大学でリアルなデータを分析する経験を

いま、データサイエンティストが活躍する現場~
国立大学法人 滋賀大学

データサイエンス学部
データサイエンス学部長/データサイエンス教育研究センター長
竹村 彰通氏

滋賀大学は、日本で初めてデータサイエンス学部を設置しました。昨年の4月に設置し、定員は100人。出願状況は前期が3.1倍、後期が7倍と人気です。「数理・データサイエンティスト教育に係る教育強化」の拠点大学に選定された6つの大学に入ることもできました。今年、横浜市立大学も同様の学部を開設し、その定員は60人。日本では、年間160人のデータサイエンス学士を輩出することになります。

しかし、米国はさらに進んでいます。修士が年間4000人、学士が3000人、博士は600人です。日本は私たちが初めてですから、これまでゼロでした。数年前から、「データサイエンティストはセクシーな職業」だと言われるようになり、活躍の場が広がっています。米国では初任給が高く、ジョブ・ランキングでも伸びが続いています。彼我の差は開いていますが、国内でもデータサイエスに明るい人材の不足は叫ばれていますから、それを少しでも詰めるために、教育機関として私たちも努力しています。

データサイエンスは、必ずしも理系の学問ではありません。理系的な知識は必要ですが、社会に出て活躍する現場は文系の方が多いでしょう。教育方針も、それに従っています。初年度に、統計をはじめ、コンピュータ、数学を含めた理系的スキルを教育します。それを土台とした上で、必要なビジネス分野も学習させます。学生がやるのは、さまざまな分野のリアルなデータを分析すること。協力企業様から匿名化したデータを提供いただいて、分析します。この「データをさわる経験」は、講義だけでは教えられない体験になります。

座学でも、将来自分がデータサイエンティストとして活躍する姿を思い描けるようなプログラムも用意しました。たとえば、データサイエンティスト協会から現役データサイエンティストを派遣してもらい、講義してもらっています。講師陣は、企業との連携にも積極的です。トヨタグループの研修プログラムに参加したり、あいおいニッセイ同和損保と共同研究を進めたりしています。

来年4月には、大学院を設置する方向で調整しています。学部生が卒業する前の大学院になり、いわゆる前倒し設置になります。院生の確保が問われますが、社会人を中心に学生を募集する計画です。キャンパスは彦根にあります。1年間は彦根でみっちり勉強してもらい、2年目は論文を仕上げることになります。カリキュラムは、機械学習や人工知能など最新の手法を詰め込みます。

私は古典的な統計学をやってきた人間ですが、若い教員は、深層学習など最新の手法を専門でやっている人も居て、組織的にデータサイエンティスト育成していこうとしています。学部と大学院の企業と連携した先端教育によって、卒業後すぐに役に立つ人材を育てていきます。

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