データ間に対応のある2群の比較

[OS] ALL
[リリース] ALL
[キーワード] STAT, PAIRED, TTEST

[質問]

データ間に対応がある場合、2群の比較を行なうにはどのようにすればいいですか。

[回答]

2群の比較を行なうには、通常t検定が用いられますが、薬剤投与前後の観測値のように、データ間に対応がある場合には適していません。このような場合、対応を考慮したt検定を行なう必要があります。SAS System 8以降では、TTESTプロシジャにPAIREDステートメントが追加されたので、以下のサンプルプログラムのように指定することで、対応のあるt検定を行なうことができます。

data test;          /* サンプルデータの作成*/
  input before after@@;
cards;
10 13 14 15 13 12 15 18 21 17 15 19
;
run;

proc ttest data=test;
  paired after*before;
run;

また、同様の検定は、DATAステップでオブザベーションごとに変数間の差を求め、その差に対してUNIVARIATEプロシジャを実行することによって求めることができます。この方法では、ノンパラメトリック手法であるWilcoxonの符号付き順位和検定の結果も併せて得ることができます。 具体的な方法に関しては下記のサンプルプログラムを参考にしてください。

data test2;      /* オブザベーション間の差を算出*/
  set test;
  diff=after-before;
run;

proc univariate data=test2; 
                   /* 変数DIFFに対する検定統計量を算出*/
  var diff;
run;

検定の結果は、「位置の検定:μ0=0」の表に表示されます。この表では1行目には対応のあるt検定、3行目にはWilcoxonの符号付き順位和検定に対応する検定統計量とp値が表示されます。