株式会社ロイヤリティ マーケティング

提携社のニーズにこたえる分析専門チームを組織

高度な分析能力で"情報流"に革命を起こす

共通ポイントプログラム「Ponta」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティング(以下、ロイヤリティ マーケティング)は、同サービスの立ち上げに当たってSASの分析ソリューションを導入。同社が蓄積するポイント情報の分析に加え、提携社から依頼を受けて行うデータ分析サービスにも活用している。日々発生する6000万人を超えるPonta会員の、提携約70社・22100店舗における来店・ポイント加算・利用状況に関するデータを高度に分析することで、会員の満足度を高める新たなサービスを誕生させるなど、SASを使ったデータ分析は同社のビジネスの中核として機能している。

膨大なビッグデータの分析基盤を構築

ロイヤリティ マーケティングが2010年3月にスタートした「Ponta」はその後、会員数と提携社を飛躍的に伸ばし、2014年1月には会員数が6000万人を突破。提携企業70社、利用可能店舗2万2100(2014年3月1日現在)を数えるまでになった。幅広い業種にまたがる共通ポイントプログラムを運営することで、提携社に対して新規顧客の獲得、リピーターの増加、顧客ロイヤリティの向上など、ポイント還元のコストを上回るメリットを提供することを目指している。

同社にとって、提携社共通の顧客/潜在顧客である会員へのサービスを充実させることも重要なミッションになる。スマートフォン利用者が増えたことを受け、AndroidとiPhoneで使えるアプリ「Pontaタイム(ポンタイム)」をリリース。アプリによって会員との接点を増やし、アプリを使いながら自然に提携社のサービスを利用してもらう仕組みを整えるなど、新サービスの開発にも余念がない。

重視するのは、便利でおトクであることに加え、楽しんで使ってもらうこと。ポイントをためる楽しさや、つかう喜びを会員に提供し、提携社へのロイヤリティ向上を目指す。スマホアプリは、新たなO2O(Online to Offline)の仕組みとして、大きな期待を集めている。

同社が保有するデータは、会員登録時に取得する住所、年齢などの会員情報と、会員がPontaカードを提示し、ためたり、つかったりしたポイント情報だ。ポイント情報は、購入日時と購入店舗、加算・利用ポイント数などであり、詳細な購入品情報などのいわゆるPOSデータは提携社が管理する。6000万会員の、提携70社、22100店舗における来店・ポイント加算・利用状況に関する情報が日々データマートに蓄積されており、この膨大なビッグデータをSASにより分析することで、いくつもの発見があったという。

また、主に提携社から依頼を受けて、データ分析を行うこともビジネスの一部だ。同社は、自社で行う保有データの分析と、提携社から依頼されて行う分析のための人材やノウハウを一元化している。それが、「LM Analytical Lab(LAL)」である。

分析専門組織「LAL」の取り組み

ロイヤリティ マーケティングのデータ分析組織「LAL」に所属する精鋭達のバックグラウンドは、数学、生物、工学、経済学などさまざまで、それぞれの専門知識を生かして分析を行っている。求められるのは「データ分析からビジネスの課題解決に有益なアウトプットを出せる」能力だ。

LALのメンバーが必要とされるスキルを細分化すると、ITリテラシー、統計知識、業務知識の3つになる。ITリテラシーは、数百億レコードのビッグデータを扱う能力も含むITスキル。次の統計知識は、統計手法や機械学習などを活用してデータを解釈する分析スキル。そして業務知識は、分析結果を実際の業務と紐づけるスキルになる。膨大なデータを処理するためには、その目的が必要だ。たとえ分析して何らかの結果が出ても、それを業務に生かせなければ意味がない。

LAL主任研究員 松本 清一氏は、「現在のデータ・サイエンティストは、加速するビジネスに対応しなければなりません。統計知識のある人にデータを分析してもらい、同じモデルを繰り返し活用しようというアプローチでは多くの提携社のニーズに応えられません」と話す。

「実際には、3つのスキルをすべてハイレベルに持っている人材は稀ですから、それぞれのスキルを持っている人とのコミュニケーションが成功のカギになります。コミュニケーション能力や論理的思考能力をベースに各人が、分析方法や仮説の方向性について日々議論しながら分析を進める形がベストだと考えています」(松本氏)

