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南アフリカ共和国・財務省SASのBIプラットフォームで人的資源管理を実現南アフリカ共和国は、1994年の民主化以降、政治的にも社会的にも劇的な変動をくぐりぬけてきた。そこで、国家政策の影響の識別など、この変動をシステマティックに計測・モニタリングするニーズがあった。そのニーズのもと、南アフリカ共和国は、国家政策の効果を測定するために、SASのソリューションを導入したのである。 南アフリカ共和国の国家政策の重要な指針のひとつに、雇用における差別撤廃措置があった。同国では、1949年以降、アパルトヘイト政策にもとづき、政治やビジネスが少数の白人によって支配されてきた。しかし1991年のアパルトヘイトの撤廃を受けて、白人以外の人種も平等に雇用されるよう、特に対象を絞って雇用を促進する政策が打ち出された。さまざまな人種や障害をもつ人たち、女性なども社会で活躍できることを保証するためのこの政策は、「Vulindlela」と名づけられた。「Vulindlela」とは、南アフリカ共和国の民族である「コーサ族」と「ズールー族」の言葉で「開かれた道」を意味している。 膨大な情報南アフリカ共和国は非常に多くの人種で構成されているため、「Vulindlela」の対象を選定することは容易ではなく、それまでに蓄積された膨大な情報をトラッキング・配信・分析する必要があった。2000年12月現在で、南アフリカ共和国の公共機関では、1,042,000人が雇用されていた。そのうちの71%が9つの州の自治体に、残りの29%は中央政府に雇用されていた。これら9つの州では、それぞれ独自に雇用促進対象を設定していた。 当時、南アフリカ共和国には、156もの中央・地方自治体に加え、1994年以降急速に設立された350もの公共団体や、多くの公企業や貿易団体があり、各自が雇用促進対象を独自に設定しなければならない状態だった。さらに、雇用促進対象は、職位や給与レベルによって細分化されるため、「Vulindlela」を進めるには、民族的特徴・性別・地理・年齢・部署など、あらゆる属性の観点から人々を把握できる必要があった。 たとえば、男女差別の問題 − 雇用者の51%を占める女性の大多数は低賃金で労働しており、マネージャークラスの労働者のうち、女性はわずか20%しかいなかった。同様なケースとして、雇用者のうち、白人が16%、残りの84%が黒人・アジア系が占める中、アフリカ人が最も低い賃金レベルで労働し、少数の白人男性がマネージャークラスの職位を占有していたのである。さらに、2000年12月の調査では、公的機関で雇用されている身体障害者は、「Vulindlela」で掲げられた目標人数の10分の1でしかなかった。 「南アフリカ共和国政府は、そのアイデンティティを確立し、一貫した国家方針がありましたが、その一方で、最近まで「Vulindlela」の遂行や抜本的改革に必要な情報が不足していました」(Ismail Mamoojee, accountant general at the Office of the National Treasury of South Africa)。 こうした状況の中で、Mamoojee氏のプロジェクトチームのミッションは、さまざまな官公庁や公共団体の財政データを一元管理し、国家の予算策定や人的資源管理の目標が達成されるようにサポートすることであった。 財政データの開示は、1999年の「Public Finance Management Act」をはじめ、その数年間で制定された法律によって厳密に規定されていた。「Public Finance Management Act」は、年間の予算内で行政を実施し、会計原則(GAAP)にもとづいた連結決算表を示すために、国家に対しデータの開示責任を課している。 一方で、南アフリカ共和国は、GFS(Government Financial Statistics)構築のパイロットサイトでもある。GFSは、国際通貨基金と世界銀行によって構築され、多国間レベルで財政支出の比較ができると同時に、財政支出に関するすべての項目を再分類できるように設計されている。 「GFSは、オンタイムで出力されていた通常のレポートより、より多くのデータを包括したレポートを出力しました。今後の公債や資金の動向は、そのレポートの正確性にかかっていたのです」(Ismail Mamoojee)。