HP(ヒューレット・パッカード)

顧客との関係を科学する

HP(ヒューレット・パッカード)社、25億件の顧客対応を分析して顧客との関係を親密化

世界を代表するコンピュータ/周辺機器メーカーの1つであるヒューレット・パッカード(以下HP)社は、ビッグデータを活用して顧客関係と事業運営の変革を進めている。同社では、電話対応、Web閲覧、電子メール、チャット・セッション、さらには小売パートナー経由の幅広い接点を通じて年間約25億件の顧客対応を行っており、膨大な量のサービスチケット、質問、クレーム、提案などが発生する。その結果、3億6,000万件の顧客レコードを記録する900TBのデータウェアハウスには、毎月数百万件のレコードが新たに追加されている。

「テラバイトやペタバイトといった規模のデータを話題にするのは簡単ですが、当社では実際に毎日、その規模のデータを扱っています」と話すのは、HP社のグローバル・カスタマー・インテリジェンス担当副社長、プラサンナ・ドーレ(Prasanna Dhore)氏である。「幸い当社では、そうしたデータから有意義な価値を引き出することができるテクノロジー・インフラを導入済みです。アナリティクス・プロセスの95%以上で、SASを活用しています」

SASなら、1億人を超える顧客の正確なスコアリングを数秒で実行して、マーケティングやサービスの対象者を絞り込むことができます。

プラサンナ・ドーレ(Prasanna Dhore)氏
グローバル・カスタマー・インテリジェンス担当副社長

販売とマーケティングにおける正確性の向上

HP社が掲げた目標は「膨大なデータポイントを戦略的な利点に変え、顧客との関係を科学する」という明確なものだが、その達成は決して簡単ではなかった。しかし、蓄積された膨大なデータの中に、数千万人の顧客について理解を深め、大きな競争優位性を獲得する上で空前のチャンスが秘められていることは明らかだった。

「顧客に対する洞察は、実際の行動に結びつかなければ何の価値もありません。私たちが注目しているのは『情報の非対称性』、つまり顧客に関して知っていることと知りたいこととのギャップです。SASのアナリティクスを活用すると、顧客との距離を縮め親密な関係を構築できます。そのため、より効果的に顧客ニーズを満たしながら業務の簡素化も実現する方法を競合他社よりも深く理解し、行動に移すことができます。」(ドーレ氏、以下同様)

ドーレ氏によると、データ量が増え続けてもSASが適切な選択肢であることは変わらないという。

『プロジェクト・フュージョン』:発生と同時に事象の意味を理解

HP社ではSASの処理能力を活かして財務からマーケティング、さらには製造までの業務を評価し、投資の配分に関する意思決定を正確な情報にもとづいて行っている。

「過去に学び将来を予測する従来の手法を超えたレベルで、ビジネス条件の大きな変動をその発生と同時に理解したいと考えています。望ましい方向へ進んでいる場合はその傾向をさらに増幅するべきですし、希望する方向にうまく進んでいない場合には迅速に対策を講じる必要があります。『プロジェクト・フュージョン』を立ち上げたのは、まさにそのためです。これは、SASとHP研究所のソフトウェアを活用して、ソーシャルメディア・チャネルから得られる利用価値の高い非構造化データを詳細に分析しようとする取り組みです」

HP社がプロジェクト・フュージョンで行っているのは、非構造化データ(AmazonやCNETにおける消費者の製品レビューなど)を構造化データと柔軟に組み合わせることで、顧客のセンチメント(評判)を有効に活用して製品や顧客に関する理解・洞察を深め、市場インテリジェンスをいち早く獲得することだ。

「典型的なソーシャルメディア分析では、肯定的/否定的という単純な評価しか得られません。しかし、消費者が『このプリンターはとても気に入っているが、用紙トレイはいただけない』と話していたら、どうでしょうか?プロジェクト・フュージョンでは、用紙トレイ、ソフトウェア、インク・カートリッジなど、幅広い機能や属性毎に評価を引き出すことができます。当社では、それぞれの評価項目に-10から+10までのスコアを付け、適切な形式のデータに変換した上で、統計分析用の構造化データベースに格納しています。この情報は将来の製品要件を評価するのに役立ちますし、コールセンターに寄せられる問い合わせ内容を予測して想定問答集を作成することも可能です」

こうした成功を受け、HP社では今、200種類以上の製品向けにプロジェクト・フュージョンを拡張することを計画中だ。

マーケティングの業績と投資対効果(ROI)の向上

顧客について「360度の視野」を確立するのは決して簡単ではないが、HP社はビッグデータの活用によってこれを実現している。

「こうした情報は取り扱いに細心の注意が必要です。お客様との親密な関係の追求とお客様の個人情報保護の間には、踏み越えてはならない一線が存在するからです。判断基準となるのは『お客様の利益になるかどうか?』です。価値の提供につながるのであれば、お客様の利益やニーズに関する情報を企業側が把握することにも理解が得られます」

「数字は嘘をつきません。こうした取り組みによって、キャンペーンの平均ROIが20%向上した結果、会社全体のマーケティングROIは3年間で42%も伸びました。出荷件数が3年間で50%増えたことに加え、オンライン店舗であるHPDirect.comの営業総利益も50%以上という大幅な伸びを達成しています。顧客満足度のランキングでも、当社は過去4年間、順位が上昇し続けています。こうした成果を達成できているのは、KPI(重要業績評価指標)に徹底して集中しているからです。15~20種類のKPIを用いて業績を追跡することで、当社の取り組みが差別化に成功しているかどうかを把握できます」

「SASとの素晴らしい関係には大変満足しています。ベンダーと顧客という関係ではなく、パートナーと呼び合える関係だと感じています」

HP Logo

課題

HP社では約25億件の顧客対応についてテラバイト規模のデータを保管している。このデータから洞察を導き出し、顧客について360度の視野を確立することで、即応力と競争力を高めることができるスマートな方法を探していた。

ソリューション

利点

ビッグデータを活用して顧客について360度の視野を実現したことで、キャンペーンの平均ROIが20%向上。
また、出荷件数が3年間で50%増えたことに加え、オンライン店舗であるHPDirect.comの営業総利益も50%以上という大幅な伸びを達成。

関連資料

本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客による機器構成や機器のコンディションに著しく左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに発行された保証書に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容になんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SAS発行のソフトウェアの導入成功にともなう体験を要約しているにすぎません。

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