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独立行政法人 国立循環器病研究センター

バイオバンクの運営、臨床研究の強化・推進に貢献
―研究・開発業務を安全かつ効率的に行うための臨床研究情報基盤をSASで構築―

臨床研究に電子カルテなどの診療情報を活用したい

国立循環器病研究センターは、世界をリードする医療政策を国と一体になって推進する国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)である。循環器病における医療の提供、医療レベルの向上を目的とした調査・研究、および技術者の育成を行うなど、循環器を専門とする最先端の医療機関であり、循環器疾患の臨床と研究の先導的役割を果たす医学研究機関でもある。

同センターでは、2010年4月を開始年度とする5年間の中期計画において、臨床を志向した研究・開発を推進することが示された。治験などの臨床研究を円滑に実施し、標準医療を確立するなどの優れた研究成果を継続的に生み出していくことが重要なテーマになる。

日本には、国立循環器病研究センターを含め、疾患別に専門性を持たせた高度医療を提供する6つのナショナルセンターがある。バイオバンクは、診療や手術、剖検に伴って得られる血液・組織・体液などの生体試料を医療情報と組み合わせて集積・管理する仕組みだ。現在、それぞれのナショナルセンターが運営するバイオバンクを束ね、共同のバイオバンクを構築する「ナショナルセンター・バイオバンク・ネットワーク・プロジェクト」が推進されている。プロジェクトの目的は、バイオリソースにひもづくさまざまな医療情報を、医療関係者や産学官の研究者と共有できる環境を整備すること。さまざまな医療情報を活用した医学研究を進め、疾患の原因解明、新たな治療法の発見、そして治療薬の開発に結びつけることを目指している。

情報統括部臨床疫学データベース室/研究開発基盤センター予防医学・疫学情報部レジストリー情報室 博士(医学) 山本 景一氏は、「臨床研究の効率化のために、電子カルテを含むさまざまな診療情報を活用することは必須です。しかし、医療機関における臨床研究支援のためのIT基盤は、いまだ十分に整備されていません」と語る。

たとえば、バイオバンクを利用した臨床研究を実施する場合、同意を得た患者の診療情報をバイオリソースと結びつけ、スムーズに研究利用できるようにする共通ネットワークとシステム基盤が必要になる。しかし、従来同センターでは、一般業務に使用する事務・学術研究ネットワーク、電子カルテを含む診療情報を共有する病院情報ネットワーク、およびバイオバンクの3つのネットワークが分断されており、効率的・効果的な研究活動の妨げとなっていた。

山本氏は、「当時、センター共通のデータ管理・統計解析システムはなく、プロジェクトの個別最適で運用されていました。患者の診療情報や生体試料、臨床研究データなどのさまざまな情報を循環器疾患の研究に安全かつ効率的に活用するための新たな"情報活用基盤"の構築が不可欠でした」と話す。

臨床研究のデファクト・スタンダードを採用

新情報活用基盤の構築にあたり、高度なセキュリティの実装が大きなテーマになった。国立循環器病研究センターは、院内ネットワークを情報の機密度に応じた複数の階層に分割し、情報資源を再配置、仮想化技術を導入し、階層をまたいで情報を利用する際の情報漏えいリスクを最小限にとどめられる設計にした。

この新たな情報活用基盤に、SASが採用された。バイオリソースや臨床情報の収集、高度な統計手法を用いた解析の実施、多様なデータベースやファイル形式のデータを集約・分析するデータ統合環境などに、SASのソリューションが利用されている。

山本氏は、「臨床研究分野では、SASが世界標準です。臨床研究の統計解析に従事するスタッフの多くがSASに習熟していることも、SASを選択した理由になりました」と語る。

今回の取り組みに際し、治験・臨床研究を遂行する機関として、業界の規則にもとづいたシステム・バリデーションも実施した。具体的には、センター内にEDCシステムを導入するにあたり、医薬品の臨床試験の実施基準であるGCP(Good Clinical Practice)に対応することを目的に、臨床プロセスで発生する電磁的記録の取り扱いに関するFDAのガイダンス「Guidance for Industry Computerized Systems Used in Clinical Investigations」、臨床プロセスにおける電磁的記録や電子署名の使用に関する指針の「ER/ES」といった業界標準に従い、臨床研究の品質と安全を確保できる体制を整えた。

さまざまな医療情報をSASで統合し、高度な統計解析を安全かつ効率的に実施

現在、さまざまな研究者がSASを利用し、標準的な臨床データの収集・大量データの統計解析を行っている。臨床研究では、多様な患者情報を扱うことになるが、診療のために利用する情報と研究のために利用できる情報をネットワークレベルで切り分けたため、医師も研究者も安心して業務を進めることができる。

SAS活用の一例は、臨床試験における被験者割付業務プロセスの自動化にも見られる。従来、音声自動応答システム(IVRS)やWeb登録システム (IWRS) を使用して臨床試験の被験者割付業務を行うことが多い。しかし、これらの方式では、登録票データの電子化、割付ロジックなどのプログラムについて試験ごとにカスタマイズを行う必要があり、プロジェクトごとに多額のコストがかかっていたという。SASによる新たな仕組みは、電子メールシステムと連携してこのプロセスを汎用化するものであり、多くのプロジェクトで利用される方向だ。
山本氏は、「多様なデータソースを活用した臨床研究を安全かつ効率的に実施し、優れた成果を継続的に生み出すことが求められる中で、SASの役割は今後ますます大きくなっていくと確信しています」と話している。

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独立行政法人 国立循環器病研究センター

課題:
循環器疾患の研究において、患者の診療情報や生体試料、臨床研究データなどのさまざまな情報を安全かつ効率的に活用できる新たな情報活用基盤の構築が不可欠だった
ソリューション:
バイオリソースや臨床情報の収集、高度な統計手法を用いた解析の実施、多様なデータベースやファイル形式のデータの集約・分析を可能にする
利点:
標準的な臨床データの収集・大量データの統計解析を安全かつ効率的に行っている。臨床試験における被験者割付業務プロセスの自動化も実現した