ROOM B
8月6日(木)
14:00 - 14:30
【B-01】【論】統計解析

非劣性試験における割合の差の信頼区間と例数設計


京都大学大学院医学研究科
医学統計生物情報学
特定助教
魚住 龍史

共同発表者:飯塚 政人
浜田 知久馬


V9.2以降,FREQプロシジャの大幅な機能拡張により,割合の信頼区間のタイプを指定できるようになった.V9.2以降BINOMIALオプションで1標本の割合の信頼区間のタイプを指定できるようになり,V9.3以降RISKDIFFオプションで2標本の差の信頼区間のタイプも指定できるようになった (浜田,2012).そして,V9.4のRISKDIFFオプションでは,信頼区間のタイプにさらなる拡張がなされた (飯塚,浜田,2013; 飯塚,魚住,浜田,2014).本発表では,非劣性試験の下,2標本の割合の差の信頼区間を主解析とする場合を想定する.非劣性試験では,信頼区間に基づく仮説の検証が行われることが一般的であるため,解析計画の段階で信頼区間のタイプを選択することが重要となる.具体的な主解析方法を特定した上,非劣性試験に必要な例数を見積もるためにはPOWERプロシジャが有用である.しかし,POWERプロシジャのTWOSAMPLEFREQステートメントで指定できる検定方法(信頼区間のタイプ)は限られるため,主解析として選択した方法に基づき例数設計を行うためには,シミュレーションによる評価が必要になってしまう.本発表では,正規分布への漸近近似を利用した割合の差の信頼区間に焦点を当て,SAS/STAT 13.1のPOWERプロシジャの計算結果では適切に例数設計を行うことができない場合を取りあげる.そして,飯塚,魚住,浜田 (2014) により推奨されたMiettinen-Nurminen信頼区間を主解析として選択した場合の例数設計法,及びSAS/STAT 13.2における機能拡張についても紹介する.

【発表形式】論文

【チェアマン】イーピーエス株式会社 堺 伸也