
デジタル・ファーストな未来に向けた与信判断の自動化
SAS Viyaは、リアルタイムに与信判断を行うことで、生産性と顧客満足度を高めます。

70%
クレジットカード利用限度額を自動承認
Nexent Bankは • SAS® Intelligent Decisioning • SAS® Credit Origination • SAS® Visual AnalyticsをSAS® Viya®上で稼働させ、これらを実現しています。
Nexent Bank Romania(旧:Credit Europe Bank Romania)では、モダナイゼーションと優れた顧客サービスに重点を置いたデジタル・ファースト戦略を推進しています。与信審査や利用限度額の引き上げ手続きを効率化することで、店舗への来店が不要になります。これにより、顧客はいつでもどこでも、自身のデバイスから必要なサービスを利用できるようになります。
しかし、この取り組みを支える中核システムであるリアルタイム意思決定エンジンがサポート終了を迎えようとしていたことで大きな課題に直面しました。このシステムは、ローン審査の承認や顧客対応の管理に不可欠な役割を担っていました。以前利用していたソフトウェアベンダーから、1年以内にアップデート、パッチ提供、および機能強化のサポートを終了するとの通知を受けました。代替案としてクラウド・ベースのソリューションも提案されていましたが、その移行には数カ月、場合によっては数年を要する可能性があり、先行きも不透明でした。その結果、Nexent Bankに残された現実的な選択肢は一つだけでした。それは、規制要件に準拠した新しいオンプレミス基盤を構築し、迅速に移行を実現することでした。
現在、当行ではクレジットカード利用限度額の70%を人の介在なく自動承認しています。Florentin Codin Head of Risk Modeling Division Nexent Bank
包括的なソリューションの実現
Nexent Bankのリスクモデリング部門責任者であるフロレンティン・コディン(Florentin Codin)氏は、クレジットスコアリングや行動モデルを含む、自動承認プロセスの設計を担当するチームを率いています。コディン氏によると、Nexent Bankは次の3つの要件を満たすプラットフォームを求めていました。
- ルールやモデルを数秒で実行できること
- 迅速な導入を実現するため、オンプレミス環境で稼働できること
- リスク管理チームが、ドラッグ&ドロップによる簡単な操作と、フルコードによる高度な開発の両方を利用できること
SAS Credit Originationが提供する機能は、ここに挙げられたニーズを満たすだけにとどまりません。リアルタイムな信用戦略意志決定ワークフロー機能を持つSAS Intelligent Decisioningと、データのビジュアル化とダッシュボード機能を持つSAS Visual Analyticsを組み合わせることにより、同じ環境下でモデル開発とモニタリングを可能にするソリューションです。
「SASは、包括的かつ統合されたプラットフォームとして、リアルタイム意志決定エンジンに対する弊社の当初の要件を大きく上回るソリューションを提供してくれました。」とコディン氏は話します。「銀行の業務を最適化し、顧客のニーズを迅速かつ的確に応えることのできる信頼性の高い包括的な分析エコシステムを見つけることができました。」
導入を決定づけた主な要素:
- リアルタイムな意志決定ソリューション– 数多くのルールを数秒で処理し、承認プロセスを自動化するために必要
- モデルデザイン– スコアカードやディシジョン・ツリーなどの予測モデルを社内で設計できる専用モジュール
- データベース操作 – SASコードを使用し、プラットフォーム内でデータ操作を行う機能
- 管理ダッシュボード– パフォーマンスの監視用に視覚的なダッシュボードとレポートを作成するツール
- モデル・モニタリング– 従来は手作業で行っていたモデルの監視を、自動化できる専用コンポーネント
トップクラスのアナリティクスと自動化に加え、オンプレミスでの実装と資産ベースでの価格設定が極めて重要であることが証明されました。
「オンプレミス型のSASプラットフォームを導入することで、クラウド・ソリューションで求められる長い承認プロセスを回避できました。」とコディン氏は話します。「SASの価格モデルは、ユーザー数ではなく銀行の資産に基づいているため、拡張時に予算が立てやすくなります。つまり、将来チームメンバー数を拡大してもライセンス費用が増加することはありません。」
変更管理に対してアジャイルに対応
