Wistron

需要予測の精度向上

Wistron社、長期的な在庫フローを的確に把握

製造に関わる企業はいずれも、過剰生産と過剰在庫の状況を避けるためには、将来の需要と在庫フローを正確に把握することができる精度の高い予測システムが必要だ。

情報通信テクノロジー業界における大手ODM(相手先ブランド設計製造業者)であるWistron社は、SAS® Service Parts Optimizationを活用して、補修部品の需要を高い精度で予測し、在庫の透明性を向上させている。新システムの導入以降、台湾を拠点とする同社では業務の効率化が進み、それが収益の増大にもつながっているという。

ODM事業に成功していることに加え、同社はサービス事業でも画期的な成果を達成している。グループ全体の収益の大部分は補修部品が占めているのだ。家電製品については、生産終了後も少なくとも39ヶ月間は補修部品を供給することが慣例となっている。また商用エレクトロニクス製品の場合は、この期間が最大7年間に延長される。

 

SASのソリューションを導入したことで、事業の成功と成長に伴って生じる複雑な経営課題に容易に対処できるようになっています。

ジャック・チェン(Jack Chen)氏
オペレーション部門シニア・ディレクター

 

 

長期に及ぶ正確性

Wistron社ではグローバルビジネスと需要予測に求められる要件を満たす手段として、優れた補修部品管理システムを構築している。SPOS(Service Parts Optimization System)と呼ばれるこのシステムは、SAS Service Parts Optimizationの導入に合わせて新たに開発された。実際には、製造部門が事業の成長に合わせて生産能力を拡大したり、より複雑な業務手順やデータ処理要件に対応したりできるように支援してきた既存のシステムを改良したものだ。

SPOSは、ERP、カスタマーサービスおよび保守管理システム、フロントエンド・アプリケーションからデータを取り込み、補修部品の管理に必要なデータ管理およびデータ処理を実行することができる。SPOSはデータをインポートする時点で需要予測と補充計画のための統計分析を実行し、その結果を踏まえて購買に関する指示を発行する。

「当社にはもともと、3ヶ月から6ヶ月先までの補修部品需要を予測する標準作業手順(SOP)がありました」と、オペレーション部門シニア・ディレクターのジャック・チェン(Jack Chen)氏は説明する。「しかし、3年から6年先までの需要を予測する必要があったのです。そして、それを可能にする強力な統計分析エンジンを提供しているのがSASのソリューションでした」

以前のシステムは構造的にはSPOSと似ているものの、短期の予測しか作成できなかったという。中長期の予測のためには、もっと強力なデータ処理機能と、複数のソースから詳細なデータを統合できる機能を備えたシステムが必要だった。

製品ラインを段階的に市場から撤退させるといった特定の状況では、補修部品の需要予測は極めて難しくなる。過剰に見積れば過剰在庫と廃棄損につながりかねず、過少に見積れば顧客の苦情を招くおそれがある。そこで同社は新たなSPOSを構築することで、予測精度の向上、在庫透明性の強化という2つの目標を同時に達成することを目指した。

同社ではSASを用いてクラスター分析を実行し、異なる顧客や製品ラインを横断して消費量が近い水準にある補修部品を洗い出している。そして、この分析結果をさらに処理して傾向モデルを作成し、予測の基準として利用するのだ。

「経験だけでは正確な予測は得られません。長期的な予測を立てるためには統計分析が不可欠です。SPOSを導入したことで、正確な予測が思い通りに手に入るようになりました」

SPOSでは、ユーザーが新たなパラメータを追加し、より有意義な結果を導き出すことも可能だ。例えば、統計的な検証を経て、ある非標準パラメータが予測に有意であることが判明した場合には、そのパラメータをSPOSに追加して予測や計画の活動に取り込むことができる。

世界中の在庫を1つの画面で把握

以前のシステムでは一部のサービス拠点からしかデータをインポートできなかったが、新しいSPOSでは、サービス拠点のグローバル・ネットワーク全体にわたって在庫をモニタリングすることができる。SPOSには、在庫フローを管理し、購買や在庫配分に関する提案を世界中の計画担当者に送信する機能も備わっている。

「WistronはODMについて豊富な経験があり、サプライチェーンにも精通しています。SASには幅広い業種でシステムの導入をサポートしてきた実績があります。両社の長所を組み合わせることで、より多くのアイデアとインスピレーションが生まれたのです」

過剰在庫の削減

Wistron社では経営陣のサポートもあり、導入の早い段階から成功を収めることができた。次の段階では、このアプリケーションを世界中のサービス拠点に拡張する計画だ。

カスタマーサービスを向上させながら在庫は削減する、という目標を達成するためには、消費者行動に影響を及ぼす要因が重要となることを同社は理解している。例えば、あまりに大幅な割引を行うと、消費者は修理料金を支払う代わりに新品を購入する傾向がある、といったことだ。

「こうした変化は間違いなく、当社のビジネス戦略に影響を及ぼします。計画担当者にとっては、分析結果をどのように解釈すべきかという点が新たな課題となります」

「WistronはSASの技術サポートを受けてSPOSを構築しました。そして、このシステムのおかげで、補修部品の需要予測の精度は飛躍的に向上し、在庫の透明性も強化されました。このシステムを導入したことで、事業の成功と成長に伴って生じる複雑な経営課題に容易に対処できるようになっています」

課題

3年から6年先までの需要予測に対応した次世代の補修部品管理システムを構築する必要があった。

ソリューション

SAS® Service Parts Optimization

利点

予測精度が向上し、長期的な在庫フローを的確に把握できるようになったことで、効率の改善、コストの削減、顧客満足度の向上が実現した。

本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客による機器構成や機器のコンディションに著しく左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに発行された保証書に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容になんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SAS発行のソフトウェアの導入成功にともなう体験を要約しているにすぎません。

Back to Top