VISA

カスタマー・エクスペリエンスの強化と不正抑止の両立

Visa社、超高速なアナリティクスにより、コンサルティング・サービスをカスタマイズしてクライアント対応を向上。変化の激しい決済業界における成功を推進

デビットカードやクレジットカードの不正対策としてカード発行会社がビジネスルール自動化ソフトウェアを使い始めてすぐに、このテクノロジーの限界は露呈した。楽しみにしていた休暇や非常に重要な出張に関する決済を拒否された顧客からのクレームが相次いだのだ。

Visa社では、最先端の不正リスク対策ツールとコンサルティング・サービスを導入して不正対策戦略の効果を高めることで、クライアントと協力してカスタマー・エクスペリエンスの改善に取り組んでいる。このアプローチは、カスタマー・エクスペリエンスの強化だけでなく、偽陽性のトランザクション拒否を最小化することにも効果を発揮しているという。

同社のグローバル・ネットワークは連日、数千社もの金融機関と、膨大な数の加盟店やカード所有者との間を仲介している。50年以上の歴史を誇るキャッシュレス決済のパイオニアとして、Visa社は、いわれのない決済拒否でカード利用者の怒りを招くことなく不正を抑止できるよう金融機関をサポートしている。ここで活用しているのがSAS® Analyticsだ。同社の決済ネットワークでは、あらゆるトランザクションについて最大500種類もの変数をリアルタイムで分析し、リスクの有無を評価する。この不正対策システムでは、不正が多発している世界中の"ホットスポット"や不正トランザクションのパターンを含む、極めて大規模なデータセットを活用して、カード利用者がパリでエスカルゴを買おうとしているのか、それとも誰かがクレジットカード番号を盗もうとしているのかを、より正確に判断できるという。

北アジア地域のVisa Performance Solutions部門責任者、ネイサン・ファルケンボーグ(Nathan Falkenborg)氏は、こう説明する。「つまり、旅行や出張が多いお客様であることを弊社が把握している場合は、(居住地とは離れた場所でカードが使われても)販売時点で拒否することがないように、必要な情報を金融機関に提供しているのです。また、銀行がVisaのツールとスコアリング・システムを活用して適切な不正対策戦略を開発する取り組みもご支援しています。」

Visa社ではビッグデータ・アナリティクスが有効に機能すると考えており、最先端のモデルとスコアリング・システムには年間20億ドルの不正決済を防止できる可能性があると推定している。

世界的に知名度の高いVisa社では、提携金融機関が独自ブランドで発行するカードを通じた電子資金決済サービスも提供しており、提携先は数千社に上る。同社の決済サービスは、2014年には649億件のトランザクションを処理し、同年のVisaカードによる購買総額は4.7兆ドルに達した。

インメモリ・アナリティクスとは、人間の脳を何倍も大きくしてくれるような存在です。あらゆるものに瞬時にアクセスできます。
Nathan Falkenborg v2

ネイサン・ファルケンボーグ(Nathan Falkenborg)氏
北アジア地域Visa Performance Solutions部門責任者

Visa社のコンピューティング・システムには毎秒5万6,000件のトランザクション・メッセージを処理する能力があり、これは現在までに実際に発生したピーク・トランザクション速度の4倍以上を誇る。しかし、同社では処理や計算だけを実行しているのではなく、アナリティクスを継続的に活用しており、戦略や業務に関する洞察を提携金融機関と共有し、提携相手の業績改善を支援するために役立てている。

このビジネスを支えているのが堅牢なデータ管理システムだ。それにより、分析による高度な洞察を開発および提供し、クライアントの業績改善を支援することも可能になっている。

「弊社はクラスタリングとセグメンテーションを実行してカード利用者の行動パターンをより詳細なレベルで理解し、得られた洞察を提携金融機関に提供しています。これは弊社とのコミュニケーションを円滑化し、クライアントが顧客理解を深められるよう支援する方法として効果的な方法です」(同氏)

Visaによるマーケティング・サポートの一例を挙げると、さまざまなVisa商品に適した顧客セグメントを特定する取り組みに関する、グローバル規模でのクライアントの支援がある。「顧客のライフサイクルを理解することが極めて重要ですから、Visaでは、価値提案が古くならないうちに行動し、適切な商品を適切な顧客に提示するために役立つ情報をクライアントにご提供しています」(同氏)

インメモリ・アナリティクスの活用が生み出す違い

Visa社は最近の概念実証(PoC)で、SASのハイパフォーマンス・ソリューションを使用した。これはインメモリ・コンピューティングを基盤として統計・機械学習アルゴリズムを実行し、情報を視覚的に提示するソリューションだ。インメモリ・アナリティクスではデータを移動する必要性が減り、より高い頻度でモデルを反復実行できるため、高速性と正確性が飛躍的に向上する。

ファルケンボーグ氏はこのソリューションについて、必要な全ての情報を記憶している状態と、毎回ファイル・キャビネットに資料を取りにいかなければならない状態ほどの差があると説明する。「インメモリ・アナリティクスとは、人間の脳を何倍も大きくしてくれるような存在です。あらゆるものに瞬時にアクセスできます」

強力なアナリティクスを活用すると、企業は最終的に、単なる決済処理以上のことを実現できるようになる。「弊社ではクライアントとの対話を深め、膨大なビッグデータとトランザクション・データのマイニングに関する専門知識を用いて、よりいっそう優れたサービスをクライアントに提供できるようになっています。私たちは、弊社のコンサルティング能力とアナリティクス能力を活用して、クライアントのビジネス課題への取り組みを支援し、決済エコシステムを強固なものにしています。そしてそれこそが、ハイパフォーマンス・アナリティクスの活用メリットなのです」(同氏)

ファルケンボーグ氏は最後に次のように強調した。「巨大なデータセットを管理・活用している企業はどこもそうだと思いますが、目下の目標は、ビジネス課題の解決に必要な情報を余すところなく活用できるようにすることです。ビジネス課題が不正対策モデルの改善であれ、クライアントがより効果的に顧客とコミュニケーションできるよう支援することであれ、この点は変わりません。インメモリ・アナリティクスは機敏性を高めてくれます。分析システムの処理速度が100倍も改善されるのですから、データ・サイエンティストも意思決定者も、はるかに高い頻度で試行錯誤を繰り返すことができます」

Visa Logo

課題

  • カスタマー・エクスペリエンスを強化し、偽陽性によるトランザクション拒否の発生を最小化
  • 分析から得られた洞察を提携金融機関に提供
  • 適切な商品を適切な顧客に提示

ソリューション

SAS® Analytics

導入効果

  • クライアントは、カスタマイズされたコンサルティング・サービスと理想的な商品オファーを受けられる。
  • いわれのない決済拒否でカード利用者の怒りを招くことなく不正を抑止できる。
  • Visa社の推定によると、アナリティクスには年間20億ドルの不正決済を防止できる可能性がある。

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