UNIVARIATEプロシジャ

高解像度グラフの作成

サブセクション

CDFPLOT、HISTOGRAM、PPPLOT、PROBPLOT、QQPLOTの各ステートメントを使用して、高解像度グラフを作成できます。

CDFPLOTステートメントは、変数の観測された累積分布関数をプロットします。オプションで、当てはめた理論分布をプロットに重ねて表示できます。

HISTOGRAMステートメントは、データ分布を調べることができるヒストグラムを作成します。オプションで、一連の密度曲線を適合したり、核密度推定をヒストグラムに重ねて表示したりできます。当てはめた分布および核密度推定の詳細は、当てはめた連続分布の計算式および核密度推定の各セクションを参照してください。

PPPLOTステートメントはP-Pプロットを作成します。P-Pプロットは、変数の経験累積分布関数(ECDF)を、指定した理論累積分布関数と比較します。P-P プロットを使うと、理論分布に測定値の組み合わせのモデルがどの程度当てはまっているかを判定することができます。

PROBPLOTステートメントは確率プロットを作成します。この確率プロットは、並べ替えられた変数値を、指定した理論分布のパーセント点と比較します。確率プロットは、パーセント点を視覚的に推定する場合に役立ちます。

PROBPLOTステートメントはQ-Qプロットを作成します。Q-Qプロットは、並べ替えられた変数値を、指定した理論分布の分位点と比較します。Q-Qプロットは、分布パラメータを視覚的に推定する場合に役立ちます。

: CLASSステートメントをこれらのプロットステートメントとともに使用して、プロットの比較バージョンを作成できます。

グラフを作成する別の方法

UNIVARIATEプロシジャは2種類のグラフ出力をサポートします。

  • ODS Statistical Graphics出力は、PROCステートメントの前にODS GRAPHICS ONを指定するなどして、ODS Graphicsを有効にした場合に作成されます。

  • それ以外の場合は、SAS/GRAPH® がライセンスされていれば、従来のグラフが作成されます。

従来的なグラフはグラフカタログに保存されます。これらの外観は、SAS/GRAPH GOPTIONS、AXISおよびSYMBOLの各ステートメント(SAS/GRAPH: Referenceで説明されています)と、多くの専用プロットステートメントオプションで制御します。

ODS Statistical Graphics (または略してODS Graphics)は、Output Delivery System (ODS)の拡張機能です。ODSは、プロシジャステートメントの前にODS GRAPHICSステートメントを指定することで有効にできます。ODS Graphicsは(グラフカタログではなく) ODS出力に作成されます。外観とレイアウトの詳細は、SAS/GRAPHステートメントとプロシジャオプションではなく、ODSスタイルとテンプレートで制御します。ODS Graphicsの詳細は、SAS/STAT 13.2 User's GuideChapter 21: Statistical Graphics Using ODSを参照してください。

SAS 9.2より前は、UNIVARIATEプロシジャでデフォルトで作成されるプロットはごく基本的なものでした。見栄えのよいグラフ出力を作成するには、SAS/GRAPHステートメントとプロットステートメントオプションで指定する色、フォントなどの要素を慎重に選択する必要がありました。SAS 9.2からは、従来的なグラフのデフォルトの外観は適用されるODSスタイルによって制御され、見栄えがよく一貫性のある出力が自動的に出力されるようになりました。グラフの外観を制御するSAS/GRAPHステートメントおよびプロシジャオプションは、従来的なグラフに引き続き適用されます。NOGSTYLEシステムオプションを指定すると、ODSスタイルが従来的なグラフの外観に影響しないようにすることができます。これにより、既存のUNIVARIATEプロシジャプログラムで、以前のSASリリースのときと同じ外観のカスタマイズされたグラフを作成できます。

ODS Graphics出力の外観もODSスタイルで制御されますが、従来的なグラフに適用されるSAS/GRAPHステートメントまたはプロットステートメントオプションの影響は受けません。たとえば、従来的なグラフの軸の色の指定に使用されるCAXIS=オプションは、ODS Graphics出力の作成時には無視されます : 従来のグラフでは使用可能ですがODS Graphicsではサポートされない機能があります。

従来的なグラフシステムでは簡単なプロシジャ構文を使用して、グラフの詳細をすべて制御できます。ODS Graphicsでは最小限の構文で最高品質の出力を作成でき、SAS/STATおよびSAS/ETSプロシジャで作成されるグラフとの完全な互換性を提供します。

次のコードは、データ分布の要約のセクションで説明しているLoanToValueRatioデータの当てはめた対数正規分布を含むヒストグラムを作成します。

options nogstyle;
ods graphics off;
proc univariate data=HomeLoans noprint;
   histogram LoanToValueRatio / lognormal;
   inset lognormal(theta sigma zeta) / position=ne;
run;

NOGSTYLEシステムオプションは、ODSスタイルが出力に影響しないようにします。また、プロットの外観に影響するSAS/GRAPHステートメントやプロシジャオプションは指定されていません。図4.8は生成されるヒストグラムを示しています。このヒストグラムは、SAS 9.2より前のリリースで作成されるデフォルト出力と基本的に同じです。

図4.8: NOGSTYLEによる従来的なグラフ

NOGSTYLEによる従来的なグラフ


図4.9は、GSTYLEシステムをオンにした場合(デフォルト)の同じコードの実行結果を示しています。ヒストグラムの外観に対するODSスタイルの影響に注意してください。デフォルトで、テキストの画質がよくなったり、ヒストグラムのバーが塗りつぶされたりしています。

図4.9: GSTYLEによる従来的なグラフ

GSTYLEによる従来的なグラフ


図4.10は、ODS Graphicsを使って作成した同じヒストグラムを示しています。ヒストグラムの外観には図4.9と同じスタイル要素が適用されますが、プロットは同じではありません。たとえば、ODS Graphics出力にはタイトルが挿入され、当てはめた曲線の外観が滑らかになっています。

図4.10: ODS Graphics出力

ODS Graphics出力