* 本文中は旧社名にて記載されています。
SAS Enterprise Minerで、データベースマーケティングを実践。
会員の動向を分析し、マーケティング戦略を確立
株式会社ディーシーカードでは、昨年10月からマーケティング支援用の新しいシステムを稼動させている。分析ツールには、SAS Enterprise Minerを導入し、いま話題の顧客維持型マーケティング手法であるデータベース・マーケティングの実践に成功した。
「まず私たちは、DC会員の2年間の動態を追跡してみました。その結果、前年にアクティブであった会員の内、84.8%は維持できましたが、7.6%はノンアクティブへ移行(いねむり)し、さらに7.6%が離脱してしまうことがわかりました。一方で、前年にノンアクティブであった会員の内、20.8%はアクティブ化(めざめ)しましたが、9.4%が離脱していました。
また、新規会員の初年度のアクティブ率は45%でした」(株式会社ディーシーカード マーケティング室長 菊地誠氏)。
これらの調査から、ディーシーカードの会員を維持し、データベース・マーケティングを行なっていくには、
1. アクティブ会員の『維持』(いねむり・離脱の防止)
2. アクティブ会員の創造(めざめの促進)
3. アクティブ会員により取扱高確保(利用促進)
という3つのことが求められているとわかった。
1番目のアクティブ会員の『維持』とは、いねむり・離脱の防止ということであるが、このためには、データベースから会員のニーズやウォンツを的確に読み取り、それに十分に応答し、高い満足度を獲得する必要がある。また、『めざめ』を促進することにより、アクティブ会員を増大(創造)することができるが、総合的にプロモーションを実施しても、なかなか高いレスポンスは期待できない。したがって、データベースの分析により、ノンアクティブ会員の中から、アクティブ会員の属性に近似した見込客を見出し、ターゲットを絞り込んでアプローチしなければならない。最後の『アクティブ会員による取扱高の確保」のためには、『リピートの誘導』『クロスセリング』『フリクエンシィ・プログラム』などのプロモーションを効果的に実施していく必要がある。これらのことをベースにディーシーカードでは、データベース・マーケティングを推進していった。
会員のライフステージに最適なアプローチを取ることで、DMレスポンス率を向上
DCカードでは、『新規入会者』から、『アクティブ会員』『ヘビーユーザー』『優良会員』へと会員が育っていく、いわゆるカードにおけるそれぞれのライフステージに応じて、取るべきプロモーションをプログラム化している。たとえば『新規入会者』に対しては、『新規入会者活性化プログラム』という連続的なプロモーションを実施。
入会後3ヵ月以内に利用してもらう『はじめましてプレゼント』、これをフォローするための『サービスダイジェスト(DM)』、その後、まだ利用のない会員について、再度コンタクトをはかる『トライアルキャンペーン』などのプロモーションが連続的に展開される。
つまり、顧客を2年以上つなぎとめ、アクティブな会員へと育ってもらうために、入会後1年間に1度でも利用してもらうためのプログラムである。また、利用のないノンアクティブ会員には、『いねむり会員活性化』のアプローチを行なっている。アクティブ会員はライトユーザーとヘビーユーザーに分け、前者には『低額利用会員活性化』のアプローチを、また後者に対しては、ゴールドカード・シフトなどによる『囲い込み』をはかっている。
『低額利用会員』には『期間中にDCカードを利用すると景品が当たる』というキャンペーンをDMで案内している。会員の年齢、性別、趣味や関心ごとなどの個人属性情報を徹底的に分析し、状況に最適なキャンペーンを展開することで、DMレスポンス率は5%、前年同期間比1億3百万円の取扱高増加を確保した。1人当たりの利用額は36千円増加、伸び率では47.1%を記録。
利用件数でも5.5件から7.7件に増加するという効果も得ている。
データマイニングで、顧客動向パターンを算出
ディーシーカードでは、与信管理に以前からデータマイニングの手法を利用してきたが、Enterprise Minerの導入によって、より多くの分野で活用されるようになっている。
そのひとつがDCカードの加盟店の集客プロモーション支援。
今回は、加盟店C(しゃぶしゃぶのお店)の集客DMの対象者の選出を行った。
「まず最近2年半の売上データを用いて、加盟店Cを利用した会員の加盟店利用パターンを分析しました。その結果、『百貨店-ホテル-レストラン-料亭・割烹』という組み合わせでカードを利用するパターンが、高い信頼性をもって抽出されました。これは、『百貨店-ホテル-レストラン-料亭・割烹』でカードを利用している会員は、加盟店Cを利用する可能性が高いというルールとして表現できます」(菊地氏)。
これに加え、時間順序関係を考慮し、たとえば『加盟店Aの次に加盟店Bを利用した会員は、次に加盟店Cを利用する』というルールを抽出すれば、会員にコンタクトする『タイミング』までコントロールできるようになるはずである。
「参考までに加盟店Cにヒアリングしましたら、競合を『S店』『I店』と考えているとのことでした。そこで、『S店』『I店』についてデータ分析を行なったところ、『百貨店-ホテル-レストラン-ショッピングセンター』というルールが抽出されました」(菊地氏)。
確かに加盟店Cは、あまり大衆化されていないイメージがある。従って、今後の加盟店Cの戦略としては、『S店』『I店』の顧客に訴求するようなマーケティングに変更していくか、あるいは異なるマーケットを規定していくべきか、などの具体的な課題が見えてきたといえる。
Enterprise Minerを駆使し、顧客とより有益な関係の構築をめざす
さらにディーシーカードでは、Enterprise Minerを用いて、どのような種類の顧客が『百貨店-ホテル-レストラン-料亭・割烹』という行動を取る傾向にあるのかを分析した。
その結果、『パッピープレゼント(DCカードのポイント制度)の前月までのポイントが380点以上で、過去の利用残高が66万円以上、そして趣味・関心が【お酒】と回答』という属性の組み合わせが抽出された。
この他にも『男性-趣味・関心【グルメおよびビジネス】と回答』という組み合わせも抽出された。
これらの属性の組み合わせをもとに会員をセグメントし、ダイレクトメールを送付するというプロモーションを展開している。
適切な会員に、適切な商品やサービスの提供を行なっていけば、DMのレスポンス率も上がり、またその履歴が積み重なっていけば、さらに精度の高いセグメンテーションが可能になっていくだろう。
「私たちは、このようなデータベースマーケティングを行なうと同時に、FAXモニターによる会員の意識調査も行ないました。そこでは、興味のないDMはわずらわしいという意見が72%を占めていました。会員にとって興味のないDMを極力排除し、個々の会員の特性に応じた『個人化されたアプローチ』を行なうことは、会員の顧客満足を高めるために欠かすことのできない企業努力だといえます。私たちは、Enterprise Minerを活用して、もっと精度の高いデータベースマーケティングを実現し、顧客ともっと有益な関係を築いていきたいと考えています」(菊地氏)。
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