シンクレア大学

シンクレア大学への入学者数増加に貢献

オハイオ州デイトンにあるシンクレア単科大学は、州内で最も有名な大学のひとつであったが、近年デイトンの人口が減少するのに加えて連邦および地域に対する責務が増大したため、入学者管理戦略を強化する必要があった。そこでシンクレア大の上層部は保有データを最大限活用し、入学者数を増加するためのサポートとなるソリューションとして、SAS を選択した。

北アメリカにある 2 年制大学のトップ12の内のひとつであるシンクレア大には、約 23,000 人の学生が在籍している。同大は数多くの単科大学が参加している「アチービング・サ・ドリーム」プログラム(=単科大学の経営成功率を向上させるプログラム)に参加し、学生の確保と卒業率の改善のために努めている。しかし、約半数の学生が、フルタイムの仕事を持っている低所得労働者であり、過半数は補習を必要とする学生となると、容易な仕事ではない。

シンクレア大は、限られた資金の中で、将来性のある学生をより伸ばすために、データを分析する必要があると結論を下した。そこで、エンドユーザーに専門的なプログラミングの知識がなくても、直接データやレポートにアクセスし、データ分析を行うことができるソリューションとしてSASが選ばれた。そして、シンクレア大は、組織的なプランニングチームと分析レポートチームとを合併して「ビジネス・インテリジェンス・コンピテンシー・センター(BICC)」を結成した。BICC は、同大の意思決定をサポートする情報ソースの一元化を目的に設立されたものである。

4 年ぶりに入学者数が大幅増加

SAS を活用し、シンクレア大は秋期登録者数を4年ぶりに増加させることができた。「我々は、学生をサポートし、彼らが目指す教育的なゴールに到達できるよう、より良い方法を常に探しています」と、同大の分析レポーティングの責任者であるKarl Konsdorf氏は述べている。「SASの導入前に、我々は中学校や高校に向けて新入生獲得の取り組みを重点的に実施し、奉仕活動にも参加しましたが、成果はなかなかあがりませんでした。しかし、SASの分析による新しいアプローチにより、我々は最も入学の可能性が高く、シンクレア大で成功しそうである学生を特定し、勧誘対象とすることができました。」

オハイオ州の予算配分は年々変わることもあり、より多くの学生が入学すれば大学を財政面で大きく支えることが可能となる。「オハイオ州は大学進学率の最も低い州の1つです。入学者の増加は、州としての目標である市民の大学進学率の改善にもつながます」とKonsdorf 氏は述べている。

成功の要因

シンクレア大とSASとが掲げた最初の目標は、学生が良い結果を出すために必要な要素は何かを理解することだった。SASのコンサルティングサービスにより、シンクレア大は年齢、性別、GPA、卒業率、研究分野、および結婚歴を含む、学生たちの有益なデータを過去10年間分も探ることができた。 SASのデータマイニングを使用して分析を行い、データを複数のカテゴリに分類し、その結果を在学中の学生データと比較して、成功の見込みの解明に努めた。

例えば、ヘルスケア分野に在籍している28歳未満の独身女性の半数は、学位を取得すると仮定する。彼女たちを対象に、成功につながった傾向や行動を研究するために更に分析を続けていくのである。 職業相談では、ヘルスケア分野を研究するのが適していると判断されたか?補修コースを必要としたか?…

「平均的にみて、卒業までにはおよそ7年かかります。われわれはSASのデータ分析によって、なぜ卒業に時間がかかるのかを解明し、よりタイムリーな卒業に貢献する要素が何であるかを予測できるようになるでしょう。つまり、学生がより早く卒業できるように支援することができるのです」と、シンクレア大副学長であるKen Moore氏は述べている。

クラスター分析プロジェクトの最も大きい成功は2006年新学期の前にもたらされた。 シンクレア大では入学者の増加傾向が何年も継続していたものの、デイトン地域の自動車産業が傾いたために人口が減少し、入学者数は伸び悩んでいた。学期開始の6週間前には、前年度を14パーセントも下まわるほどの入学者しか見込まれていなかった。そこで同大はSASを使用し、最も入学しそうな学生の特定作業を行い、カウンセラー、学部長、および教師が、登録済の学生と入学を許可された学生に連絡を取り、クラス受講の申し込みを妨げている問題を解決する手助けをした。この支援活動により、同大は前年の新学期登録者数を1パーセント増加することに成功した。 「われわれは、これから毎学期、この活動を行うように計画しています」とMoore氏は述べている。

「学生が成功する要因のひとつとして、特に仕事と子供を持つ学生には、履修科目を、より最適な場所とタイミングで提供することが必要である、ということをSASの利用を通じて発見しました。」

これまでの講義クラスは明確な根拠もなく、過去の経験や知識によって設定されていたため、実際に講義が始まると、募集人数に達しなかったためキャンセルになったり、定員数を大幅に上回ったため断らざるを得ない状況になったりするクラスが続出していた。しかし、今後はクラスをキャンセルする必要はなくなるとMoore氏は考えている。 「事前にどの程度の受講人数が見込めるかを把握してから、講師を見つけることができるので、学生の収容を心配する必要はなくなるのです。」

また、大学は出願者と入学者のデータを調査することで、マーケティングとカウンセリングに費やせる限られた資金の使い方を見極めるのに役立った、とMoore氏は言う。

オハイオ州にとって大学教育は、地元に企業主を誘致し、獲得、維持するのに必須の要素であると考えられている。 「ある組立工場を訪問した際に、5 年以内には工場で働くすべての人が少なくとも準学士を持つ必要があるだろうと言われました」とMoore氏は語る。 同州では、より多くの人々が大学に入学するよう積極的に勧めている。

SAS の利便性

シンクレア大は当初、別の会社でデータ分析の導入を検討していた。 しかし、同大が知りたいと考えていた下記の問いに対する回答はSASでなければ得られなかった。

  • どんな学生が入学しそうか、辞めそうか、卒業しそうか?
  • 特定の学生に対する最適なアプローチ方法とは何か
  • どのコースが最も人気が高いか?
  • より早く学生が卒業するのに役立つサービスとは何か?

「SASの導入以前、われわれの調査グループはデータ抽出をするためには、IT部門によって独自にアプリケーションを構築してもらわなければいけませんでした。また、他社製品では、満足な予測ができず、事業計画に展開することもできませんでした。過去の結果を見るには役立ちますが、結局われわれが必要とした“これから起こることを予測する”ことはできなかったのです」とKonsdorf氏は語る。

シンクレア大は、SAS導入による成功をふまえ、予期的分析の実行など、彼らが「次のレベル」に到達するためのプランをSASと共に築いていきたいと考えている。

「SASと共に歩めば、われわれの成功に終わりがくることはありません」とMoore氏は語る。

University Sinclair
Dr. Karl Konsdorf Analytics and Reporting Manager

課題

入学者数の増加と、卒業率の改善

ソリューション

意思決定をサポートする情報ソースの一元化を目的に「ビジネス・インテリジェンス・コンピタンシー・センター(BICC)」を設立。データマイニングによって過去10年分のデータを分析、学生をセグメンテーション化し、入学率や出席率、卒業率を改善。

利点

学生データの分析に SAS を使用し、入学者数を15%も改善

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