株式会社ふくおかフィナンシャルグループ

SASのリアルタイム・ディシジョン・プラットフォームで「あなたのいちばんに。」を実現する
リアルタイム×オムニチャネルマーケティング環境を構築

株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(以下、ふくおかFG)は、福岡銀行、熊本銀行、および親和銀行という九州地盤の3つの地方銀行を中心に、証券、カードなどの金融サービス企業を傘下に抱える金融グループだ。ブランドのスローガンに「あなたのいちばんに。」を掲げ、すべてのステークホルダーから、ともに価値を創造してゆくパートナーとして認められることを目指している。

Fukuoka Financial Group
お客さまが求めている金融サービスを素早く察知して提案し、お客さまが快適に銀行を利用できる仕組みをSASで実現しました。結果、マーケティング施策は、EBM導入後に比べてさらに3倍の反応率を記録しています

営業統括部
主任調査役
須永 真昼氏

人とデジタルの有機的な連携

顧客のいちばんになるために、何が必要になるのか。ふくおかFGは、オムニチャネルによる顧客経験価値の向上を重点取り組みのひとつに位置づけた。株式会社ふくおかフィナンシャルグループ 営業統括部 主任調査役 須永 真昼氏は、「私たちは地元に密着した金融機関として、地元の皆様や地場の企業をサポートしています。私たちの強みである店舗やコールセンターといった「人」によるチャネルと、進化がすすむデジタルチャネルを有機的かつリアルタイムに連携させることで、お客さま一人ひとりのニーズを理解し、最適な金融取引をお手伝いしたいと思っています」と話す。

そのためには顧客のニーズを捉え、いつでもどこからでも快適にサービスを利用できるようチャネル横断で一貫したサービスやオファーを提供することが求められる。

ふくおかFGは2008年、SASを使ったEBM(イベント・ベースド・マーケティング)の仕組みを採用。2013年にはグループ3行への展開を果たした。顧客のニーズが発生するイベントやタイミングを捉えたアウトバウンドでの商品・サービスの提案によるOne to Oneマーケティングの実践により、それ以前のマーケティング施策に比べ反応率が2~5倍に向上した。

リアルタイム×オムニチャネル連携

そして2017年、更なる顧客経験価値の向上を目指してグループ内の3銀行において、SAS® Real-Time Decision Manager(以下、SAS RTDM)を採用し、既存のEBMと組み合わせることで、アウトバンドだけでなくインバウンドでの顧客対応をもカバーする「リアルタイム×オムニチャネルマーケティング環境」の構築を行った。顧客が銀行と接するチャネルは、店頭・窓口をはじめ、ATM、Webサイト、インターネットバンキング、コールセンター、電子メール、スマホアプリ、SMS(ショートメッセージサービス)、SNS、各種広告、イベント、セミナーなど多岐にわたっている。

それまでは、ふくおかFGでもチャネル単位で営業活動が行われており、データやシステムが分断されていたり、共有されていても日次バッチ連携での更新に留まっていた。たとえば営業店の応対履歴はCRMシステムで管理されている一方、インターネットバンキングでの行動履歴は別システムで管理され、コンタクトセンターでの応対履歴は翌日にCRMシステムに連携されていたのだ。

したがって、「今」チャネルごとに顧客にどういったメッセージを表示しどのような提案や応対をするべきか、顧客が「今」何を求めているかをチャネル横断で情報連携・分析・判断する仕組みはなかったのだ。SAS RTDMを含むオムニチャネルマーケティイング環境に課せられた使命は、“顧客一人ひとりの各チャネルでのアクションやニーズをリアルタイムに収集し、全チャネル横断で最適な提案を顧客に適切なタイミングで提供すること”だった。

営業統括部 副調査役 坂本 勝也氏は、「お客さまにより多く取引していただく、という考え方ではなく、そのときにお客さまが求めている金融サービスを素早く察知して提案し、お客さまが快適に銀行を利用できる仕組みを目指しました」と話す。

これらを実現するには、大量データをリアルタイムに処理・分析・判断し、チャネル・システムを実行させる環境が不可欠であり、「検討の結果、それを統合プラットフォームで実現できるのはSASだけ」(須永氏)だった。SAS RTDMを加えた新たなオムニチャネルマーケティング環境は、2017年8月に稼働した。EBM導入後に比べてさらに3倍の反応率を記録し、顧客経験価値を向上するとともに確実に収益を生んでいる。

例えばインターネットバンキングにログインした瞬間を捉えて、直近のWeb閲覧履歴や取引履歴などに基づきその顧客に最適な金融商品や実施中のキャンペーンをオファーしたり、商品やサービスの案内メールを受け取った顧客が来店し、窓口でメール内容について質問した場合の適切な対応を共有するなど、リアルタイムでの連携があるからこそ可能な取り組みが実施できる。

今後は、リアルタイムでのスコアリングや機械学習モデルでの分析結果に基づき、「お客さまへの更なる最適な提案を通して、いつでもどこでも心地よく感じてもらう、『あなたのいちばんに。』の取り組み」をつづけていくとのことだ。

複数プレイヤーが絡む大規模プロジェクトをリード

システム実装にあたっては、SASのコンサルティング・サービスを利用した。過去の同社プロジェクトでも実績があったが、今回は複数のチャネル・システムが絡む上にリアルタイム処理の安定稼働が求められた。各チャネル・システムは大手システムインテグレーターや地元のベンチャー企業など異なる企業が開発したもので、さまざまな要件をすり合わせる必要がある。SASのコンサルティング・サービスチームが複数のチャネルベンダーとの要件調整や連携テストをリードし、プロジェクトは円滑に進行した。

IT統括部 調査役 篠原 岳彦氏は、「自社製品だけでない幅広いIT知識とスキルに基づいて、リアルタイム処理に耐えられるネットワーク通信要件やデータモデル設計、レコメンド判定ロジックの最適化を実現し、手厚い性能/負荷テストなどにより安定動作するシステムを実現してくれたことに感謝しています。今後もデータ資産のさらなる活用を加速させていきたい」と話している。

ふくおかFGはこの仕組みを発展させ、今後は現時点では未接続の各種ソーシャルメディア等の外部サービスや各種APIを含めて、顧客と接する全てのチャネルとの接続・連携などを視野に入れている。顧客一人ひとりのニーズや状況を的確に理解し、日常生活の中で自然に情報提供をするための基盤として育てたい考えだ。須永氏は、「こういう取り組みは、本来こっそりやるべきものですからね」と笑う。「広告チャネルやSNSは、さらに活用できる期待があります。お客さまが、ふくおかFGと付き合っているとなぜか心地よい、と感じてもらうこと――、いや、心地よさを忘れるくらい、自然にお付き合いできることを目指していきます」。

課題

複数のチャネルを横断して情報連携・分析・判断するための統合リアルタイム×オムニチャネル マーケティング環境を構築したい

ソリューション

利点

顧客一人ひとりの各チャネルでのアクションをリアルタイムに収集し、全チャネル横断で顧客ニーズに最適な提案を適切なタイミングで提供できるようになった

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