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IBM 次世代工場の生産性向上に SAS が貢献

半導体工場における生産プロセスは、数百もの連続した工程から構成され、またあらゆる場面でエラーが起こりうる、非常に精密で複雑な過程である。しかし IBM では、生産プロセスの自動化と、ほぼリアルタイムでの情報を反映できるエンジニアリング・インテリジェンス・システムとを利用することで、エラーを最小化した次世代半導体生産工場をニューヨーク州フィッシュキルに設立した。

わずか 20 年前まで、半導体チップの部品は μ(ミクロン)単位、または数千 nm(ナノメートル)単位で計測されていた。しかし現在 IBM では、300mm ウエハ上における 90 nm プロセスでの生産を進めることで、生産性の大きな向上を実現している。チップは、絶縁体上のシリコン層に微小なトランジスタ等の部品を配置して生産される。こうしたトランジスタ同士は、実に毛髪の千分の一以下の太さの銅線で接続されているのだ。

フィッシュキル工場では世界レベルで見ても高性能なチップが生産され、複雑かつ高速な計算と卓越した性能を必要とするビジネスに利用されている。この工場で精算されている 300 mm チップは、IBM eServer® i5®、p5 と Open Power サーバーの動力源である Multi-Chip Module にパッケージされている IBM's POWER5 プロセッサー、また IBM TotalStorage® DS8000 ディスク・ストレージ・システムなど、多くの製品に搭載されている。

IBM DB2® データウェアハウス技術と SAS の分析インテリジェンス・ソフトウェアを総合的に組み合わせることによって、フィッシュキルの 300 mm ウエハ工場と、同じく IBM のバーモント州バーリントンの 200 mm ウエハ工場のエンジニア達は、生産プロセスの全工程にアクセスできるようになった。SAS を利用することで、発見した問題点を即時に解決する分析手法を適用し、最終的には生産プロセスの全工程での生産性を向上できたのだ。

SAS、技術解析の主役

物流、加工、電気的試験、不良品データなど、生産プロセスにおけるあらゆる工程から集められたデータは、各生産拠点や試験拠点から収集され、DB2 Universal Database に集約されている。IBM のエンジニアは、世界中のどこにいても、SAS を利用してこのデータベースに蓄積された何テラバイトにもおよぶデータに絶えずアクセスし、分析することが可能になっている。

IBM システム・テクノロジー・グループのシニア・エンジニア、John Balas 氏は、「SAS は長年にわたり、私どもの工場における歩留まり改善や、解析プログラムに必要な技術を提供してくれています」と述べている。

Balas 氏が所属するチームでは、生産プロセスの管理や最適化を支援する解析ツールを提供している。このチームの大きな目的は、開発工程で歩留まりを改善できるよう技術者たちのレベル向上を図り、生産工程における問題発見まで時間や解決時間を短縮することにある。

これらの重要な事業目的を達成すべく、Balas 氏のチームは、DataView という独自の SAS アプリケーションを開発した。DataView は、以下の特徴を持っている。

  • DB2 のデータウェアハウスに対し、容易なリアルタイムアクセスを可能にする使いやすいインターフェイス。DataView では、データベースやプログラミング用語ではなく、技術用語で利用できるインターフェイスを採用している。

  • 異なる領域間でのデータ比較を容易にする、複合データ変換機能。データの相関関係を検討する機能は、技術解析の必須要素である。

  • カスタマイズ可能なポイント・アンド・クリック方式のフロントエンドにより、SAS を利用した探索的データ分析が可能になる。

  • あらゆる形式のデータの分析が可能な、標準化アプリケーション。高度で複雑な統計アルゴリズムを利用できるため、計画から生産にわたる多くの工程で問題点を発掘し、根本的な原因を特定することが可能になる。

DataView は、IBM eServer p5 と pSeries® システムと AIX 5L 64-bit IBM POWER5、POWER4+ プラットフォーム、そして Windows プラットフォームで稼動している。

半導体市場と共に成長を続ける

Balas 氏は、DataView の構築に SAS を採用したことについて、「SAS は、部署を問わず、IBM 全体において技術力を向上させる重要な役割を担いました」と評価している。「SAS は、IBM における開発や生産事業に関わる世界中のビジネス拠点で適用され、必要不可欠なツールとなっています。たとえば、歩留まり改善や統計的プロセス管理、アドホックなレポーティングや管理ラインのパフォーマンス・モニタリングなどです」。Balas 氏によれば、DataView は、計画や生産工程における潜在的問題点の早期発見などによって、IBM が競争の激しい市場で優位性を確保する一助となっている。

「300 mm ウエハの生産工場を立ち上げるにあたり、私たちは扱うべきデータ量とその複雑性が、劇的に増加したことに気が付きました。そのため、工場の運営に必要な分析手法の再考を余儀なくされたのです」と Balas 氏は説明している。「重要な意思決定の場面では、全てのデータを人間の目で追って分析するという従来の方法は、もはや現実的ではありません。データ量を絞り込んで分析し、作業プロセスの最適化に利用できる情報に変換する、よりスマートな方法を導入する必要があったのです」と続けた。

プロセス・インテリジェンス技術を利用

SAS は、IBM に対して広範囲におよぶ統計解析機能を提供した。特にアプリケーション開発に携わるスタッフは、SAS を利用することで、業務に必要なあらゆる統計手法を適用できるのだ。SAS の分析機能はプロシジャをベースとしているため、手作業でのプログラミングを必要とせず、すぐに利用することが可能である。そのため、IBM のアプリケーション開発チームは、プロジェクト実行にあたり、機能面の充実に集中することができた。

SAS が提供するデータアクセス機能やデータ操作機能は非常に優れ、膨大な量のデータにも対応し、さらに拡張が容易である。IBM の DB2 と SAS/ACCESS を組み合わせることで、IBM では異なるプラットフォーム上に分散したデータでも透過的に扱うことができるため、DataView では数百万にもおよぶデータを容易に処理できるのである。

IBM のソリューションの高い性能と市場アピール、そして確かな技術開発とハイテク業界での進展という実績をもとに、また IBM と SAS の製品を一体化することで導かれる能力を活用し、IBM では社内で開発されたこの知的財産をパッケージ化して顧客向けソリューションとして展開する。

Balas 氏は、「DataView を市販するという試みは、私たち自身がこのソリューションに価値を見出したことを証明しています。お客様においても、確実に競争上の優位性を実現することができるはずです」と述べている。

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課題:
プロセス生産データの分析、歩留まり改善、問題の早期発見と性能の最適化を図る
ソリューション:
データベースへのアクセス、データ抽出能力、拡張性、高度な分析能力と使いやすいフロントエンドをワンパッケージで提供
「SAS は長年にわたり、私どもの工場における歩留まり改善や、解析プログラムに必要な技術を提供してきました」
John Balas 氏, Senior Engineer, Systems and Technology Group, IBM