日本製紙株式会社

グループの情報活用基盤をSAS® Enterprise Intelligence Platformで一本化
全社統一基盤の構築により戦略的な情報活用と社員の生産性向上を実現する

日本製紙は、新聞用紙、印刷出版用紙、情報・産業用紙などの「洋紙事業」を展開する、製紙業界のリーディング・カンパニーである。同社は、グループでそれまで4つに分断されていたデータベースとデータ毎に異なる情報活用システム(以下BI)を SAS® Enterpr iseIntelligence Platform(以下、SAS EIP)の導入で一本化。システムを全グループ企業の2,000人以上のユーザーに開放したことで、現場ユーザーによる情報活用を加速させている。

将来は、細かな現場の見える化に貢献できるような使い方ができれば理想。われわれの場合、調達先と販売先が同じ企業ということが多く、そうしたケースを分析して何らかのビジネスのヒントを得るという切り口など、さまざまなアイデアが浮かんできます。さらにSASをユーザーに広めていくことで、現場の情報活用を加速し、生産性の向上を果たせると確信しています。

大山 一夫氏
参与 管理本部長代理 兼 情報システム部長

現場に分かりやすく、使いやすい仕組みを提供し、
情報活用基盤の一本化によるコスト削減も狙う

情報系システムの導入において、最大の課題は何か。多くの企業が抱える悩みは、「いかにして現場に活用してもらい、ビジネスの成果を出すか」という点に集約されるだろう。日本製紙グループもその例外ではなかった。4つのデータウェアハウス(以下、DWH)を抱え、売上情報や在庫情報、月次の管理帳票などを、全グループの現場で働く約2,000人の社員に提供しようとしていたが、既設のBIツールの利用率は低くとどまっていた。

「当時のアクティブユーザーは約700人にすぎませんでした。その原因を探ろうとアンケートをとったのですが、"分かりにくい"、"使いにくい"との声が多かったのです。そこで検討チームを立ち上げ、現状分析と対応方法を検討することになりました」
(参与 管理本部長代理 兼 情報システム部長 大山 一夫氏)

当時使っていた4つのDWHの中で中心的な役割を担っていたものは、同グループが運用するホストを含めたさまざまな基幹システムから、生データを直接吸い上げて蓄積する仕様で運用されていた。その際にあえてデータのクレンジング(洗浄)を行わない規定になっていたため、相当なパワーユーザーでなければデータの意味するところを理解できないことが問題だった。

これを改善するためには、データを基幹システムから情報活用基盤に引き渡す際に、データ形式を加工して整えてくれるデータ統合(ETL)ツールが必要になる。また、一般ユーザーが使いやすいBIツールの導入も不可欠である。しかしながら、ETLツールも一般ユーザー向けのBIツールも追加投資としては決して安価ではなく、さらなる運用・保守のコストも発生してしまう。

そこで同社は、DWHとOLAPの両面でソフト/ハードの二重投資を行っている既設のBIツールを1つに置き換えることによりコスト削減を可能とし、さらには生産性の高いETLツールと全社統一のBIツールをバンドルした統合プラットフォームの採用を決断した。

パワーユーザー、システム部、一般ユーザーの
それぞれのニーズに応じて適切なツールを提供

日本製紙は2006年1月、正式にSAS EIPの採用を決めた。SAS EIPは、ETL機能をはじめ、データ管理機能、データ分析機能、BIツールまでを提供し、情報活用基盤の構築に必要な機能のすべてを含んだ統合製品である。

これまで4つのDWHで管理してきたデータをユーザーが利用しやすく整理されたデータへと加工し、1つの情報活用基盤に格納するため、データ加工が容易なETLツール、SAS® Data Integrationをシステム部門へ導入した。データ移行スケジュールにあわせて同製品のトレーニングを受講したシステム部員は、ETLによる情報活用基盤の構築スキルを習得し、移行後もユーザーニーズに迅速に対応できる体制構築にもつながった。また、ETL機能を用いることで、分かりやすく加工・修正されたデータをSAS EIPで一元管理できるようになった。

各グループのリーダー格ユーザーには、レポート作成の役割を担ってもらうようになった。部門や業務内容毎に必要なデータを理解しているリーダー格ユーザーが作成したレポートは、誰もがアクセスできるSASポータルの共有ユーザー・インターフェイス上に公開。結果、これまでBIを活用していなかった一般ユーザーまでもが、グループ内のSASポータル画面上からさまざまなレポートを活用するようになった。