本当の制約はビジョンではなく、時間でした。ベンダーの選定と社内承認が完了してから実装に使える期間は約6カ月しかありませんでした。そのため、Nexent Bankは集中的かつアジャイルなアプローチを採用しました。金融業界における豊富な専門知識を評価されていたSASの現地パートナーであるData2Knowledgeと連携し、プロジェクトを推進しました。
導入の際には部門を超えて密接に連携るす必要がありました。コディン氏はコミュニケーションの重要性を強調します。「経営陣に対して、このプロジェクトが極めて重要であることを明確に伝えました。新しいシステムを導入しなければ、ローン承認を再び“ペンと紙”で行うことになってしまう、と。」
構造化されたケイデンスも設定し、ワーキング・セッションを週2回、各サブフローの増分テスト、ITとプロジェクト管理間の部門をまたいだ連携を行いました。驚くようなことは何もありません。構築して、検証して、前に進めるだけです。「開発が完了するたびにテストを実施していました。」とコディン氏は振り返ります。開発が進むにつれて、チームは数百に及ぶ却下ルール、警告ルール、スコアリングモデルのすべてについて、期待どおりに動作することを確信できるようになりました。なぜなら、それぞれのコンポーネントが事前のテストを通じてすでに検証されていたからです。
Nexent Bankの主な実績・指標
50万人
ルーマニアの顧客
24時間365日
自動引受システム
70%
クレジットカード利用限度額を自動承認
変革的な成果と高まる信頼
本番稼働からわずか3カ月で、その成果は明確に表れました。
「現在、当行ではクレジットカード利用限度額の70%を、人の介在なく自動承認しています。」とコディン氏は語ります。「この自動審査システムは24時間365日稼働しています。週末であっても、私たちがテレビを見たり、子どもたちと過ごしたり、公園へ出かけたりしている間に、システムは稼働を続け、申請を承認し、顧客体験を変革し続けています。」
Nexent Bankでは、週の初めに対応するのは未処理案件ではなく、パフォーマンスや顧客プロファイルのレビューです。顧客は数分で審査結果を受け取り、銀行は生産性と判断の一貫性を向上させています。
「月曜日になると、週末の間に何件のクレジットカード承認が行われたかを確認しています。」とコディン氏は話します。
「チームがシステムや機能を理解し、それを使いこなせるようになったことを誇りに思います。」と付け加えました。このプラットフォームは、非技術者向けのドラッグ&ドロップによる操作と、技術者向けの高度なコーディング機能の両方を備えており、さまざまなスキルレベルのユーザーが活用できるようになっています。
次のステップ: 顧客中心のデジタルな未来に向けて
Nexent Bankでは本番環境における意志決定のスピードが向上したことで、日常的にプラットフォームから企業へと情報提供する方法を広げています。ビジュアルダッシュボードにより、マネージャーは承認件数、否決件数、各種トレンドをほぼリアルタイムで把握できるようになります。また、モデル監視の自動化により、これまで手作業で行っていた検証作業をより体系的なプロセスへと移行していきます。今後のロードマップには、住宅ローンを含むさらなる金融商品へのSAS Intelligent Decisioningの適用拡大も含まれています。
そのビジョンは明確です。オンプレミス環境で稼働するリアルタイムインテリジェンスを基盤とした、モバイルファーストの顧客体験を提供することです。
「世界は変化しており、競争が激化する中で変化し続ける顧客の期待に応えなければなりません。」とコディン氏は締めくくります。「人々、特に若い世代はますますテクノロジーに精通しています。『目の前にパソコンやタブレット、スマートフォンがあるのに、なぜわざわざ支店に行く必要があるのか』と感じるでしょう。当行は今、お客様が望むチャネルを通じて、お客様がいる場所でサービスを提供し、必要なローンや金融サービスを利用できる体制をこれまで以上に整えています。」
本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客のコンフィグレーションや使用条件に左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに締結された契約書内の保証条項に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容をなんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SASのソフトウェアの導入成功にともなう体験を共有しているものです。
