金融機関で今、注目を集めているマーケティング・システムをご存知だろうか。顧客に関するありとあらゆるデータをもとに、個人属性の変化や取引行動上の変化を検知し、これをニーズ発生の契機(イベント)と捕らえ、顧客が必要とする商品提案を実施する「イベント・ベースド・マーケティング(EBM)」である。

現在、金融機関が課題とするマス顧客へのアプローチの現状、それを克服する EBM の利点、そしてその実施プロセスについて以下で解説する。

ここ数年メガバンク、地方銀行を問わず、課題視されてきたのは小数の富裕層とは異なる、膨大な顧客数を抱える中口・小口層(マス顧客)への効果的かつ効率的なアプローチであった。コストを抑えながらこのマス顧客をいかに収益に結びつけるかが、金融機関にとっての今後の挑戦といえる。

このような課題意識を背景に、統合顧客データベースを構築し、販売したい投資商品に合致する顧客を年齢や性別といった属性や、過去の取引実績をもとに条件検索し、より見込みが高いと思われる顧客をリストアップしてのアプローチが実施されてきた。 この取り組み自体は業務を効率化し、特定のターゲットに対してアプローチをするために的外れなキャンペーンを展開する無駄を削減することが出来るが、「商品ありき」の提案スタイルそのものに変化をもたらすことはなく“今”商品を必要としていない顧客からすると、場合によっては迷惑なダイレクトメールを受け取り続けるなどという状態は改善されない。これが金融商品の飛躍的な拡販を阻む要因となり、従来のアプローチの限界であるともいえる。

これに代わって注目を集めているのが、顧客が必要とする商品を必要なタイミングで提案するイベント・ベースド・マーケティング(Event Based Marketing = EBM)である。EBM は個人属性の変化や取引行動上の変化を顧客データベース上でいち早く検知し、これをニーズ発生の契機(イベント)と捉えて、顧客が求める商品提案を実施する新たなマーケティング手法だ。たとえば、住宅ローン借り入れ後 5 年が経過した顧客が Web でローン商品の検索を頻繁に行うようになった、これはニーズ発生の契機(イベント)として捉えることが・・・(つづく

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