また1998年に制定された「Employment Equity Act」は、2000-2001年の最終決算の半年間の雇用情報データの開示を課し、公共機関に関するさまざまな情報を統合することに焦点を当てていた。 しかし、問題は、レガシーシステム上に散在する、財政・人事・ロジスティックス・調達といったデータを、財務省のシステムにいかにして統合するかであった。 「膨大なデータが蓄積されていましたが、その中に情報として価値があるものはほとんどありませんでした。また、レガシーシステムの中には、極めて古いシステムもあり、経営に関する情報を配信することもできませんでした。その結果、システムの統合化・標準化は、極めて困難な状況にあったのです。たとえば、私たちは、8つの会計システムを構築していたのですが、そこには、さまざまなデータベースが導入されており、それらは複数のプラットフォーム上の異なるシステム上で稼動していたのです。また、人事面では2種の給与システムがあったのですが、それは6種ものメインフレーム上で稼動していました。さらに、レポートに関しては、出力データをスプレッドシートにアドホックに出力する必要がありました。その作業には非常に多くの時間がかかり、レポートをマネージャーに提出するのは、大変な作業でした」(Ismail Mamoojee)。 統合が意味すること2000年、南アフリカ共和国財務省は、データウェアハウス構築プロジェクトを開始した。目的は、SASによって、さまざまなデータソースを一元化し、「Vulindlela」と「GFS」のための、レポーティングニーズに応えることであった。 南アフリカ共和国の国家規模を考慮すると、このプロジェクトにまず必要なのは、膨大なデータの再構築と、アプリケーションとデータベース間の再マッピングであった。「ひとつのコードに複数の意味が対応しているケースが多々あったのです。たとえば、001というコードに、農務省、刑務所、高等教育機関の3つが割り当てられていました。また、ある事業所が複数のコード体系を持っているケースもあり、たとえば農務省には4種ものコード体系があったのです。さらに、部署によってデータの階層が異なり、データの重複や散在が発生していました」(Ismail Mamoojee)。 そこで、プロジェクトの第一段階として、「Vulindlela」の更新データを日次・週次・月次に集計し、ひとつの大きなデータマートに格納した。さらに、そのデータマートの情報を多次元データベース(MDDB)に統合し、クライアント環境からのデータ分析が可能になった。しかし、この機能は、統合化データウェアハウス導入における、必要最低限にすぎなかったのである。 「SASを選んだのは、データの拡張性が高く、汎用性に富んでいたからです。私たちは、さまざまなソースからデータを抽出・クレンジングし、データウェアハウスに蓄積する必要がありました」(Ismail Mamoojee)。 同時に、GFSシステムにも同様のアーキテクチャが採用された。プロジェクトは順調に進行し、Output delivery system(ODS)を活用したデータ分析のツールを導入しながら、統合化データウェアハウスの構築が実現したのである。 「私たちは、多くのユーザーに情報を提供しなくてはいけません。現在は、17,000人の職員がその情報にアクセスすることができますが、今後、その数を73,000人に増加する予定です。そこで、SASのWebを介したテクノロジーが、私たちにとって非常に重要になってきます。通常、こうしたソリューションを導入する場合、職員のトレーニングには時間がかかりますが、SASであれば、マウスの操作さえ知っていれば簡単に情報にアクセスできるのです」(Ismail Mamoojee)。 プロジェクトが初期段階であったにもかわらず、南アフリカ共和国財務省は、すでにSAS導入によるベネフィットを実感していた。プロジェクトの最終目的はコスト削減であったが、財政的な面では、国家・州の各部署は、キャッシュフローを以前より的確に把握し、効率的な予算管理を行なうことが可能になったのである。さらに、人事的な面では、性別や人種に関するデータを部署や州単位で取得することが可能になり、「Vulindlela」の進行状況を迅速に把握できるようになった。さらに、職員の配置転換・給与明細・年齢等のプロフィールに関するレポートも作成できるようにもなり、マウス操作だけで各地の職業斡旋所にレポートを送信することができるようになった。 |
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