蘭・Erasmus MC、SASとMicrosoftの支援を受け、データ主導型の未来の医療機関構築を目指す
アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、SASとMicrosoftがオランダを代表する大学医療センターであるErasmus MCと提携したことにより、医療の向上を目指したデータ主導によるイノベーションの開発に取り組んでいます。このコラボレーションを通じて、3者は病院全体において、データ主導型のアプリケーションの開発、導入、運用を行い、イノベーションから適用までに生まれるギャップの解消を目指します。
医療への需要の高まりと深刻な労働力不足に直面する中、Erasmus MCはデータから得られる価値を応用し、患者へのケアとキャパシティの改善、手術室、ICU(集中治療室)、病床の使用の最適化を進めます。
機械学習による患者の治療期間予測
Erasmus MCは、これまで3つのプロジェクトを成功させ、病院の未来像実現に向けて第一歩を踏み出しています。プロジェクトの1つでは、Erasmus MCはSASと共同で、腫瘍摘出の手術後に患者を病院に残すべきか、安全に退院させられるのかを判定するAIアルゴリズムを開発しています。AIモデルの導入により、患者の安全確認の精度が向上し、病床運用をより効率的に行えるようになりました。
Erasmus MCの集中医療部長であるディーデリック・ゴマーズ(Dr. Diederik Gommers)氏は、次のように述べています。「テクノロジーのおかげで、事務作業負担の軽減やモニタリングの向上が期待できます。その結果、看護師や医師は質の高い医療を提供し続けながら、患者やその家族のための時間を増やせるようになるでしょう」
Datahubがコラボレーションを促進
AIアルゴリズムの開発と導入の過程で、IT部門、データエンジニア、データサイエンティスト、医師、看護師における連携の重要性が認識されました。Erasmus MCはDatahubを立ち上げ、病院内の各分野の連携、AIモデル開発のための協力、導入時のテクニカルサポートの提供、データイノベーション関連の課題解決への支援を進めています。Datahubの創始者で内科、集中治療科医のマイケル・ファン・ゲンデレン(Dr. Michel van Genderen)氏は、次のように述べています。「SASとMicrosoftのテクノロジーは、このハブの基盤となっています。」
SASの医療担当アカウントエグゼクティブであるアントニー・バーケル(Antonie Berkel)は、次のように述べています。「データはアナリティクスにとって、燃料のようなものです。患者ケアとその治療計画の改善のためには、Erasmus MCの意思決定を支援する、信頼度の高いデータストリームが必要です。SASは、その確立に協力することでDatahubに貢献してきたことを誇りに思っています。そこからのデータにアナリティクス・ソリューションを適用することで、すべての人のメリットとなる革新的なプロジェクトを設計、導入することができるでしょう。Erasmus MCの臨床医とデータサイエンティストには、その可能性が提供されているのです」
システム全体でパートナーシップをサポート
Erasmus MCのCIOであるサイモン・フェルメール(Simon Vermeer)氏は、次のように述べています。「Erasmus MCは、テクノロジーパートナーであるSASとMicrosoftとともに、データからより多くの価値を引き出したいと考えています。このテクノロジーの利用により、過去データを活用するだけでなく、予測データも活用できる体制へと移行させることができます。重要なポイントは、アルゴリズムの初期開発ではなく、その維持と管理にあります。これは、患者ケアの継続改善のためだけでなく、その後のアップスケールのためにも必要です。このコラボレーションにより、Erasmus MCのスタッフの日常業務と患者ケアがより良く、より安全になるようにサポートします。私にとって、これはまさしく技術的UMC(緊急医療)で私たちが目指す姿に向けた一歩だと考えています」
Erasmus MCのプログラム・マネージャーであるロバート・フェーン(Robert Veen)氏は、次のように述べています。「今注力しているのは、AIの有用性の証明ではなく、データ主導によるアプローチがどの特定の臨床的課題に有効であるかを、体系的かつ学際的に立証することです。テクノロジーは、新しいインサイトが安全に適用され、治療プロセスで検証される上で役立つはずです」
Microsoft Netherlandsでアカデミックな病院を担当するジュースト・ヒュースケン(Joost Huiskens)氏は、次のように述べています。「医療の質と価値を一層高めるために、データの役割はますます重要になっています。Erasmus MC、SAS、Microsoftのコラボレーションによって、テクノロジーが生み出す価値を最大にするためのエコシステムが構築されつつあります。その成果は、いま患者の手元にまで届きつつあります。テクノロジーの活用は、スタッフにも患者にもメリットをもたらします」
Erasmus MCについて
Erasmus MCはオランダを代表する大学医療センターで、人々の健康増進に注力しています。16,000人以上の従業員が国際的で先駆的な研究と教育を通じて、優れた医療の提供に日々取り組んでいます。病気と健康についての知識を深め、最新の科学的知見と実践的かつ予防的な活動を組み合わせることで患者は最適なメリットを受けることができ、健康な人々が健康を維持できるようなります。さらに、Erasmus MCは、その認知度の向上を図り、他者とのコラボレーションを深め、複雑で革新的かつ極めて重要な治療の最前線に立ち続けています。
Microsoftについて
Microsoft(Nasdaq “MSFT” @microsoft)は、インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジの時代に向けて、デジタルトランスフォーメーションを実現します。地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くを達成できるようにすることが、Microsoftのミッションです。Microsoftは、オランダで36年以上にわたって活動を続けています。ビジネスの成長を支え、オランダ社会に貢献するため、Microsoftは大企業、中小企業、公共機関、コンシューマーと緊密に協力し、このデジタル時代にMicrosoftのテクノロジーを十分に活用できるようにしています。
*2023年1月19日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SAS について
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
- SAS Institute Japan株式会社
広報担当: 森屋
TEL: 03-6434-3700
E-mail: jpnpress@sas.com
SASとMicrosoftは、オランダを代表する大学医療センターであるErasmus MCと提携し、医療の向上を目的としたデータ主導型イノベーションを開発しました。