれる可能性の高い商品を確実に提示できるように、分析にもとづく幅広いビジネスルールも確立された。

Telenor社はSASとの協同作業を通じて「モデル・ファクトリー」を開発し、全70種類の販売モデルの妥当性をモニタリングしている。顧客がオファーを受け入れたかどうかに応じてモデルの強弱が変化するようになっており、顧客の反応にもとづいてモデルを分析・改良することでオファーの精度が改善されていくという。

「販売につながる顧客行動分析の専門知識が強化されました」と、サンドバンド氏は説明する。「お客様に提示するオファーが汎用的すぎる内容にならないようにするには、個々のお客様を理解する必要があります。SASのモデルでは、お客様にとって有意義な価格設定という観点からだけでなく、より多くの要因にもとづき、的確なオファーを作成することができます。」

オムニチャネル型のアプローチ

ASTプロジェクトの狙いは、新しいカスタマー・インテリジェンスのメリットを幅広いチャネルで実現することにある。具体的な目標は、個々の顧客が注文を確定するときにどのチャネルを好んで利用するかを把握することと、異なるチャネルをまたいでシームレスなカスタマー・エクスペリエンスを提供することだ。

「そのためにはオムニチャネル型のアプローチを取る必要がありました」とサンドバンド氏は言う。「これは弊社にとっての未来です。弊社はまだ道半ばですが、まさに今、どの顧客がどのチャネルをどのような時間帯に好んで使うかを理解し把握するべく鋭意努力しているところです。」

リアルタイムの販売営業支援の実現

「弊社に接触してきた顧客がどのようなオファーに関心を持つかの計算には、0.5秒しかかかりません」(サンドバンド氏)。

大量のデータがリアルタイムで処理されるため、顧客に対し、可能な限り最も適切な「ネクスト・ベスト・オファー」を提示することが可能になった。「リアルタイム意思決定管理」として知られるこの機能は、SASのカスタマー・インテリジェンス・スイートの一部として提供されているものだ。

上層部からのサポート

同社の重要な成功要因の1つとして、経営層からの強力なサポートが挙げられる。ディレクター・レベルの主要な経営幹部が開始時から参加したことにより、ASTプロジェクトはTelenor社で最も重要な戦略プロジェクトの1つとなった。

「つまり、このプロジェクトを前進させるために投資を続け、ソリューションの開発をさらに進めたいという強い要望が引き続き存在しているのです」(サンドバンド氏)。

実りの多い結果

このプロジェクトは期限内かつ予算内で本稼動できた。プロジェクトの成果は大幅な売上増という形で現れたが、とりわけ、800人のスタッフを擁するカスタマー・サービス部門においては、サービス・レベルの強化や処理時間の増加なしで、それが実現した。投資対効果(ROI)は予想を遥かに上回るものだった。

当然ながらサンドバンド氏は、ASTプロジェクトの成功を非常に喜んでいる。「専門的な観点から見ても、私が関わった中で最もエキサイティングなプロジェクトの1つです。私自身、多くのことを学びましたし、さまざまな追加の貢献をしてくれる人々と一緒に仕事ができることは良い刺激となっています。」

Telenor-Logo

課題

Telenor社は、よりパーソナライズされた販売営業と顧客対応を実現し、顧客一人ひとりに最適なオファーを提示しながら、収益性も確保できるようなシステムを必要としていた。

ソリューション

SAS® Real-Time Decision Manager
SAS® Marketing Automation
SAS® Marketing Optimization

導入効果

リアルタイムの「ネクスト・ベスト・オファー」によって売上が向上し、パーソナルなサービスの質も改善された

Telenor社について

Telenorグループは世界を代表するモバイル事業者の1つであり、加入者は1億7,600万人に上る。同社が完全保有するノルウェーのモバイル事業は、同国の通信事業者の中でも最大規模を誇る。

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