その他のJava Runtime Environmentまたは、Java Development Kitを使用したSAS 9.2の構成

このドキュメントは、インストールおよび構成プロセス中に使用した、Java Runtime Environment(JRE)またはJava Development Kit(JDK)とは異なるJRE もしくはJDKをSAS 9.2のプロダクトと使用するための設定手順について、記載しています。

サポートしているJREのバージョン

サポートしているJREのバージョンは、http://www.sas.com/japan/service/resources/thirdpartysupport/v92m3/jres.html  のWebサイトで確認できます。 32-bit版のJREがSAS FoundationおよびSASリッチクライアントプラットフォームアプリケーションで必要になりますので、ご注意ください。

SAS 9.2 Fontsのインストール

SAS 9.2は、高品質な印刷とさまざまなプラットフォームでのフォントの表示のためにTrueTypeフォントを使用します。 SAS 9.2のインストールと構成の際、必要なJava Runtime Environmentに対応したTrueTypeフォントがインストールされます。 SAS 9.2をその他のJREを使用するように構成した場合、TrueTypeフォントを新しいJREのためにインストールする必要があります。

次の手順に従ってSASがインストールしたTrueTypeフォントを移動してください。

  1. SAS 9.2に構成されたオリジナルのJREの場所に移動します。下記の例では、Microsoft Windows環境にインストールした場合のデフォルトの場所を記載します。

    C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12

    UNIX環境のインストール時のJREの標準のインストール場所は、$SASHOMEディレクトリの下です。 $SASHOMEディレクトリは、SAS 9.2のインストールが実行される場所のrootディレクトリです。

  2. JREのfontsディレクトリを開きます。 fontsディレクトリは、JREのlibディレクトリの下にあります。 下記の例では、Microsoft Windows環境にインストールした場合のデフォルトの場所を記載します。

    C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\lib\fonts

  3. オリジナルのJREの fontsディレクトリから新しいJREの fontsディレクトリへ、すべてのSAS TrueTypeフォントをコピーまたは、移動します。 この説明を書いている時点で、JREのfontsディレクトリには、40種類のSAS TrueTypeフォントがあります。 インストールされているSAS TrueTypeフォントには、同一のタイムスタンプがあります。

SAS Foundation

SAS Foundationは、Java Native Libraryを使用します。このネイティブライブラリは、JREに含まれています。

UNIX

使用するその他のJREのネイティブライブラリの場所を含むように、UNIXマシン上のライブラリパスを変更する必要があります。 SAS Foundatioで使用されるライブラリパスは、SAS 9.2インストールディレクトリにある、sasenvファイルで定義されています。 環境変数JAVA_HOMEは、sasenvファイルで定義されます。

# in /usr/local/SAS_9.2_INSTALL/SASFoundation/9.2/bin/sasenv
JAVA_HOME=/data/SAS_9.2_INSTALL/jre1.5_SR5/jre
export JAVA_HOME

LIBPATH=$JAVA_HOME/bin:$JAVA_HOME/bin/j9vm:$SAS_INSTALL_ROOT/sasexe:$LIBPATH
export LIBPATH

JAVA_HOMEを変更して、使用する別のJREのネイティブライブラリを含むようにライブラリパスをアップデートしてください。

# in /usr/local/SAS_9.2_INSTALL/SASFoundation/9.2/bin/sasenv
JAVA_HOME=/data/SAS_9.2_INSTALL/jre1.5_SR6b/jre
export JAVA_HOME

Windows

SAS FoundationのJREの設定は、JREOPTIONSSASオプションによって、管理されています。 このSASオプションは、SASがJava仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)を起動する際に使用する、すべてのJavaオプションを含みます。 -Dsas.jre.libjvmプロパティは、JVMが使用するための共有ライブラリを特定します。 次の例は、Windows環境でのデフォルトのJREOPTIONS です。 この例は、読みやすいように複数行に分けて表示していますが、SAS構成ファイルの中では、JREOPTIONSは、1行で記述する必要があります。

