SAS、高度なアナリティクスと機械学習を通じて健康なミツバチの個体数を増大

世界ミツバチの日を祝して、ミツバチを監視、保護、保全するための3つの革新的プロジェクトを発表

アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下SAS)は、世界の最も差し迫った問題の解決にデータとアナリティクスを使用する取り組みの一環として、食用作物における世界最大の花粉媒介者であるミツバチの保全を支援しています。全世界でミツバチのコロニー数が大幅に減少する中、SASはIoT、機械学習、ビジュアライゼーションなどのテクノロジーを用いて、健康なミツバチの個体数を維持するために貢献しています。

SASは「世界ミツバチの日(World Bee Day,5/20)」を祝して、テクノロジーにより全世界の花粉媒介者の個体数を監視、追跡、改善する3つのプロジェクトを明らかにしています。1つ目は、聴覚データと機械学習アルゴリズムを通じて巣箱の状況をリアルタイムで監視するために、SASの研究者が非侵襲的な方法を開発しています。2つ目は、世界のミツバチの個体数データを視覚化し、保全に向けた最適な方法を理解するために、アパラチア州立大学と協力してWorld Bee Countに取り組んでいます。3つ目は、最近のSAS® Viya® Hackathonの勝者が、機械学習を通じてミツバチのコミュニケーションを解読しました。これは、ミツバチの食料へのアクセスを最大化して人間の食糧供給を拡大させることを目的としたものです。

SASのCOO兼CTOであるオリバー・シャーベンバーガー(Oliver Schabenberger)は、次のように述べています。「当社は常に、テクノロジーを用いて世界を向上させる方法を探しています。ミツバチの個体数の保全は、私たちのエコシステム、ひいては私たちの食糧供給にとって極めて重要な課題です。この課題に対し、高度なアナリティクスと人工知能をミツバチの巣の健康に役立てることは、社会としてより良い試みといえるでしょう。」

ミツバチの群れの健康を非侵襲的に監視

SASのIoT部門の研究者は、SAS Event Stream ProcessingおよびSAS Viyaソフトウェアで提供されているデジタル信号処理ツールと機械学習アルゴリズムを用いて、ミツバチの巣箱の状態をリアルタイムで非侵襲的に追跡するために、生物音響監視システムを開発しています。このシステムによって養蜂家は、コロニーの失敗につながりかねない巣箱の問題を効果的に理解し、予測できるようになります。これには、通常であれば検知できないような、新しい女王蜂の出現も含まれます。

米国におけるミツバチの巣の年間損失率は40%を上回っており、こうした損失の25%~40%は、女王蜂の問題によるものです。音響分析を行うことにより、コロニーの損失率を大幅に減らす上で極めて重要となる女王蜂の消失を、養蜂家に即座に警告できます。養蜂家はこのシステムによって、時間のかかる破壊的な手動検査を行うことなく、巣箱に対する理解を深めることができます。

SASのIoT部門のディスティングイッシュト・リサーチ・スタティスティシャン・デベロッパーであるアニヤ・マクガーク(Anya McGuirk)は、次のように述べています。「私は養蜂家として、ミツバチが生態系に与える影響の大きさを理解しており、誰もがメリットを得られるよう、より健康なミツバチの革新的な飼育方法を見つけたいと考えています。またSASの従業員として、自社の敷地内の巣箱でSASソフトウェアを用いてこの実験を行い、当社の分析能力と、イノベーションや持続可能性に対する当社の献身的努力を実証できることを誇りに思っています。」

チームは、ノースカロライナ州キャリーのSAS本社に設置された4つのBee Downtownの巣箱にセンサーを接続し、クラウドに直接ミツバチの巣のデータをストリーミングして、重量、気温、湿度、飛行活動、音響など、巣箱の内部や周囲のデータポイントの継続的な測定を開始しました。健康、ストレスレベル、分蜂活動、女王蜂の状態などを示唆する可能性がある巣箱の音を「聞く」ために、インストリームな機械学習モデルが使用されました。ミツバチの群れの音だけを用いてその健康と満足度を判断できるよう、研究者は機械学習手法の1つであるロバスト主成分分析(RPCA)を使用して、巣箱のマイクで収集された音のインベントリと、外部または無関係な雑音を区別しました。

研究者はRPCA手法によって、未交尾女王蜂が分蜂後に発する鳴き声(パイピング)と同じ周波数範囲での、働き蜂のパイピング(ワーカーパイピング)を検知できることを発見しました。これにより、女王蜂が存在しているかどうかを評価できる可能性があります。さらに研究者は、分蜂後の女王蜂のパイピングと、コロニーに女王蜂がいない場合に発生するワーカーパイピングを見極めるための、自動化パイプラインを設計しました。これは養蜂家に多大なメリットをもたらし、新しい女王蜂が出現する可能性を警告して、深刻な損失が生じる前に介入の機会を提供します。

研究者は間もなく音響ストリーミングシステムを導入する予定であり、ミツバチおよび最終的には人類を支援するために、テクノロジーの用途を拡大する方法を引き続き模索しています。