そこをさらに補強するのが、外部からの視点だ。LALのメンバーは日々の業務を通じて、共通ポイントサービスや提携社ビジネスについての知識を蓄えていく一方で、最先端の事例や他業種、他サービスでの分析事例について常に最新の情報を集めるのは難しい。外部の視点を導入し知見を得るために、SASのコンサルティングサービスが役立っている。

「LALは業務ベースで動きますから、いま抱えている問題への対応策として統計手法を適用することはできます。一方、新しい統計手法や概念を実験的に活用するという面でSASのコンサルティングサービスを活用し、指摘を頂くことで、より効率的にリソースを活用することができています」(松本氏)

最適なバリューチェーンの構築で消費社会に貢献

いくら高度な分析を行っても、その結果を業務に活かすことが出来なければ大きな価値を生み出すことはできない。ロイヤリティ マーケティングは、LALという分析組織を作ることで、真の価値を生み出す環境を整えている。

「データを数字として見られるようにして科学的に判断する材料にできること、そして分析から効果検証までを繰り返し行いPDCAを回していくこと。この2点が分析から価値を生み出す重要なポイントとなります。数字で見えなければ、正しい意思決定を行うことはできません。また、PDCAを継続して実施しなければ正確なマーケティングROIを把握し次の施策につなげることはできません。小さな分析から始めて、効果を見ながらどんどん大きくすることを意識して業務に取り組んでいます」(松本氏)

事実、サービス開始当初、ロイヤリティ マーケティングが最初に行った分析が、共通ポイントサービスの効果検証だった。当時、日本における共通ポイントサービスへの認知や理解はまだ十分ではない状況だったため、ポイントを加算した自社の顧客が他提携社の店舗に流れることで損をしてしまうと考えられがちだったが、自社の店舗だけを利用し続ける会員と自社以外の複数社を利用し始める会員を分析すると、後者は前者に比べて自社での売上金額、来店頻度ともに向上するという結果が得られた。共通ポイントサービスの本質は、さまざまな業種にまたがる提携社を、会員が利用すればするほど自社へのロイヤリティが高まり、会員1人あたりの売上金額と来店頻度が向上することにある。データ分析でポイント還元のコストを大きく上回るメリットが数字として現され、新たな提携社を獲得するための要となる分析結果となったのだ。

自社のビジネスをより良くする分析だけでなく、提携社を支援するサービスにおいても、この2点は常に意識しているという。提携社サポートにおいては、支援対象になる業務部門は複数にまたがるケースが多い。テストマーケティングに必要なデータや施策のアドバイス、実績にもとづく業務管理支援などを行う際に、提携社担当者の頭の中にあるアイデアをスムースに引き出し、PDCAを回せるプロセスを作り上げるのだ。

松本氏は、「最適なバリューチェーンを構築して消費社会に貢献することを企業のミッションとして掲げるにあたって、すべての分析の効果は顧客に還元しなければならないと考えています。社会全体でデータ分析に取り組めば、メーカーから卸、小売り、消費者という商品の流れがより最適化されていきます。ロイヤリティ マーケティングでは、最適なバリューチェーンを構築することで無駄のない消費社会に貢献したいと考えており、分析を通じて、この社会全体で取り組むべきミッションの一翼をわれわれも担っていきたいと考えています。」と話している。


Loyalty Marketing
写真: 右から、執行役員 CAO LM Analytical Lab Lab長 内山 敦司氏 / LM Analytical Lab 主任研究員 松本 清一氏

課題

共通ポイントプログラム「Ponta」のビッグデータを高度に分析できる基盤が必要だった

ソリューション

分析結果にもとづく最適なマーケティング施策を提案することで、提携社の新規顧客の獲得、リピーターの増加、顧客ロイヤリティの向上に貢献している

利点

会員がさまざまな業種にまたがる提携社を利用すればするほど、自社のロイヤリティが高まり、会員1人あたりの売上金額と来店頻度が向上するという分析結果が、新規提携社の獲得につながっている

製品

  • SAS® Data Integration Server
  • SAS® Enterprise BI Server
  • SAS® Enterprise Guide®

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