-JREOPTIONS=(
  -Dsas.jre.libjvm=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\bin\client\jvm.dll
  -Djava.security.policy=!SASROOT\core\sasmisc\sas.policy
  -Dsas.ext.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.java.ext.config
  -Dsas.app.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.2\eclipse\plugins\TKJAVA~1.000\tkjava.jar
  -DPFS_TEMPLATE=!SASROOT\core\sasmisc\qrpfstpt.xml
  -Djava.class.path=C:\PROGRA~1\SAS\SASVER~1\9.2\eclipse\plugins\SASLAU~1.000\SASLAU~1.JAR
  -Djava.system.class.loader=com.sas.app.AppClassLoader
  -Djava.security.auth.login.config=!SASROOT\core\sasmisc\sas.login.config
  -Dtkj.app.launch.config=!SASROOT\picklist )

SAS FoundationがJava 5 update 15を使用するように変更するには、はじめのオプションを次のように変更します。

-Dsas.jre.libjvm=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_15\bin\client\jvm.dll

Windows環境で、この構成ファイルは!SASROOT\nls\LANG\SASV9.CFGにあります。

Standard SAS Application Launcherの再構成

多くのSASアプリケーションおよびリッチクライアントは、SAS Application Launcherによって起動されます。 これらのアプリケーションは、プロダクトディレクトリの product.ini ファイルで設定されています。 SAS 9.2では、トップレベルの構成ファイルsassw.configが導入されました。 このファイルは、たとえばC:\Program Files\SAS\sassw.configにあります。 デフォルトで、JREの場所はこのファイルのJREHOMEプロパティとして指定されています。 SAS Javaアプリケーションの大部分は、このファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 次のWindows環境の例を参照してください:

[properties]
JREHOME=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_12\bin\java.exe
SASHOME=C:\Program Files\SAS
DPLMTREGLOC=C:\Program Files\SAS\deploymentreg
VJRHOME=C:\Program Files\SAS\SASVersionedJarRespository\9.2

Java 5 update 15の値に変更するには、はじめのオプションを次のように変更します。

JREHOME=C:\Program Files\Java\jre1.5.0_15\bin\java.exe

SAS Rich Client Platform Applicationsの再構成

Eclipse Rich Client Platformに基にしたSAS 9.2クライアントアプリケーションは、INIファイルを編集することでその他のJREを使用するように再構成することができます。 INIファイルは、アプリケーションと同じディレクトリにあります。 たとえば、SAS Data Integration Studio(distudio.exe)を更新する場合、同じディレクトリにある distudio.iniファイルを編集します。 -vm引数を使用するその他のJREのパスに変更します。次の例を参照してください:

-vm
C:\jdk1.6.0_03\bin\java.exe

注意-vm文字列とパスは別々の行で、-vmargsのエントリよりも前に記述する必要があります。 INIファイルの構造に関する詳細は、(Eclipse.ini)のWebページを参照してください。 Eclipse Runtimeオプションの詳細は、Eclipse runtime options Webページを参照してください。

SAS Remote Servicesの再構成

SAS Remote ServicesなどのSAS 9.2サーバーは、JREまたはJDKが必要です。 これらのサーバーは、その他のJREまたはJDKを使用するように再構成することができます。

UNIX

ファイル$SAS_CONFIG/Lev1/level_env.shには、その他のJREまたはJDKを使用するために編集可能な2つの変数が含まれています:

# in /opt/SAS/Config/Lev1/level_env.sh
JAVA_JRE_COMMAND=/usr/local/java/jre1.5.0_15/bin/java

# also check the JDK_HOME variable
JDK_HOME=/usr/local/java/jdk1.5.0_15_x64

Windows

Windows環境では、ファイル$SAS_CONFIG\Lev1\level_env.batには、その他のJREまたはJDKを使用するために編集可能な2つの変数が含まれています:

REM in C:\SAS\Config\Lev1\level_env.bat
JAVA_JRE_COMMAND=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\jre\bin\java

REM also check the JDK_HOME variable
JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

Java Development KitsおよびJava Application Servers

SAS 9.2 Business Intelligence(BI)および、Enterprise BIは、JavaアプリケーションサーバーとJava Development Kit(JDK)のインストールが必要です。 SASは、Java Development Kitを出荷しません。 SASをインストールする前に必要なJDKをお客様自らダウンロードし、インストールしていただく必要があります。 JDKのインストールの後、SASとアプリケーションサーバーは、提供されたJDKを使用するように構成されます。 SAS 9.2で必要なJava Development Kitのバージョンの変更が必要になることがあります。Javaアプリケーション別に手順が用意されています。

