日本大学

豊富な分析手法とプロシジャを備えたSASは研究の良きパートナー
―科学の進歩にスピーディに対応し、いち早く機能に組み込まれる先進性を評価―

日本大学では10年以上にわたって、研究・教育のためにSASが利用されている。政治・法律と経済・社会との結びつきを計量経済学の手法を利用して解き明かす「政策計量分析」研究を行う法学部 坂井研究室では、卒業論文の執筆にSASが欠かせない。25年以上、SASを使って研究を続けてきた坂井吉良氏は、データの収集から分析まで基礎から教え、学生がデータを駆使してオリジナリティのある卒業論文を書けるよう指導している。

スタートはデータを集めるところから

日本大学は、「自主創造」を教育理念として人材の育成を行う伝統ある総合大学である。現在は14の学部を擁しているが、その前身は日本法律学校。シンボルとなる法学部は120年の歴史を持ち、「司法の日大」と呼ばれるほどの実績がある。現在は、法律学科、政治経済学科、経営法学科、公共政策学科、および新聞学科の5学科があり、約8,000人の学生が学んでいる。

その法学部において、計量経済学の手法を利用した研究により、ユニークな成果を挙げているのが坂井研究室だ。日本大学法学部教授 坂井 吉良氏は、学内/学外の有志と共同研究を重ね、政治・法律と経済・社会の相互依存関係について、計量分析による解明を行っている。研究テーマは幅広く、社会で議論を呼んでいるテーマを研究することも多い。たとえば、一院制への移行、大統領制の導入など政治体制の変化が社会にどのような影響を与えるかの理論的・数量的な予想も考察の対象となるという。このため、坂井ゼミでは、データを扱う手法を徹底して指導される。3年生、4年生の2年間、データを集めるところからはじめ、論文の読み方/書き方を講義。政策効果の数量的予測を、簡単なモデルを用いて演習形式で行う。3年生の終わりにさしかかると、各自に研究テーマを見つけてもらい、卒業論文の指導にとりかかる。基礎となるデータは内閣府や総務省、日本銀行などの公開情報を使用することが多く、海外の文献に当たることもある。

坂井氏は、「まずは表計算ソフトで基礎的なデータの扱い方を学び、SASを利用しながら統計分析の初歩を3年生に習得させます。4年生になると本格的にSASを活用するのですが、学生にはプログラムの負担がないように、基本的な計量モデルを用意し、モデルの改善やデータの更新の指導を行っています」と話している。

多様な研究テーマにSASを活用

日本大学法学部では卒業論文が必修となっている。文系の学部であるため数学や統計学にそれほど深く親しんでいない学生も多いが、坂井ゼミでは初歩から教えてくれる。3年生である程度SASを使えるようになった学生は、卒業論文のテーマを決め、4年生になって各々モデルを作って分析することになる。

卒業論文のテーマは多岐にわたる。マクロ計量モデル、景気予測のシミュレーション分析、経済成長の要因分析から、質的選択モデルを利用した社会的変化の推定・検定まで。最近では、少子化に関する分析や、死刑制度の犯罪抑止力の検証、財政政策・金融政策の効果と有効性の検証、為替などをテーマに卒業論文を執筆した学生がいる。

「まずは先行研究とデータを集めてくるのですが、これらを新しい理論とモデルを用いて分析することになります。モデルを変えると結果がどう変わるか、繰り返し試行することで研究を深めることができます」(坂井氏)

ゼミ生は、SASを使ってこうした分析を行う。たとえば死刑制度の分析では、米国の州別犯罪データを基礎データとし、各州の死刑制度の有無によって、死刑制度が犯罪抑止につながっているかどうかをさまざまな角度から検討する方法をとっている。

研究を続けられるのはSASのおかげ

坂井氏自身の研究においても、SASは不可欠な存在となっている。坂井氏は、「統計分析が高度化・複雑化すると、理論研究から統計分析手法の確立、プログラム開発までを1人で行うことは困難になります。SASは科学の進歩に対応して最先端の研究成果を導入し、豊富な分析手法とプロシジャ、パワフルで柔軟性の高いプログラミング環境を備えています。分析結果の信頼度は高く、計算のスピードも非常に速い。使い始めて25年。私の研究活動は、SASとともにありました」と話す。

別のツールを使ってみたこともあったというが、扱い慣れていること以上に、SASが常に他のツールの数歩先を行く機能を備えていたことこそ、坂井氏がSASを高く評価する理由になっている。最近執筆した「民主主義のチャンネル効果と経済成長」、「消費のランダム・ウォーク仮説と恒常所得仮説の検証について」(いずれも日大法学会『政経研究』・後者は共著)などの論文も、SASによる分析が不可欠だった。

「私がここまで研究を続けられたのもSASのおかげです。最低でも1年に1本論文を書く体力が続くまで、SASを使ってオリジナリティのある研究を続けていきたいと考えています」(坂井氏)

Nihon University
写真 : 法学部 教授 坂井 吉良氏

課題

(研究テーマ)

  • 民主主義と市場及び経済成長の相互依存関係の解明(制度と経済的パフォーマンス)
  • 民主主義制度(憲法上の特徴である政府の形(大統領制と議院内閣制)や選挙制度(比例代表制・多数制・混合型)の相違が、公共財の供給、課税、レント、財政政策、さらには経済的パフォーマンス(1人当たりの国民所得)に与える効果の理論的及び実証分析
  • 政策計量分析
  • 計量経済学
  • 統計学
  • 経済学

ソリューション

日本大学法学部の教育目的

法律の知識を基礎として、高水準の実践的な専門教育と国際的教養人としての教養教育に努め、高い倫理観と優れた人格を備えた法律的なものの考え方ができる人材を養成する。また、高度な職業意識と専門的な能力を兼ね備えた人材を養成する。

Back to Top