CORRプロシジャ

ポリコリック相関

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ポリコリック相関は、2変量正規分布を使用して2つの非観測の連続変数の相関を測定します。それぞれの非観測変数に関する情報は、非観測変数の値を離散的な順序値の有限集合へと分類することにより導かれる観測順序変数を介して取得します(Olsson, 1979; Drasgow, 1986)。2つの観測2値変数間のポリコリック相関は、テトラコリック相関とも呼ばれます。

ポリコリック相関は、正規変数間における積率相関の最尤推定値です。ポリコリック相関の範囲は、–1からまでになります。Olsson (1979)は、ポリコリック相関の推定に関する尤度方程式と漸近標準誤差を提唱しています。連続変数は、各カテゴリの水準に対応する数値の範囲を定義するしきい値を介して、観測順序変数に関連します。CORRプロシジャは、Olssonの最尤法を使用して、ポリコリック相関としきい値を同時に推定します。

CORRプロシジャは、Newton-Raphsonアルゴリズムを使用することにより、尤度方程式を繰り返し解きます。しきい値の最初の推定値は、表の累積周辺比率における正規分布関数の逆から計算されます。ポリコリック相関の反復計算は、収束測定値が収束基準を下回った場合、または最大反復数に達した場合に停止します。

確率値

CORRプロシジャは、ポリコリック相関がゼロであるかどうかを判定するために、Wald検定と尤度比(LR)検定という2種類の検定を計算します。

ポリコリック相関の最尤推定値が$\hat{\rho }$で、その漸近標準誤差が$\mr{StdErr}(\hat{\rho })$である場合、Waldカイ2乗検定統計量は次の式で計算されます。

\[  \left( \frac{\hat{\rho }}{\mr{StdErr}(\hat{\rho })} \right)^{2}  \]

Wald統計量は、自由度が1の漸近カイ2乗分布に従います。

LR検定の場合、ポリコリック相関がゼロであると仮定する最尤関数も必要となります。LR検定統計量は次のように計算されます。

\[  -2 \;  \log \,  \left( \frac{L_0}{L_1} \right)  \]

ここで、$L_1$は、全パラメータの最尤推定値を使用する尤度関数です。$L_0$は、ポリコリック相関を除く全パラメータの最尤推定値を使用する尤度関数であり、0に設定されます。LR統計量も、自由度が1の漸近カイ2乗分布に従います。