ビッグデータ分析とマーケティング

概要と重要性

マーケティングにおけるビッグデータとは?

ビッグデータ(英語)とは、分量、速度(発生頻度)、多様性、変動性、複雑性のすべてにおいて高い水準を示す情報のことです。マーケティング部門にとってビッグデータは、デジタル化が進んだ世界の新たなマーケティング環境で取り組むべき当然の課題です。

「ビッグデータ」という言葉はデータだけでなく、そうした膨大なデータセットの保管・分析に関連した課題、機能、能力までを含めて使われることもあります。ビッグデータを適切に活用すると、以前は不可能だった画期的なレベルで正確かつタイムリーな意思決定を実現することができます。これは「ビッグデータ主導の意思決定」などと呼ばれます。

マーケティング担当者の多くは「データはこれまでも常に膨大(ビッグ)だった」と感じるかもしれません。実際、ある意味ではそうでした。しかし、20年前の企業が収集していた顧客データは、POSトランザクション・データ、ダイレクトメール・キャンペーンへの反応、クーポン引換率などでした。それに対して現在の企業は、オンライン購入データ、クリック率、サイト閲覧行動、ソーシャルメディア上の対話、モバイルデバイスの使用状況、位置情報なども収集しています。データ量は比較にならないほど増えています。しかも今見えているものは、ほんの氷山の一角にすぎません。

ビッグデータが重要な理由

ビッグデータを手にしただけで自動的にマーケティングが改善されるわけではありませんが、その可能性は手に入れることができます。ビッグデータは、隠し味にも、原材料にも、必須要素にもなりえます。重要なのはデータ自体ではありません。違いを生むのは、ビッグデータから得られる知見・洞察であり、それによって可能になる意思決定や行動です。

マーケティング部門は、ビッグデータと統合マーケティング管理戦略を組み合わせることにより、次の領域で大きな成果を得ることができます。

  • カスタマー・エンゲージンメント
    ビッグデータは顧客が誰かという基本情報だけでなく、顧客が今どこにいるか、何を欲しいと考えているか、どのようなタイミングとチャネルでコンタクトを希望しているかなどについて情報・洞察をもたらします。
  • 顧客維持とロイヤルティ
    ビッグデータは顧客ロイヤルティに影響する要因や、顧客の継続的な取引につながる要因を発見するために役立ちます。
  • マーケティング活動の最適化/効率化
    ビッグデータを活用すると、複数のチャネルにまたがるマーケティング予算の配分を最適化したり、テスト/測定/分析を繰り返しながら継続的にマーケティング・プログラムを最適化できます。

課題

ビッグデータを効果的に活用することに関連した課題は、マーケティング部門にとっては特に困難なものになる可能性があります。既存のほとんどの分析システムは、マーケティング部門のデータ、プロセス、意思決定に適合していません。マーケティングにとって最も大きな課題は次の3つです。

  • 収集すべきデータを知る
    データはあらゆる場所に存在しています。取り組むべき膨大な顧客データ、業務データ、財務データがあります。しかし、データが多いほど良いとは限りません。適切なデータを見極めて活用する必要があります。
  • 使用すべき分析ソリューションを知る
    ビッグデータの量が増大するにつれて、意思決定を行い、それにもとづいて行動するために利用できる時間は短くなっていきます。適切な分析ソリューションはデータを集約・分析したり、有益な洞察や意思決定を組織全体に行き渡らせるために役立ちます。問題はどれが適切なソリューションかということです。
  • データから知見・洞察を導き出して優れた成果につなげる方法を知る
    データを収集したら、次はデータを知見・洞察に変換する必要があります。さらに、得られた知見・洞察を活用し、マーケティング・プログラムを改良していく必要もあります。

ビッグデータ活用によるマーケティングの強化を成功させるための3つの鍵

ビッグデータはマーケティングに大きな効果をもたらします。しかし、ビッグデータを大きな成功につなげるためには、マーケティング担当者はいくつかの点に留意する必要があります。

  • ビッグデータを活用してより深い洞察を得る。
  • ビッグデータから得られた洞察を実際に活用できる人に届ける。
  • 最初からすべてを解決しようとしない。

ビッグデータを活用してより深い洞察を得る

ビッグデータをより深く掘り下げ、表層をはぎ取っていくほど、より豊かな洞察が得られます。最初の分析から得た洞察に対してさらに分析を重ねることで、より豊かで深い洞察を導き出すことができます。このような深い洞察は、成長を推進する具体的な戦略や行動を策定するのに役立ちます。

ビッグデータから得られた洞察を実際に活用できる人に届ける

ビッグデータの分析がもたらす有意義な洞察をCMO(最高マーケティング責任者)が必要としているのは明らかです。しかし、現場の店長、コールセンターの電話対応スタッフ、店員なども、そうした洞察を必要としています。貴重な分析結果からの洞察を役員室に留めておくことにメリットはありません。洞察にもとづいて行動できる現場のスタッフにも届けることが重要です。

最初からすべてを解決しようとしない

ビッグデータの活用が重荷に感じられることもあるでしょう。最初のうちは少数の重要な目標に絞って活用することを検討してください。まず改善目標を設定します。目標値を設定すると、それに関連した分析をサポートするために必要なデータが何であるかを特定できます。このような実践を繰り返しながら、順番に目標を達成していけば良いのです。

マーケティングで重要な3種類のビッグデータ

顧客:マーケティングで最も一般的に使われているビッグデータ・カテゴリーです。顧客の行動、態度、トランザクションに関する指標が得られます。データソースは、マーケティング・キャンペーン、店舗、Webサイト、顧客調査、ソーシャルメディア、オンライン・コミュニティ、ロイヤルティ・プログラムなどです。

業務:このカテゴリーのビッグデータからは、マーケティング業務、リソース配分、資産管理、予算管理などに関連したマーケティング・プロセスの質を測定するための客観的な指標が得られます。

財務:このカテゴリーのビッグデータは、通常は組織の財務システムに格納されています。組織の財務的な健全性を測定するための客観的な指標(売上、収益、利益など)が得られます。

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