平均の差に対する帰無仮説の設定

[OS] ALL
[リリース] 9.3以降
[キーワード] 平均の差、LSMESTIMATE、TESTVALUE

[質問]

MIXEDプロシジャのLSMEANSステートメントを用いて、最小2乗平均の差を検討しています。
この場合、最小2乗平均の差が0、つまり、最小2乗平均が同じであることに対する検定を行い、p値が算出されます。
差が0以外の値を指定できますか。

[回答]

LSMEANSステートメントでは、差が0である検定のみに対応しており、差を任意の値に指定することができません。
このため、算出されている標準誤差などを用い、p値を算出するDATAステップを記述する必要があります。
他の方法として、SAS/STAT 9.3以降におけるLSMESTIMATEステートメントのTESTVALUE=オプションがあります。
LSMESTIMATEステートメントでは、カテゴリカル変数の各水準に対する最小2乗平均値の線形式を指定し、検定を行います。
デフォルトでは帰無仮説における値は0となりますが、以下のようにTESTVALUE=オプションを追記することで、任意の値に対する検定を行えます。

例)

PROC MIXED DATA=test;
   CLASS group;
   MODEL resp = group;
   LSMESTIMATE group "test" 1 -1 / TESTVALUE=1;
RUN;

※LSMESTIMATEステートメントのTESTVALUE=オプションは、MIXEDプロシジャの他、
GENMODプロシジャ、LIFEREGプロシジャ、LOGISTICプロシジャ、ORTHOREGプロシジャ、PHREGプロシジャ、
PLMプロシジャ、PROBITプロシジャ、SURVEYLOGISTICプロシジャ、SURVEYPHREGプロシジャ、SURVEYREGプロシジャで指定できます。