INA(ポルトガルの公的行政機関)

経営層に価値ある情報を提供し、先を見越した活動と変革を推進

The Portuguese National Institute for Public Administration(INA)は、年間1万6,000名の公的行政機関職員を対象に、トレーニング、コンサルティング、研究活動を実施している。トレーニング・プログラムだけでも500以上のコースが用意されており、INAが行う公共政策研究は国内だけでなく国際レベルでも注目されている。INAの使命は、公的行政機関で働くすべての職員の能力向上を支援することだが、これはなかなか困難な課題だ。

SASは、BI(ビジネス・インテリジェンス)ソリューションによってINAの情報管理をサポートするとともに、知識ベースの戦略を支援して変革を目指すなど、INAの使命達成をテクノロジーの面から支えている。

「INAは管理業務の進行状況を視覚化するためにSASを活用してきました」と、情報サービス担当ヴァイス・プレジデントのManuel João Pereria氏は語る。「また、SASを使って、ポルトガルの公的行政機関における業務目標策定を支援したり、さまざまなシステムに保管されているデータを使って業績評価を行ったりしています。」

最近では、各群の公立病院のために、SASを使って情報管理システムを構築した。同様に、国内の大部分の警察機関ではSASのバランス・スコアカード(BSC)機能を使って、主要目標の管理を実践し、戦略の決定や評価に役立てている。

さらに、全国レベルで、SASを使ったデータウェアハウスやバランス・スコアカードの利用も進めている。新システムではOracleデータベースを使ったSAP R/3のデータや以前から所有している予算システムからのデータも統合可能となった。その結果、経営層には、SAS Strategic Performance Managementで開発されたダッシュボードで情報を容易に提供することができるようになった。こうした情報は、以前は紙ベースのレポートで提出されていて、経営層はそれをもとにして意思決定を行っていた。

Pereria氏は、「公的行政機関のリーダーたちが取り組もうとしている改革への動きをサポートしたいと思っています。改革のプロセスにおいてSASは非常に重要な役割を果たしているのです」と語った。

SASが提供する洞察をもとにさらに深く学ぶのです。SASは過去のデータから未来を予測できることを教えてくれました。これは私たちにとって貴重な財産です。

Manuel João Pereria氏
Portuguese National Institute for Public Administration ヴァイス・プレジデント

情報の精度向上と検索時間の短縮

SASのソリューションを導入する以前は、Pereria氏によると、BIの実現にはいくつかの障害があった。「まず、紙に印刷されているデータを取り込まなければなりませんでしたし、3つの異なるシステムからも情報を取り出す必要がありました。このプロセスには膨大な時間がかかり、思った以上に多くのミスが出ました。」

SASを利用するようになった現在は、正確な情報をタイムリーに入手できるようになった。同時に、INAの“顧客”である職員たちについても、より詳しく理解できるようになったという。「INAにとってSASから得られる情報は、意思決定を左右する、非常に重要なものです。例えば、特定の分野やコースに何人の受講者が登録しているのか?請求書への支払はいつ行われるか?ある教師に対する受講者の評判はどうか?SASが提供する情報が意味することは、私たちにとって大きな意味をもっています」と、Pereria氏は語る。

さらに、INSはSASを使って新たに開発したバランス・スコアカードによって、簡単かつ迅速にKPI(主要業績評価指標)をモニター・管理・予測している。Pereria氏は、「3つのシステムに分散している情報を統合して得られるKPIは、私たちにとって大変有益なデータです。また、使いやすいインターフェイスもとても気に入っています。テクノロジーに強くない意思決定者でも、SASのダッシュボードなら一目見ただけで、自らの疑問に対する答えを探すことができます」と説明する。

実際、Pereria氏のチームはトップレベルの職員と緊密に連携して業務を遂行しており、すべての閣僚にも詳細な情報提供を行っている。「公的行政機関で先を見越した積極的な活動をしたいと考えるなら、そして変革を起こしたいと思うなら、細部にしっかりと目を配ることが重要です。SASはそうした細部のデータを見るのに最適なのです」とPereria氏は言う。

過去から学び、将来を予測する

Pereria氏は、最も大事なことは、SASが提供してくれる情報は、既存のインフラでは得られないものだということだと説く。「SAP社のシステムは業務処理の面では非常に重要です。しかし、より高度な管理を行うためには、異なるシステム間のデータ統合が必要です。SASはさまざまなシステムから取り出したデータをリンクさせてくれます。また、組織の経営層に対しても価値ある情報を提供し、業務処理だけでなく、意思決定をサポートしてくれるのです。これは非常に重要なことです。私たちが毎日欠かさずSASを利用するのは、こうした理由があるからです」と話す。

INAにとってSASの予測機能は、問題について先回りをして考え、将来に自信をもって備えるための重要な材料となっている。「私たちは過去から多くのことを学んでいます」とPereria氏は言う。「そして、SASが提供する洞察をもとにさらに深く学ぶのです。SASは過去のデータから未来を予測できることを教えてくれました。これは私たちにとって貴重な財産です。」

The Portuguese National Institute for Public Administration

課題

ポルトガルの公的行政機関で働くすべての職員の能力向上を支援するためにBIを提供する

ソリューション

OracleやSAP、その他のシステムのデータを統合して、情報分析を行い、経営層にはダッシュボード形式のレポートを提供

利点

戦略的情報を、これまでにない速度と精度で提供。