世界の花粉媒介者の個体数を視覚化

SASは「世界ミツバチの日」にあたって、アパラチア州立大学のCenter for Analytics Research and Education(CARE)と共同で設立されたイニシアティブであるWorld Bee Countのために、全世界で「カウントされた」ミツバチを精密に示すデータ視覚化を開始します。World Bee Countの目標は、憂慮すべきミツバチの減少の理由を理解する第一歩として、世界中の市民を関与させ、ミツバチの写真を撮ってもらうことにあります。

アパラチア州立大学CAREの教授兼エグゼクティブ・ディレクターであるジョセフ・カジエ(Joseph Cazier)氏は、次のように述べています。「World Bee Countのもとで、私たちはミツバチのデータ収集をクラウドソーシングすることで、地球上のミツバチの個体数を視覚化し、現時点で最大規模かつ最も有益なミツバチのデータセットを構築することができます。SASのデータ視覚化は、クラウドソーシングで集められたミツバチや他の花粉媒介者の場所を示します。プロジェクトの後期には、研究者は作物生産量や降水量といったミツバチの健康を左右する要因など、主要なデータポイントを重ね合わせ、地球の花粉媒介者に関して包括的な理解を得られるようになります。」
 独バイエルは、学生や教員がWorld Bee Countデータを始めとする花粉媒介者のデジタルデータソースを利用して研究できるよう、CAREを後援することに同意しています。

5月の初めにWorld Bee Countアプリが公開され、ユーザーである養蜂家および一般市民(市民によるデータサイエンティスト活動)の双方が、世界花粉媒介者マップ(Global Pollinator Map)にデータポイントを追加できるようになりました。このアプリでは、養蜂家は所有している巣箱の数を入力でき、任意のユーザーは自分のカメラロールから、またはアプリ内カメラを通じて、花粉媒介者の写真を投稿できます。SASはSAS Visual Analyticsを通じて、ユーザーがアプリ経由で投稿した画像を表示するために、視覚化マップを作成しました。プロジェクトの結果の表示に加え、この視覚化によって、ミツバチが最も健康になる条件についての知見が得られる可能性があります。

このプロジェクトでは今後、アプリから生成された確かなデータセットによって、大学や研究機関などのグループが、極めて重要な生物の保全に向けて効果的に戦略を策定できるようになる可能性があります。

機械学習を用いてミツバチの食料へのアクセスを最大化

2020 SAS EMEA Hackathonでは、SAS Viyaを用いた持続可能性の向上という課題が参加者に課され、北欧地域代表であるノルウェーのAmesto NextBridge社のチームが勝利しました。勝利を収めたプロジェクトでは、機械学習を用いてミツバチの食料へのアクセスを最大化しました。これにより、人類の食糧供給にもメリットがもたらされます。同チームはBeefuturesと提携し、Beefuturesの観察用巣箱とSAS Viyaを用いてミツバチの「尻振りダンス」を自動的に検出、解読、マッピングできるシステムを開発することで、プロジェクトを成功させました。

ミツバチは、人間の食糧に直接用いられる植物種全体の75%近くに関して受粉を行っていますが、ミツバチのコロニーの数は減少しており、人類の食糧供給の壊滅的な損失につながる可能性があります。ミツバチの個体数が減少している主な原因の1つは、単一栽培の増加によってミツバチが食料にアクセスできなくなることです。ミツバチは適切な食料源を見つけると、巣箱に戻り、「尻振りダンス」を通じて正確な場所を伝えます。こうしたダンスを観察することで、養蜂家はミツバチが食料を得ている場所をより効果的に把握し、こうした場所への新しい巣箱の設置を検討して、強固なコロニーを維持できるようになります。

Amesto NextBridge/Beefuturesチームを主導するチェーティル・カラガー(Kjetil Kalager)氏は、次のように述べています。「こうしたダンスをすべて手作業で観察することは実質的に不可能ですが、巣箱の中から撮影したビデオ映像を使用し、機械学習アルゴリズムをトレーニングしてダンスの解読を行うことで、ミツバチが食料を見つけている場所をより深く理解できるようになります。この情報を、巣箱の座標、太陽の角度、時刻、巣箱周辺の農作物とともにSAS Viyaのインタラクティブマップに組み込むことで、養蜂家は巣箱の情報を容易に解読し、必要に応じてより適切な環境に移動させることができます。」

尻振りダンスの系統的なリアルタイム監視によって、ミツバチはエコシステムのセンサーとして機能できます。このテクノロジーを用いたさらなる調査により、ミツバチがダンスを通じて伝達する他の情報が解明され、ミツバチの個体数の保全/保護に役立つ可能性があり、最終的には私たち全員にメリットがもたらされます。

この実行中の尻振りダンスプロジェクトをご覧いただき、いかにSASが企業の社会的責任に取り組んでいるかをお確かめください。

*2020年5月20日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SAS Institute Inc. について

SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。

*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。Copyright©2020 SAS Institute Inc.無断複写・転載を禁じます。

本件に関するお問い合わせ先

  • SAS Institute Japan株式会社
    広報担当:山中
    TEL:03-6434-3700
    E-mail:jpnpress@sas.com

Back to Top