SAS、森林破壊の防止やサンゴ礁の生態系保全、二酸化炭素排出量の削減に取り組む

米スミソニアン博物館および米NPOのアマゾン保全協会と連携して、地球環境保護に貢献

アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、アナリティクスのイノベーターとして米国の非営利団体Amazon Conservation(以下、アマゾン保全協会)、および米国スミソニアン国立自然史博物館が主導するHealthy Reefs for Healthy People(HR4HP)イニシアティブと連携し、熱帯雨林破壊の阻止、サンゴ礁の生態系保全、二酸化炭素排出量の削減という3つの重要な環境問題への対応を支援します。

SASのブランド・ディレクター兼ソーシャル・イノベーション・プログラム責任者であるスーザン・エリス(Susan Ellis)は次のように述べています。「SASはアナリティクスのグローバル・リーダーとして、世界で最も差し迫った課題を解決するために自社のテクノロジーとリソースを活用する責任があると感じています。SAS社員の情熱とコミットメントこそがこうしたソーシャル・イノベーションを強力に推進します。」

データとAIによる熱帯雨林の保護
パンデミックの波及効果によって保全および施行活動が遅れ、森林破壊のレベルが急上昇したために、2020年の熱帯雨林では壊滅的な森林喪失が続きました。昨年のアースデイにSASは、クラウドドリブンな人工知能を利用してアマゾンの熱帯雨林の破壊を追跡し、最終的にはそれを阻止するためのグローバルなソーシャル・イノベーション・プロジェクトを立ち上げました。現在も継続している第1段階では、3月時点でアマゾンの845,000平方キロメートル以上の熱帯雨林の画像を分類しました。その一方でSASは、非営利団体であるアマゾン保全協会と協力して、状況を改善するための取り組みをさらに進めています。アマゾンの主要地域をモニタリングすることで違法な森林破壊を特定・追跡するこのプロジェクトは、その対象地域と取り組みを拡大します。

主要な科学者による研究によると、アマゾンはもうすぐ転換点を迎え、自ら雨を降らせることができなくなり、乾燥したサバンナになってしまう可能性があると言われています。アマゾン保全協会とSASのパートナーシップは、森林破壊の主な原因である人間による違法伐採に対処することができます。

SASとアマゾン保全協会は、高解像度の衛星画像を用いて熱帯地域全体の森林破壊に関するデータを毎週収集しているメリーランド大学のGlobal Analysis and Discovery(GLAD)ラボからの森林破壊のアラートを、最新のクラウドソーシング・エクスペリエンスの一部に組み込みます。このプロジェクトは、大きな脅威にさらされている保護地域と先住民地域を優先する形で、森林破壊が自然発生的なものか人為的なものであるかを判断するプロセスを、ボランティアとAIの力を利用して自動化できるようにします。SASとアマゾン保全協会は、最新のGLADアラート(実際の原因ではなく、森林破壊の可能性がある領域のみを示します)に基づいて追加的なインサイトを提供することで、政府関係者と地域コミュニティが森林破壊の原因を理解し、その合法性をリアルタイムで判断できるようにします。これにより、保護地域や先住民地域への侵入に対し、手遅れになる前に迅速な行動を取ることができます。

アマゾン保全協会のエグゼクティブ・ディレクターであるジョン・ビーバーズ(John Beavers)氏は次のように述べています。「2020年、アマゾンは森林破壊の歴史的記録に見舞われ、対象となる9か国で560万エーカー(約22,672平方キロメートル)が失われました。これは、この地域に火災が蔓延した2019年と比較して17%以上の森林の減少です。このクラウドソーシングの取り組みが、森林破壊を食い止めるために必要なツールを現地の人々に提供するだけでなく、人々が現地で何が起こっているかを知り、行動を起こすきっかけになることを願っています。」

サンゴ礁の生態系保全のための啓発
SASはHR4HPイニシアティブと連携し、過去14年間に多数の地域パートナーが収集したデータを利用して、西半球最大のバリアリーフがあるメソアメリカン・リーフ(MAR)の生態系保全にどのように貢献できるかを国際社会に伝えています。海洋生物多様性のホットスポットとして世界的に知られるMARは、ホンジュラス、グアテマラ、ベリーズ、メキシコの海岸に沿って625マイル(約1,005キロメートル)にわたって広がっています。200万人以上の人々がMARに生計を依存する一方で、数えきれない人々が、食糧、医薬品、暴風雨や海面上昇からの保護をMARから得ています。HR4HPは、この重要なエコシステムの保護に取り組んでいます。

