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配電と電力グリッド運営の安定に取り組むベルギー企業

Eandis社、SAS® Visual Analyticsの導入によってセルフサービス型のBI環境を整備し、高度なスマートグリッド・アナリティクスを実現

ソーラーパネルなどの再生可能エネルギー源を導入する家庭や、「グリーン電力」を選択できるエネルギー会社に乗り換える家庭が増え続ける中、事業者側ではグリッドの状況を評価することが必須になっている。水力、原子力、ガス、石炭といった従来のエネルギー源では安定した発電が可能であるのに対し、再生可能エネルギー源は天候や時間帯に左右される傾向がある。そして、こうした電源を適切に管理できなければ、電力の安定性と品質に影響が及び、ひいては送電線をはじめとするグリッド設備を損傷させる恐れさえある。

これらの要因に適切に対処し、なおかつ、EUが義務付けている2020年のエネルギー効率向上目標も達成するために、Eandis社はSAS Visual Analyticsを導入し、分析に利用できる大量のグリッドデータを視覚化する機能の強化を図った。現在の同社では、ベルギー最大の配電事業者として、新しいスマートグリッドをより的確に管理できるツールを保有しており、需要家のニーズを満たすことはもちろん、再生可能エネルギー源にも対応できるようにインフラを最新化しつつある。

エネルギー環境の変化と足並みを揃えた進化

Eandis社は何十年もの間、古典的な供給モデルにもとづき、ベルギー国内の229の市町村に電力と天然ガスを供給してきた。このシステムでは、電線とガス・パイプラインを用いて生産地点から消費地点までエネルギーを輸送する。しかし、グリッドの需要家側に太陽光や風力が普及してきたことから、こうした需給力学は変化しつつある。

「エネルギーは今や、一方向ではなく双方向に流れるようになっています」と説明するのは、Eandis社BIコンピテンシー・センター(BICC)のエンタープライズ・アーキテクト兼マネージャー、オリヴィエ・ゲータル(Olivier Goethals)氏だ。「これは技術的な観点からすると送配電グリッドに多大な負担がかかるため、大きな課題となっています。双方向のフローは電線を劣化させ、電力グリッドの安定性に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。例えば、家庭の照明がちらついている場合は、電圧変動が生じている可能性があります。グリッドが適切に管理されなければ、こうした症状がさらに広がります」

エネルギー生産の分散化に伴うこうした課題に対応するため、Eandis社では今、双方向のエネルギーフローを管理できるように電力グリッドのアップグレードを進めている。また、デジタル・テクノロジーやセンサーを活用するスマートグリッドの開発にも取り組んでおり、その目標は、エネルギー使用量の継続的な追跡、異常の早期検出、需要家の電力使用に関する洞察の高度化を実現することだ。

SAS Visual Analyticsの導入後、当社の分析担当者は同じ作業を[3~6ヶ月ではなく]数分で完了できるようになりましたし、データの視覚化と操作、列の追加、計算の実行は、ほんの数秒で可能になっています。これには本当に驚きました。
Olivier Goethals

オリヴィエ・ゲータル(Olivier Goethals)氏
BIコンピテンシー・センター(BICC)、エンタープライズ・アーキテクト兼マネージャー

レガシーシステムでは将来を見通せない

「これまでのエネルギー事業はエンジニアリング・ビジネスであり、パイプや配線の管理こそが重要でしたが、今ではデータ管理の重要性が高まりつつあります」(同氏)。

以前のEandis社では、レポーティングにも従来型の手法を利用していたという。部門や部署でカスタムレポートが必要になった場合は、IT部門が要件を吸い上げ、データ抽出方法を開発し、データウェアハウスにデータを取り込み、レポートを作成していたのだ。

この手法では、プロセス全体に時間がかかってストレスが溜まり、結果の解釈も容易ではなかった。問題の核心は、旧システムが事後解釈を前提としており、過去の事象を分析することしかできなかったという点にある。しかし、Eandis社が必要としていたのは、将来に関する疑問について答えを得ることだった。例えば、電気自動車は「5年後にどのくらい普及しているのか?」、「どの地域に普及するのか?」、より重要な点として、「電力グリッドにどのような影響を及ぼすのか?」といった疑問だ。

データを用いた実験と探索の場を確保

SASを使うようになって、Eandis社は予測モデルやデータ視覚化方法を実験するためのサンドボックス環境を手に入れた。 分析担当者はそこで満足いくまで予測モデルを試行錯誤し、完成後にIT担当者のサポートを受けて本番環境に展開するのだ。

「SAS Visual Analyticsは使いやすいだけでなく、ビッグデータの探索や意思決定を以前よりも遥かに迅速化してくれます」(同氏)。

例えば、Eandis社では毎年、グリッドに給電している全ての送電施設から届くデータを蓄積・測定しているが、年間の測定値は1,000万行に達し、9枚のExcelスプレッドシートを埋め尽くしてしまうという。このデータの分析には3ヶ月から6ヶ月を要していた。「SAS Visual Analyticsの導入後、当社の分析担当者は同じ作業を数分で完了できるようになりましたし、データの視覚化と操作、列の追加、計算の実行は、ほんの数秒で可能になっています。これには本当に驚きました」(同氏)。浮いた時間を活用してデータの分析や代替モデルの作成を行えるようになったことで、新しい送電施設の建設などについて、十分な裏付けにもとづく投資判断をより迅速に行えるようになったという。

ゲータル氏が挙げたもう1つの利点は、SAS Visual Analyticsで作成するレポートが解釈しやすく、意思決定の強化に役立つ、ということだ。「数字を羅列しただけのレポートは、見ようとする気になりませんし、恐怖感すら覚えます。今では、どのレポートも視覚的な訴求効果が高く、使いやすく、更新も迅速ですから、複雑なデータの意味を直感的に理解することができ、それが確固たるビジネス判断へとつながります」(同氏)。

需要家エンゲージメントの強化で「よりグリーンな」将来を追求

Eandis社の最近の分析によると、グリーンエネルギーの生産量が増加しているものの、エネルギー消費量全体の上昇傾向は依然として続いている。同社では、需要家を啓発し、スマートグリッド・プロジェクトをさらに進展させることで、この傾向を逆転させたいと考えている。

ゲータル氏は次のように説明する。「多くの人々は自分のエネルギー消費量を把握しておらず、自分の料金が高いのか低いのかもよく分かっていないことが明らかになっています。スマートメーターを導入し、“スマート需要家“プログラムを展開することで、エネルギーに関する問題意識を広め、資源節約の気運を高めることができます。こうした総合的な取り組みにより、エネルギー情勢の変化に適応しながら、環境に優しい事業運営を推進できると考えています」

Eandis

課題

  • エネルギー消費量の分析精度を高め、スマートグリッドを開発し、需要家の間でエネルギー節約の機運を高める
  • セルフサービス型のBI環境を整備し、ビジネスユーザーが大量のデータを自律的に探索できるようにする

ソリューション

利点

  • 新しいスマートグリッドをより的確に管理することで、需要家のニーズに対応
  • インフラの最新化によって、再生可能エネルギー源にも対応
  • グリッドに給電している送電施設から届くデータの測定に要する時間が短縮:以前は3~6ヶ月かかっていたプロジェクトが現在では数分で完了
  • スマートグリッドに対する政府の補助金の効率的な活用を計画
  • データに対し、ざまざまな想定にもとづく疑問を提起し、数多くのビジネスシナリオを探索
  • 裏付けにもとづく確固たる意思決定を以前より遥かに迅速に実行

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