Salt River Project

砂漠地帯の暮らしを涼しく快適に
Salt River Project社、SASを活用して発電設備のダウンタイムを最小限に抑え、電力グリッドの需要を予測

アリゾナバレーと呼ばれるアリゾナ州の砂漠地帯では、摂氏38度を超える猛暑日が年間で約100日もある。この地域が灼熱の太陽に焼かれている間、電力各社は、過酷な環境、そして米国で最も人口が急成長している地域の1つにおける電力需要への対応に追われることになる。

このデータ全体を分析することにより、発電状況の全体像を正確に把握することができ、その結果、保守要件も高い精度で理解することができます。

スティーヴ・ペトルソ(Steve
Petruso)氏

上級ソフトウェア開発者
SRP社、供給および取引グループ

Salt River Project(SRP)社は州都フェニックスの都市圏で約100万件の小売需要家に電力を供給している米国最大規模の公営電力会社である。幸いなことに、同社の場合は、最も暑さが厳しい日々でも誰もが涼しく過ごせるようにするための答えを知っている。発送電設備のセンサーや需要家のスマートメーターから(さらには気象状況について)収集したデータを分析することで、需要を予測し、発電施設の生産量を最適化しているのだ。

SRP社ではSASのアナリティクスを活用して計画外のダウンタイムを防止しているが、その方法は、必要な保守作業をスケジューリングするために燃焼タービンの稼働時間を正確に判断するというものだ。また、電力の供給と需要の予測にもSASを活用している。同社の供給・取引グループでは、幅広いデータ(気象、供給、需要、停電など)を利用することで、需要家ニーズを満たすために必要となる他社からのエネルギー購買量を正確に算定したり、余剰電力を販売してコストを一定レベルに維持したりすることが可能になっている。

計画外のダウンタイムの抑止

発電用の燃焼タービンについては、メーカーが保守作業の時期を厳格に規定している。保守スケジュールはタービンの発電時間にもとづいて決定される。通常、発電設備の適正稼働を確保するためには、メーカーが求める保守スケジュール通りか、それよりも早めに保守作業を実施しなければならない。

「必要な保守作業をスケジュール通りに実施しなければ、メーカーの保証条件を遵守できなくなり、重要な設備で計画外の停電が発生するリスクを負うことになってしまいます」と話すのは、供給・取引グループの上級ソフトウェア開発者であるスティーヴ・ペトルソ氏だ。

SRP社は複数の発電施設を保有・運営しており、それらの状況を追跡管理し、発電設備の保守をスケジューリングするプロセスは非常に複雑だ。それぞれの発電設備に組み込まれたセンサーから数秒毎にデータが収集されるため、SIsoft社のインフラ管理ソフトウェアである。PI Systemを使って追跡する測定値は数十万件に及ぶ。SRP社ではそれらの測定値をSAS/ACCESS® Interface to the PI Systemを通じてSASデータマートに取り込んだ上で、各ユニットで保守が必要となる時期を予測するためにSASのアナリティクスを活用している。

「このデータ全体を分析することにより、発電状況の全体像を正確に把握することができ、その結果、保守要件も高い精度で理解することができます。こうしたソリューションがなければ、発電状況を推測するしかないため、今ほど正確な予測結果は得られないでしょう」(同氏)

発電設備の保守が必要になる時期について正確なデータが得られることから、SRP社では複数の施設にまたがった稼働停止のスケジューリングが向上し、全体的な電力供給の安定化も実現しているという。「複数の発電施設を抱えている場合は、ポートフォリオ全体に目配りしなければなりません」と、ペトルソ氏は説明する。「既に2ヶ所の発電所が停止している状況で、第3の発電所まで同時に止めるわけにはいきませんから」

正確な取引による需給バランス最適化

SRP社の供給・取引グループでは、供給可能な電力量と需要家の使用量を予測するために、15年以上前からSASアナリティクスを活用しており、その予測範囲は実に5年先にまで及ぶ。予測分析を活用すると、電力取引担当者は、発電量と電力が余る時期や不足分を補填する必要がある時期を把握できるため、必要となる電力購買量や販売可能な余剰電力量についてより的確に意思決定できるようになる。

将来のニーズを理解するには多くの要因を考慮する必要があるが、SRP社の場合、需要家のエネルギー使用量と発電施設からの発電情報については最新データと履歴データを活用している。同社は供給電力の大半を自社で発電しているが、太陽光や熱水といった再生可能エネルギーの発電事業者からの購買も行っている。

発電所が散在し、外部の再生可能エネルギー発電も利用する場合には、気象状況がエネルギー生産効率に直結する。そのため、同社のSASデータマートには、アリゾナバレー一帯にある複数の気象観測所から気象と気温のデータも取り込まれる。また、供給不足に直結するという点は変わらないため、SRP社では計画保守による稼働停止も追跡管理している。

電力取引担当者は、このデータに直接、Webブラウザ経由でリアルタイムにアクセスでき、IT部門の担当者にデータをダウンロードしてもらう必要はない。

「取引担当者はリアルタイム・データを利用でき、1週間どころか1日も待つ必要がないため、モデルを実行すれば数分で最新の予測を把握することができます。こうしたタイムリーな予測が利用できれば、電力の購買が必要になる時期や販売可能な電力量を正確に判断できますから、収益性の高い取引戦略を策定することが可能になります。予測精度が向上すれば、時間的な余裕をもってエネルギーを購買できますから、価格の最適化にもつながります。積極的に動くことにより、ギリギリまで待って購入した場合よりも低い水準で将来の価格を固定できるのです」

SRP

課題

  • マシンセンサーから収集される膨大な量のデータポイントを分析することにより、発電用の燃焼タービンに保守が必要になる時期を予測する。
  • 利用可能なエネルギー供給量と電力需要を5年先まで予測することにより、不足分の補填や余剰分の販売にかかわる業務を効率化する。

ソリューション

利点

  • 予防保守のスケジュールを正確に決定することで、計画外の稼働停止を防止
  • 重要な設備資産に関するメーカー保証条件の遵守状況を改善
  • 数十の発電所にまたがって保守のための稼働停止をバランスよく計画
  • 需要対応の最適化に必要となる電力購買/電力販売の時期について取引担当者の判断力を強化
  • 取引担当者が電力の事前購買が必要となる時期を予測し、有利な価格を固定できるように支援

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