VUB

将来を予測してリスクを管理するVUB

スロバキアのVUB銀行(以下、VUB)は、SASのリスク管理業務向け分析ソフトウェアを導入することにより、資金の流動性を最適化しながら金利リスクを管理すると同時に、現在と将来の両方のシナリオを考慮しながら判断を下せるようになった。

世界的な金融危機は、グローバルな銀行が抱える2つの重大な脆弱性を浮き彫りにした。資金流動性不足の脅威と、銀行の収益が金利の変動に過度に依存するリスク。銀行の経営状態にかかわらず、金利リスクを含む資産負債管理においてしっかりとした分析を行う取り組みが銀行になければ、収益が悪影響を受け、破たんにつながる可能性がある。

VUBは近年、スロバキアにおけるリスク管理の先駆者となった。VUBの融資ポートフォリオはよく管理されたものであったため、信用リスクに対応するために必要なコストを最小限におさえることができた。その取り組みは高い収益性につながり、VUBは週刊経済誌『Trend(トレンド)』から年間最優秀銀行(Bank of the Year)賞を受けた。


SASのおかげで、私たちは自社の資産及び負債のレベル-利益になるか損失になるかを知りえています。

Andrej Hronec 氏
Head of Assets and Liabilities

より高いレベルへ

VUBの各マネージャーは、リスク管理の取り組みを絶えずより高いレベルのものにしようとしている。彼らはもちろん、流動性リスクと金利リスクの特性を注意深く監視してきた。しかし、今のVUBは、それまでは優先順位を高くしていなかった比率分析と計算を洗練させる方法の追求に常時、取り組んでいる。「私たちは現在のリスクを見るだけでなく、将来のリスクがどのようになるのかも見たいのです」と、VUBの資産負債部門の責任者であるAndrej Hronec氏は述べる。

大手銀行がすばやく方針を変更し、新たな方向に進むことは難しいため、将来シナリオを予測する能力を持つことは極めて重要だ。したがって、将来に現れるかもしれない障害を見通し、その様々な影響を可能なかぎり早く評価することが、予測を行うときに重要である。「強力なツールが必要になります」と、Hronec氏は言う。

VUBは、SASの分析ソフトウェアを何年も使用した経験から、SAS Enterprise Risk Managementを導入することを決めた。SASが選ばれた第一の理由は、資金の流動性を最適化する予測を立てられるようにするためだった。「私たちは新しい方法で将来を予測することができるようになったため、5年分の資金を集めるべきか、あるいは10年間分の資金を集めるべきかを決められるようになりました」とHronec氏は語った。つまり、VUBはどれだけの現金(流動性)を保有したり確保したりすべきかについて、より優れた判断を下せるようになった。たとえば、VUBは現在、資産と負債が6カ月後、または2年後にどのような状態になるのかを予測することができる。

将来を予測する

将来を予測することができるようになったことは、VUBが適切な流動性クッションについて決定できるだけでなく、その純受取利息を予測することを可能にした。「これができるようになったおかげで、私たちは資産と負債のレベルを知ることができ、利益、または損失が発生するのかをも知ることができるようになりました」とHronec氏は言う。

預金や融資額の増加による新たな取引収益や、将来の金利がどうなるかといったシミュレーションは、銀行の純受取利息が今後どのようになるのかについての予測を可能にする。受取利息は銀行の収益の大部分を占めるので、これらは特に重要な予測である。

もちろん、将来を予測するには本質的にリスクが伴う ―― これは長期予測の場合なおさらである。そのうえ、誰も予想しなかった出来事が起きる可能性は常にある。Hronec氏は、VUBがよりよく将来に適応できるようにするために、できるだけ多くのシナリオを特定することが不可欠であると考えている。「別の方法では考慮されない多くの要素とシナリオを分析できる高機能なツールは、予測の精度を上げます。銀行が大きくなればなるほど、その商品が複雑になればなるほど、リスクを管理することがますます難しくなります」と、Hronec氏は語った。Hronec氏は、高機能なリスク管理ツールに対するニーズは増加していると考えている。

たとえば、債券の購入を決定するとき、VUBでは将来シナリオを使っている。「この視点がなければ、私たちは最終的に決めたような構成で債券を購入しませんでした」とHronec氏は言う。

銀行の顧客に安定性を

リスク管理に取り組むことは、目に見える形での利益を銀行の顧客にもたらすわけではない。しかし、リスク管理は、銀行が顧客の預金の安全を保証することを可能にする ―― 一般市民と同様の預金保護がない企業にとって、これは特に重要なことだ。

銀行の顧客がリスク管理の恩恵を理解しにくい上、投資利益率を立証することが難しいため、銀行は、企業向けリスク管理ソリューションを使用する必要はないと考えるかもしれない。しかし、Hronec氏はSASを使用した経験から、「銀行は、高機能のリスク管理ソリューションをより早く導入したほうがよい、なぜなら、よりよい判断を下すための新たな洞察をもたらしてくれるからです」と語った。

VUBは、子会社であるVUB Leasing and Consumer Finance Holdingでの将来シナリオのモデリングとリスク管理にSASを活用する計画である。さらに、VUB本体では、ヘッジ会計(国際会計基準に基づく、デリバティブ取引の会計処理)にSASを使用することも予定している。

課題

資産と負債の管理を改善し、金利リスクを管理すること

ソリューション

SAS® Enterprise Risk Management

利点

VUBバンクは現在、将来における資産と負債の構造をより正確に予測することができ、より正確に金利リスクを計算するためにキャッシュフローを最適化することができ、そして、将来の情勢の影響を予測するために、さまざまなシナリオを使うことが出来ます。

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