コニカミノルタジャパン株式会社

「SAS導入後1年未満で投資を大きく上回るビジネス効果」
ビジネス現場参画型のIoT/ビッグデータ分析環境で、迅速なアナリティクスの実践投入を実現

コニカミノルタジャパン株式会社(以下、コニカミノルタジャパン)は、SAS Analyticsによる新たなビッグデータ分析基盤を稼働させた。稼働後1年を待たずして作成した分析モデルは60種以上にのぼり、その結果、システム投資を大きく上回る効果を生んでいる。短期間で経営と連携したビジネスメリットを生み出すことに成功した鍵となったのが、ビジネス現場の参画を得ながら、機械学習などの高度な分析手法を活用し、トライ&エラーの繰り返しで“使える”分析モデルへと錬成できる、SASのビッグデータ分析基盤だ。

KONICA MINOLTA JAPAN, INC.
分析のPDCAを高速化するだけでなく、IoTデータの更なる活用などを見据えたときに、一連のアナリティクス・ライフサイクルをサポートし、大量データの処理速度と予測精度に優れたSASの選択は必然でした

矢部 章一氏
コニカミノルタジャパン
株式会社
経営企画本部
データサイエンス推進室
室長

最先端の分析技術とノウハウを

コニカミノルタジャパンは、複合機やその消耗品の販売およびサービスを手がける企業だ。オフィスやプリントにかかわる顧客課題にワンストップでこたえられる体制をめざしている。IoT分野への取り組みもスタートさせており、複合機のファームウェア上で分析を実行する仕組みを構想するなど、同分野でも先駆的な存在として知られている。

同社がSASの本格活用を開始したのは2015年10月。最先端のデータ分析テクノロジーとノウハウを活用し、顧客満足度のさらなる向上と業務の効率化を競合優位性の源泉とする狙いだった。経営企画本部 データサイエンス推進室 室長 矢部 章一氏は、このプロジェクトを統括するために入社した。入社後3カ月、社内のさまざまな現場で実際に働き、現場の課題を肌で感じた。その後、社内にあるさまざまなシステムを調べ上げ、すべてのシステムのデータ項目と意味を辞書化。内容を社内wikiとしてまとめるとともに、詳細なER図を書き上げた。

こうして矢部氏は、現場から複数の主要課題をピックアップし、社内にあるデータの詳細と全体像を得た。現場で過ごした時間は、社内人脈を深耕し、リアルな現場の声から、アナリティクスで解決すべき経営課題や現場課題を特定し、売上予測・在庫予測・故障予測・顧客離反予測・営業最適化の5つを基軸モデルとして設定する仕組みづくりに役立った。

SAS選定の理由について、同氏は次のように話す。

「導入検討時には、SASを含めた代表的なアナリティクス製品を完全にフラットな視点で評価しました。実際に分析モデルを作り業務で使用する大量データで処理パフォーマンスをテストした結果、ビジネスでの活用に耐えうるレベルの処理速度と予測精度を得ることができたのはSASだけでした。さらに、SASがデータ準備から分析モデルの構築、実行、効果検証まで一連のアナリティクス・ライフサイクルをサポートする統合プラットフォームを提供しているという点は分析のPDCAを高速化するだけでなく、グローバル展開やIoTデータの更なる活用など今後の拡張性を考える上でも非常に重要と考えています」

SASおよびシステム導入を担当する日本情報通信株式会社からの提案を受け、SASを基盤とするビッグデータ分析基盤の導入を決定し、4カ月で本番活用を開始した。分析モデルを作っては実際のビジネスで活用し、課題点を解決していくというPDCAサイクルを回しながら、複数のモデルをビジネス改善に役立てている。

顧客満足度の向上施策を第一に真っ先に

真っ先に効果を出したのは、顧客ごとの出力枚数予測に基づくトナーなど部品交換の最適化だ。これまでは予備トナーを3本ほど顧客のスペースに保管していたが、顧客の事務所スペースをとるだけでなく、未使用のまま使用期限が過ぎ廃棄するケースもあった。複合機からのマシンデータや外部データを用いて、機械学習を活用することで高精度の予測を実現、顧客の使用状況に応じ最適なタイミングでの配送が可能になった。これによりトナー保管場所の削減や受け渡しの手間の最小化など、顧客満足度の向上とコスト削減を実現することができた。

同様に、定期交換部品のプロアクティブな保守も実現した。部品の寿命を使用状況から予測し、不具合が発生する前にサービス担当者が顧客先に向かうことができる。トナー配送の仕組みと組み合わせ、サービス担当者が訪問する際に補充しておくべきトナーを持って行くなどの工夫も行った。

コールセンターに寄せられる通話履歴データを活かすためのテキスト分析の仕組みも構築中だ。通常、複合機で不具合が発生するとトラブルコードがディスプレイに表示されるが、トラブルコードが表示されない場合は状況把握や原因が特定できず対応が難しい。コールセンターに寄せられる「異音」や「異臭」といった不具合の現象情報をテキスト分析することにより、不具合の重要性や緊急度の判定、サービスマン向けの対応方法のレコメンドなどを目指す。

さらにコールセンターのコール履歴を深掘りすれば、顧客が潜在的にかかえている不満が浮かび上がってくるかもしれない。

「お客様からのクレームは、非常に重要な情報です。不満を抱えながらも我々にお問い合わせいただけない大多数の“サイレント・クレーマー”を代表する存在だからです。そこで、クレームを頂いたお客様と同様の使い方をしている顧客グループを抽出し、こちらから電話をかけて状況やご要望を伺うといった取り組みを始めています」(矢部氏)

IoT時代を見据えた構想もある。複合機がよりインテリジェントになり、さらに多くの情報を得られるようになれば、「紙詰まりやサイズ設定など、お客様が感じる”いらっとした瞬間”をトレースできる」(矢部氏)かもしれない。そうした情報を分析して顕在化させ、的確に対応することができれば、顧客満足度の向上につながり、離反率の低下に結びつけることが期待できる。

経営と現場をつなぎ、進化を続けるアナリティクス活用

プロジェクトは、常に新しい課題に取り組みながら、加速している。専任メンバーは、矢部氏が実践したように、必ず現場を経験している。構築した分析モデルがすぐに高い予測精度を出すことは、まずない。リアルに見てきた現場との強固な協力関係が、トライ&エラーによるモデルの錬成を可能にしてくれる。

同社は「SAS® Visual Analytics」も導入し、経営層に対してビジネスの現状やモデルの成果について、表現力豊かなレポートとして示す試みもスタートさせた。主要分野のモデル化は、今後それぞれの詳細分野へと移り、すべてのモデルが有機的に絡み合いながら、同社のビジネスすべてを分析できるようにしたい考えだ。

矢部氏は、「アナリティクスで解決すべきビジネス課題を正しく把握し、SASを活用して現場部門と一緒に上手にPDCAをまわしていけば、わずか1年以内で投資を上回る大きなビジネス効果をあげることができます」と話す。「SASは、経営と現場、そして私たち分析チームをアナリティクスの力でつないでくれています。現場から相談も増え、日々現場との距離が近くなってくるのを感じています」。

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課題

顧客満足度のさらなる向上と業務の効率化を競合優位性の源泉にするためには、最先端のデータ分析テクノロジーとノウハウの活用が求められた。

ソリューション

利点

複合機からのマシンデータや外部データを用いて、機械学習を活用することで高精度の予測を行い、トナーなどの部品交換のタイミングを最適化。プロアクティブな保守を実現し、顧客満足度の向上とコスト削減を達成した。

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