JBoss(UNIX環境)

UNIX上のJBossは、必要なJDKを2つの場所に保存します。 1つ目の場所は、$JBOSS_HOME/bin/SASServer1.shスクリプトで、2つ目の場所は$SAS_CONFIG/level_env.shスクリプトです。 $JBOSS_HOMEは、JBossインストールのrootレベルディレクトリで、$SAS_CONFIGは、SAS構成のrootレベルディレクトリです。 対応するファイルの次の変数はを使用するJDKの場所を含むように変更する必要があります。

# in file /opt/jboss-4.2.0.GA/bin/SASServer1.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12
# in file /opt/SAS/Config/Lev1/level_env.sh
JDK_HOME=/data/jdk1.5.0_12

JBoss(Windows環境)

SASはJBossアプリケーションサーバーをWindowsプラットフォームにサービスとしてインストールするため、Tanuki Wrapperを使用します。 Tanuki Wrapperは、Java実行ファイルとJDKのtools.jarファイルの場所を特定するためにwrapper.confという構成ファイルを使用します。 JBossがサービスとして実行するように設定されている場合、$JBOSS_HOME\server\SASServer1\wrapper.confを編集します。 次の例を参照してください:

REM in C:\jboss-4.2.0.GA\server\SASServer1\wrapper.conf
wrapper.java.command=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\bin\java

REM also set the location of tools.jar
wrapper.java.classpath.2=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15\lib\tools.jar

JBossがサービスとして実行するように設定されていない場合、JBossの構成を編集します。 UNIX上のJBossは、必要なJDKを2つの場所に保存します。 1つ目のファイルは$JBOSS_HOME\bin\SASServer1.bat、2つ目のファイルは$JBOSS_HOME\bin\SASServer1.batです。 $SAS_CONFIGは、SASの構成ディレクトリです。 対応するファイルの次の変数はを使用するJDKの場所を含むように変更する必要があります。

REM in file C:\jboss-4.2.0.GA\bin\SASServer1.bat
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15
REM in file C:\SAS\Config\Lev1\level_env.bat
SET JDK_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

WebLogic(UNIX環境)

UNIX上のWebLogicは、必要なJDKを2つのファイルに保存します。 1つ目のファイルは、$SAS_CONFIG/Lev1/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.shです。 2つ目のファイルは、$SAS_CONFIG/Lev1/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.shです。 JAVA_HOME変数は、使用するJDKの場所が含まれるように変更する必要があります。

# in file /opt/SAS/Config/Lev1/Web/SASDomain/bin/setDomainEnv.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12

# in file /opt/SAS/Config/Lev1/Web/SASDomain/bin/commEnvSAS.sh
JAVA_HOME=/data/jdk1.5.0_12

WebLogic(Windows環境)

Windows上のWebLogicは、必要なJDKを2つのファイルに保存します。 1つ目のファイルは、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmdです。 2つ目のファイルは、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\commEnvSAS.cmdです。 JAVA_HOME変数は、使用するJDKの場所が含まれるように変更する必要があります。

REM in file C:\SAS\Config\Lev1\Web\SASDomain\bin\setDomainEnv.cmd
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

REM in file C:\SAS\Config\Lev1\Web\SASDomain\bin\commEnvSAS.cmd
SET JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_15

WebLogic Node Managerは、Windowsプラットフォーム上にサービスとして実行するようにインストールすることができます。 サービスは、WebLogicがインストール時に構成したJDKを使用するように構成されます。 その他のJDKで実行するように構成したWebLogic があり、WebLogic Node Manager をサービスとして実行している場合、 次の手順を実行して構成の変更を伴うサービスを再インストールする必要があります。

  1. BEA WebLogic Node Manger Serviceを停止します。
  2. BEA WebLogic Node Manager Serviceをアンインストールするため、$SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\binnstallNodeMgrSvc.cmdを実行します。
  3. $SAS_CONFIG\Lev1\Web\SASDomain\bin\installNodeMgrSvc.cmdを実行します。 このコマンドは、commEnvSAS.cmdsetDomainEnv.cmdで指定されているJDKを使用して、BEA WebLogic Node Manager サービスをインストールします。

WebSphere

WebSphere構成は、必要なJDKと共にインストールされます。