POSCO

SASの強力なデータ収集・分析ツールでシックスシグマの実践に成功

全社規模のパフォーマンス・マネジメント

1968年創業の、世界最大級の製鉄会社、POSCO。ソウルに本社を持ち、世界に24の子会社と17カ所のオフィスを有する同社は、2つの大規模な生産工場を稼働させ、約19,000名の従業員が年間2,850万トンもの鉄鋼を生産している。2004年には190億ドル弱の収益に対して、36億ドル以上の純益を達成。業界トップの調査会社であるWSD(ワールドスチールダイナミクス)から「世界一競争力がある」と称され、また、2005年には『フォーチュン』誌から「世界で最も賞賛される企業」として位置づけられるなど、国際的評価も高い。

こうした巨大企業では、シックスシグマに代表されるパフォーマンス・マネジメント戦略は収益性に多大な効果をもたらすが、経営陣が本腰を入れ、スケーラブルなソフトウェアを活用すれば、さらにその効果は飛躍的に向上する。事実、同社のシックスシグマは、強力な全社規模のキャンペーンとして、CEO であるKu-Taek Lee氏が自ら率先して始められたものである。


SASは2年足らずでシックスシグマ・プロジェクトに関する1,400万ドルというROIを直接的に生み出したほか、この他のプロジェクトでも150万ドルをもたらしました。

Ill-Chul Shin 氏
Manager and "Master Black Belt" at POSCO's Six Sigma Academy

欠陥ゼロを目指してSASを導入

「シックスシグマを支える哲学をひと言で表せば、より賢明に、無理をせずに働くことだと言えるでしょう。これは、問題解決のための方法論として全社に適用されています」(Ill-Chul Shin氏、Manager and "Master Black Belt" at POSCO's Six Sigma Academy)。

シックスシグマは、決められた測定基準に従ってプロセスのパフォーマンスを示すもので、プロセスのシグマレベルが高ければ高いほど、顧客を満足させるアウトプットの数が大きくなる。シックスシグマでは、100万回に3.4回という限りなくゼロに近い欠陥数を目指し、スピードと品質を両立させる。最も大きな問題を「CTQ(品質に影響を与える顧客視点の指標)」であると特定して分析し、問題の原因の80%を占めている20%の「バイタル・フュー(品質経営に最も大きなインパクトを与える数個の重要要因)」を見つけ出すのである(表参照)。

シグマ100万回あたりの欠陥数歩留り[%]
1690,000.031.0000
2308,000.069.2000
366,800.093.3200
46,210.099.3790
5230.099.9770
63.499.9997

 

30年にわたるビジネスの手法をアップデートしていくにあたり、プロセス・イノベーション(PI)プログラムは、ここ数年のPOSCOにおける効率性や競争力の向上にとって極めて重要であった。第1フェーズと第2フェーズに実施されたPIは、両方ともSASを用いて構築された。第1フェーズでは、 SASを活用してERPやレガシーシステムのデータを抽出、変換し、SASのデータウェアハウスに格納。既存の営業所ベースでデータを比較し、品質のチェックを可能にした。

第2フェーズでは、SASのプロセス分析と合わせて、シックスシグマ・プロジェクト・トラッキング・システムが実装された。
「SASにより、シックスシグマのポータルに入って、プロジェクトのタイトルとCTQ名を選ぶだけで、あるプロジェクトで何が起きているのかを理解することができます。データはSASによって自動的に集約され、毎日、毎月モニターすることができます」(Shin氏)。

同社では、誰もがこの情報にアクセスし、会社の業務がどのように遂行されているか確認できるようになったのである。

製造時間を半分に短縮

PIの第1フェーズでは、標準的な熱延コイル生産のリードタイムを、それまでの30日から14日へと50%短縮し、在庫を100万トンから40万トンに60%削減。また、電子調達のような新しいプロセスやWebベースの技術も導入することで、企画や販売のサイクルをも短縮させたのである。

2002年、POSCOはPIの第2フェーズに入り、第1フェーズのPIをさらに拡大して深めた上、シックスシグマを追加し、ビジネスプロセスを企業戦略と連携させて顧客やステークホルダーを満足させるという目標を掲げた。2004年、シックスシグマの実践にかかった全費用は約3,500万ドルで、総額4億5,000万ドル弱の財務節減につながった。

「SASを選択したのは正解でした。というのも、パッケージ化されているシックスシグマ専用ツールでは、弊社の膨大なデータを取り扱ったり、非線形の分析を行なったりするには難しいからです。同様に、単なるレポーティング・ツールも、新しい情報を明らかにする作業には向いていません。それに対して SASは、データ操作と分析をシームレスに行ない、ユーザー・インターフェイスに組み込まれるシングル・フロー・ダイアグラムによって管理することができます。ケースバイケースで最適なモデルを選択できるので、非常に使い勝手がよいのです」(Shin氏)。

パフォーマンスの質を向上させ、高いROIを獲得

熱延コイルのスクラップ削減プロジェクトでは、SASの分析パワーにより物理的プロセスが改善され、スクラップ率をそれまでの15%から1.5%に大幅に削減。15万ドルのROIをもたらした。また、冷延鋼板のプロジェクトでは、工場ごと、アイテムごと、および仕様ごとで収益性に大きな格差が生じる理由をSASにより特定。高い収益性につながる重要な因子を浮き上がらせたことでPOSCOは戦略を改め、このプロジェクトに対し年間120万ドルという ROIを確保したのである。
「SASは分析結果の質を向上させたのみならず、分析のサイクルタイムを劇的に短縮させました。弊社はこのようなプロジェクトを速やかに進められるようになったのです」(Shin氏)。

POSCOの目標は、シックスシグマのカルチャーを全社横断的に取り込み、それがまさに企業のあり方そのものとなるようにすることだ。また、パフォーマンスの質に対して、同社ではリアルタイムの洞察力を求めている。すでに製造システムでは、あらかじめ問題を予測し、問題の発生以前に補正できる「インテリジェント・コンセプト」が採用されている。

「SASは2年足らずでシックスシグマ・プロジェクトに関する1,400万ドルというROIを直接的に生み出したほか、この他のプロジェクトでも150万ドルをもたらしました。弊社には今後さらに大きな利益を得る道が見えているのです」(Shin氏)。

POSCO
Ill-Chul Shin 氏 Manager and "Master Black Belt" at POSCO's Six Sigma Academy

課題

シックスシグマのパフォーマンス戦略を最適化し、生産品質と収益の向上を図る

ソリューション

SAS® Enterprise Intelligence Platform、電子調達、アナリティクス

利点

製造プロセスの改良を通じ1,550万ドルのROIを獲得

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