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株式会社ACRONET

国内製薬メーカーへのサービス強化のため、CDISC標準データ活用基盤にSASを採用 ―臨床開発業務を約30%効率化し、納期短縮と顧客サービス品質の向上を達成―

ITに強い総合CRO(医薬品開発業務受託機関)として2003年7月に分社設立された株式会社ACRONET(以下、ACRONET)は、製薬メーカーにモニタリング、データマネジメントおよび統計解析を中心とした臨床試験支援サービスを提供する企業だ。

世界的な医薬品・バイオ医薬品開発における臨床試験データおよびメタデータの電子的な収集、交換、申請、アーカイブを支援する業界標準の開発に取り組むNPOであるCDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)による臨床開発業務のデータ標準化を進める動きが加速したことを受け、CDISCが医薬品ライフサイクルにおける業界標準になると判断。

CDISC対応により国内製薬メーカーの競争力強化に貢献することを目的に、CDISCのデータ標準に対応済みのSAS® Clinical DataIntegrationを全社のデータ活用基盤として導入した。結果、顧客満足度を高めるだけでなく、CDISCの標準データを使った業務フローを展開し、臨床開発業務を約30%効率化した。SAS Clinical Data Integrationを標準ツールとして活用することで、「SDTM ConversionService」および「ADaM Conversion Service」などのCDISC関連サービスの提供を強化している。

NEEDS
CDISC標準に最も迅速に対応できる仕組み

1969年よりデータ統計解析を軸とした臨床試験サービスの提供を開始し、CROの草分けとして知られるACRONET。伊藤忠商事株式会社の100%子会社である同社は、医療機関で実施される治験のモニタリングから症例報告書データを電子化するデータマネジメント、効果や安全性を検証する統計解析、総括報告書の作成にいたる臨床開発業務をワンストップで提供している。

離職率が高いといわれるCRO業界にあって同社の離職率は1桁台。専任のプロジェクト担当者によって継続的な顧客サービスを提供できることが強みだ。それとともに、高度なITスキルやノウハウを保有し、医療機関との間で症例データを電子的に交換できる自社開発のEDC(電子的症例報告書情報収集システム)を提供できるCROとして確固たるポジションを築いている。
CRO業界は、治験の迅速化や経費節減を狙う製薬メーカーからの業務委託により急速に発展してきた。しかしながら近年では、パイプライン数の減少や開発コストの増大により国内の治験件数が減少し、マーケットの成長は鈍化している。

同社、開発本部 データサイエンス統括部 部長 佐藤 智美氏は、「CRO業界では企業合併や組織再編が加速しています。転換期を迎えたCRO業界が今後も継続的に発展していくためにはIT統制による治験プロセスの効率化が不可欠です」と語る。
グローバル市場において優れた新薬をすばやく投入し、市場シェア拡大や海外依存率を高めることが、製薬メーカーの成長に欠かせない要素だ。中でも米国への進出にあたっては、米国の審査機関であるFDA(米国食品医薬品局)の規制要件に準拠した申請パッケージを提出し、審査を受ける必要がある。

佐藤氏は、「われわれは2003年より、医薬品開発の臨床試験データやメタデータの電子的な取得、交換、申請、保存に関連する世界的な業界標準の策定に取り組むCDISCに参画しています。近年、CDISC標準の仕様策定へ動きが加速したことを受け、FDAの規制要件でもあるCDISC標準のデータモデルへの対応を早急に進める必要があると判断しました」と話す。

CHALEENGE
SASのプログラム資産や技術者を活用し、開発をスムーズに進行

2009年2月、ACRONETではデータサイエンス統括部、事業開発部、および営業推進部が中心となり、臨床試験、承認申請、市販後調査に至る開発ライフサイクルの標準的なデータ活用を支援する全社共通のデータ基盤を構築するプロジェクトを開始した。システムの選定では、CDISC標準のデータ対応が可能なことはもちろん、正確かつ迅速なデータ統合およびデータ加工を実施できることなども重要な要件として定義。複数の製品を比較・検討した結果、2009年5月、CDISCのデータ標準であるSDTM(Study Data Tabulation Model)へのデータ変換機能を備え、信頼性の高い標準データの活用が可能なSAS Clinical Data Integrationの採用を決めた。

事業開発部 秋谷 一平氏は、「SASの製品を長年にわたって使い続けているわれわれは、SASのプログラム資産や技術者を大量に保有しています。こうした貴重な資産を活用できることの価値は非常に大きいと考えました。また、SASはCDISCのスポンサーとしてアドバイスや技術ノウハウの提供を精力的に実施しています。先進的なデータ基盤と充実したサポート体制を提供していることも重要な評価ポイントでした」と語る。
SAS Clinical Data Integrationは2009年9月に本稼働した。システムの定着化にあたっては、CDISCの導入プロジェクトを主導した各部門のリーダーと3人のシステム担当者がSASの教育研修やセミナーなどに参加し、データサイエンス部門への定着化を促すインストラクターとしてのスキルを獲得した後、適用範囲を拡大した。

BENEFIT
日本の製薬メーカーの競争力強化にCDISC対応で貢献

現在、ACRONETはデータマネジメントや統計解析業務においてSAS Clinical Data Integrationを利用し、CDISC標準のデータモデルを使った業務フローを展開している。臨床試験データを標準的な解析用データに変換するデータ加工プロセスやデータ統合プロセスを迅速化し、CDISCに対応した高品質なデータ基盤を構築できたことは大きな成果だ。
戦略推進本部 営業推進部 大久保 文徳氏は、「各担当者のスキルへの依存度が高かった以前の統計解析業務では、臨床試験データをもとに作成する解析レポートの品質や作成スピードにバラツキが出るリスクがありました。これに対して、新しいデータ基盤では、SAS Clinical Data Integrationのグラフィカルで使いやすい開発環境が、担当者ごとのスキルレベルの違いを吸収してくれます」と話す。

全体的なスキルを底上げし、各担当者のスキルレベルに関わらず作業効率やサービス品質を均一化できるようになったメリットは大きい。実際、SAS Clinical Data Integrationによりデータマネジメント・統計解析業務のETL処理は約30%効率化し、スキルの高い人材により高度な業務の担当を任せることが可能になった。
佐藤氏は、「SAS Clinical Data Integrationの活用を通じてCDISCデータ標準の適用を推進し、医療にかかわるすべての人が必要な医療情報をより効率的に利用できる仕組みを整えます。それにより、日本の製薬メーカーの競争力強化に貢献することを最大の目標としています」と話している。

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左から、事業開発部 秋谷 一平氏 / 開発本部 データサイエンス統括部 部長 佐藤 智美氏 / 戦略推進本部 営業推進部 大久保 文徳氏

ACRONET

課題:
CDISCの標準的なデータモデルへの対応を早急に進めることによる治験プロセスの効率化
ソリューション:
データサイエンス部門の共通データ基盤としてCDISC標準のデータ活用を促し、治験プロセスを効率化
利点:
臨床開発業務を約30%効率化し、納期短縮とサービス品質の向上を達成
CDISC対応で、日本の製薬メーカーの競争力強化へ貢献
製品:
SAS Clinical Data Integration

SAS Clinical Data Integrationの活用を通じてCDISCデータ標準の適用を推進し、医療にかかわるすべての人が必要な医療情報をより効率的に利用できる仕組みを整えます。それにより、日本の製薬メーカーの競争力強化に貢献することを最大の目標としています。

佐藤 智美氏

開発本部 データサイエンス統括部 部長