さらに、今まで Microsoft® Excelを使って分析をしていた営業担当者も、SAS上のデータを頻繁に活用するようになった。なぜなら、ツールの使用方法に精通していなくても、今までと同じExcelのインターフェイスを介して必要なデータやレポートにアクセスすることができ、「これは使える!」という思いが伝播できたからだ。

一方、従来のツールに慣れ親しんだパワーユーザーを納得させる必要もある。これまでの仕組みは、分かりにくいものの、データを抽出して加工する自由度は高い。そのようなパワーユーザーに満足してもらう決定打になったのが、SAS® Enterprise Guide® だった。SAS Enterprise Guideは、高度なデータ加工機能と解析機能を備えながら、ポイント&クリックで活用できる操作性の高いビジネスアナリスト向け解析ツールである。

SAS Enterprise Guideの高い柔軟性により、パワーユーザーからも従来以上の支持を得ることができた。「情報活用システムの場合、誰もが使えるようにすることと、熟練したユーザーが自由な発想で使うことは相反することになりがちです。今回われわれが選んだのは前者のやり方ですが、パワーユーザーのパフォーマンスが下がってしまってはいけません。Enterprise Guideは非常に使いやすい仕組みで、パワーユーザーはすぐに使い方を覚えて活用してくれています」
(管理本部 情報システム部 調査役 井田 圭治氏)

システムは 2006年10月に稼働し、1年間の並行本番運用を経て、2007年10月に本格稼働した。その間、テーブルの整理やサイジング、パフォーマンス・チューニングなどを行い、現在では同社の業務になくてはならない仕組みとなっている。

 

グループ会社で新システムが社長表彰対象に
期待以上の効果を生み出し続ける

現在のユーザー数は2,000人強。井田氏は、「特に営業部門から問い合わせが多く、こんな情報を取り出せるようにしてほしい、こういう角度から分析したいという改善要求が頻繁に発生しています」と語る。「現場から改善要求の声がわれわれに届いていることこそ、使われている証しです」

SAS EIPは、基幹システムからすべてのデータを吸い上げているが、ほぼリアルタイムに最新の営業情報を見られるようになったことによる業務効果が大きい。現場の社員がさまざまな角度から最新の顧客情報をベースとした分析を行うことができるようになったため、より活発に議論ができるようになった。事前説明の段階でツールを気に入ってくれた現場担当者が多く、現場で浸透するのは早かった。

1年間をかけた本番環境での並行稼働により、システム移行をスムーズに行うことができた。稼働したシステムの評判は極めて良い。中でも、ERPと密に連携するDWH製品を主に使っていたグループ会社からの評価が高いという。

ERPのバージョンアップと共に以前のDWHを切り離し、SAS EIPに統合したことでレスポンスも良くなり、機能も増えた。特に今までERPからのデータ抽出には、専門的なプログラム開発が必要で、その要員確保がコスト負担となっていたが、ERPデータの加工もSAS Data Integrationで内製化できるようになったため、ETLを活用した情報活用基盤の統合はコスト削減にもつながっている。実際に、あるグループ会社では、この新システムが社長表彰を受けている。

当初は5年間で1億5000万円のコスト削減を見込んでいたが、本格稼働後1年を経た実績は、年間3500万円のコスト削減。2年目以降は運用に慣れると共にさらなるコスト削減が見込まれることから、目標以上のコスト削減を達成できる見通しだ。

「将来は、細かな現場の見える化に貢献できるような使い方ができれば理想。われわれの場合、調達先と販売先が同じ企業ということが多く、そうしたケースを分析して何らかのビジネスのヒントを得るという切り口など、さまざまなアイデアが浮かんできます。さらにSASをユーザーに広めていくことで、現場の情報活用を加速し、生産性の向上を果たせると確信しています」(大山氏)

Nippon Paper Industries

課題

既存の情報活用システムの社内へのさらなる浸透と活用、複数ツールへの重複投資によるコスト負担が課題

ソリューション

SAS® Enterprise Intelligence Platformを全グループのデータ基盤とし、ユーザー毎に適切な情報を適切なタイミングで配信できる仕組みを構築

利点

現場ユーザーの利用率が上がり、業務品質の向上に貢献
情報活用基盤の一本化により目標を上回るコスト削減も達成

製品
SAS Enterprise Intelligence Platform / SAS Data Integration / SAS Enterprise Guide

Back to Top