MARの生態は、乱獲の増加、気候変動、汚染、人間の影響や慣行による生息地喪失など、多くの要因によって危険にさらされています。なぜサンゴ礁が危機に瀕しているのかを理解してもらうために、SASはHR4HPと提携し、サンゴ礁の状態に関するレポート2021 EcoAudit2020 Report Cardsを無料アプリ「GatherIQ™」で紹介しています。GatherIQ™は、2030年までに世界をより良い場所にするために、国連の「持続可能な開発目標」に取り組むことができるアプリです。サンゴ礁の生態データに注目を集めることで、世界中の人々がサンゴ礁について学び、個人の行動がどのような影響を与えるかを知ることができます。HR4HPの活動は、MARの生態系保全に貢献しましたが、この取り組みが進展を続けるには、人々の意識を高め、改善のための措置を講じる必要があります。

人々は、EcoAuditとReport Cardsのデータを掘り下げ、HR4HPのパートナーリソースにアクセスすることでインサイトを獲得し、特定の種類の魚を食べることを控えたり、環境管理と持続可能性の実践で実績のあるホテルを選んだりするなど、ライフスタイルの選択を調整することでサンゴ礁の繁栄に貢献できます。

HR4HPのディレクターであり、Smithsonian Working Land and Seascapesの科学者であるメラニー・マクフィールド(Melanie McField)博士は次のように述べています。「サンゴ礁は、地球上で最も多様で貴重な生態系のひとつであり、脅威にさらされています。メソアメリカン・リーフは、サンゴ礁を救うための戦いの国際的な最前線に位置しており、その保護のためには、科学的根拠に基づいたアダプティブ・マネジメントが用いられています。73の地域パートナー組織が、15年以上にわたってサンゴ礁の生態データを収集し、データを利用して政策に反映し、各国のサンゴ礁保護の活動を評価してきました。しかし、世界中の人々がこの問題に対する理解を深め、問題の原因となる個人の行動を変えることも必要です。」

よりスマートな意思決定による二酸化炭素排出量の削減
SASは、アナリティクスの専門知識と強力なソフトウェアソリューションにより、顧客のよりスマートな運用モデルとグリーンビジネス戦略開発を支援するだけでなく、独自の持続可能イニシアティブの促進によって長年にわたる革新的な評価も得ています。企業の持続可能性のリーダーカンパニーおよび提唱者として、SASは二酸化炭素排出量の削減に取り組んでおり、環境パフォーマンスの管理とレポートに独自のソフトウェアを利用しています。実際に、SASの二酸化炭素排出削減目標は、パリ協定の目標達成に必要なレベルと一致することが、最近Science BasedTargetsイニシアティブによって認められました。事業による温室効果ガスの排出を対象としたSASの目標(スコープ1、2、3)は、温暖化を1.5°C以内で維持し、気候変動の最も有害な影響を回避するために必要な削減量と一致しています。

二酸化炭素の排出削減には、SASの従業員も貢献しています。毎年開催されるSocial Innovation Summitでは、この環境問題だけでなく、その他の問題への対応にも自分たちの好奇心、情熱、専門知識とSASのテクノロジーを適用しています。たとえば、2020年のSummitから生まれたアイデアの1つは、SASが2050年までに排出量ゼロの目標を達成する上で、従業員にどのような貢献ができるかというものでした。結果としてSASは、従業員の空の旅ツールに取り組んでいます。従業員は、このツールを利用して航空旅行の判断を最適化することで、二酸化炭素排出量と、旅費と排出量の削減に必要な行動について理解を深めることができます。

企業の社会的責任に対するSASの取り組みの詳細については、こちらをご覧ください。

アマゾン保全協会(Amazon Conservation)について
アマゾン保全協会は、地球上で最大の野生森であるアマゾンを保護するために、科学、イノベーション、人々を結びつける非営利団体です。1999年以降、アマゾン保全協会はペルー、ボリビア、米国の3つの地域組織と連携して熱帯の保護活動に先駆的に取り組んできました。その独自のアプローチは、数十万種の野生生物が生息する数百万エーカーの野生地の保護、人々が生活の質を向上させながら自然保護のチャンピオンになれるようにすること、科学技術の最新の発見を利用した保護の進展という3つの戦略に重点を置いています。

Healthy Reefs for Healthy People
Healthy Reefs for Healthy People(HR4HP)イニシアティブは、メソアメリカン・リーフ地域全体の73の組織間のコラボレーションであり、スミソニアン国立自然史博物館が主導しています。HR4HPは、健康な人々を維持するには健康なサンゴ礁が不可欠であるという前提に基づいて2003年に設立されました。HR4HPは、サンゴ礁の生態系管理を改善するためのデータ収集、分析、解釈の標準プロセスにパートナーを従事させることでサンゴ礁の状態に関心があるマネージャーや政治家をはじめとするリーダーたちの理解を深化させ、情報共有のためのオープンフォーラムを形成します。

*2021年4月21日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SAS について

SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。

*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

  • SAS Institute Japan株式会社
    広報担当: 森屋
    TEL: 03-6434-3700
    E-mail: jpnpress@sas.com