株式会社ファンケル

ワン・ツー・ワン・マーケティングの実現に向けて、顧客行動に基づいたメルマガ配信シナリオを整備

株式会社ファンケル(以下、ファンケル)は、無添加化粧品や健康食品/サプリメントで知られる一部上場企業だ。無添加化粧品からスタートした同社は大きな成長を遂げ、いまでは誰からも信頼されるブランドとなった。サプリメントでは、体内効率を追求する技術開発により、安全性が高く、効果的な“予防医療”を実現する商品を提供している。常に挑戦を続ける同社に対する消費者からの期待は大きく、マイルドクレンジングオイルや、ダイエットサプリのカロリミットがヒットするなど、ファン層は日々拡大している。

顧客のセグメント化に限界

同社は、拡大する顧客層に対する重要な販売チャネルの1つとして、ECサイト「ファンケルオンライン」を運営している。登録会員数は300万人以上。配信を希望する100万人以上のユーザーに対して、メールマガジン(以下、メルマガ)で情報提供を行っている。

ネットチャネル合同チーム ネット営業部 部長 佐野 博一氏は、「メルマガによる情報発信は有効なマーケティング手法です。ただ、同じ内容のメルマガを一斉に100万通送っても、効果は限定的です。私たちの発信したい情報を送るメルマガではなく、お客様の欲している情報をお届けするものにする必要がありました」と話す。

当時は顧客のセグメント化のみを行っていた。顧客の主要購入商品別に4つのセグメントを作り、差し込み原稿を入れることなどで、わずかな個別対応に留まっていた。

「しかし、それではワン・ツー・ワン・マーケティングとは言えません。膨大なデータを抽出し、セグメント化するだけでも大変な作業でした。配信数も月に3~4回が限界ですし、お客様の求める“タイミング”で配信することもできませんでした」(佐野氏)

当時、使用していたのは基幹システムの販売データだった。それにWeb系のログデータやメルマガの開封履歴などを組み合わせ、顧客の行動に沿ってメールを配信できる仕組みが必要だった。2012年、抜本的な改革を実現できるツール選定が始まった。

 

FANCL
SASのコンサルティング・サービスにPMの補助(PMO)を依頼し、プロジェクトを円滑に進めることができました。お客様の行動に基づいてアクションを取るための複数のシナリオをSASで運用し、効果的なワン・ツー・ワン・マーケティングを実践しています

佐野 博一氏
ネットチャネル合同チーム
ネット営業部 部長

SASの柔軟性を評価

ファンケルは当初、メール配信系のマーケティングツールの採用を考えた。複数のシステムを検討した結果、それらのツールの柔軟性に問題を感じるようになった。データの見方は、時とともに変わる。導入時点では優れたソリューションでも、変化するニーズに合わせて進化させられない仕組みでは長く使えないと判断したのだ。

次に検討したのは、より広範なエリアをカバーするマーケティング・オートメーションの仕組みだ。複数のソリューションの中から1つを選定し、詰めの交渉を残すのみの状況まで持ってきた。そこに来て初めて、SASが同様の仕組みを提供していることを知った。展示会でSAS® Marketing Automationに触れ、年次イベントのSAS Forumで詳しい話を聞いた。

佐野氏は、「SASのソリューションは、メルマガでアプローチした結果を検証し、仮説に基づいて修正できるものでした。このPDCAを高速に回せる仕組みこそ、求めていたものだったのです。SASなら、私たちの求めていることがすべてできることが分かり、導入を決定しました」と話す。

柔軟性、汎用性に加え、自由度の高さやアクセスログを生データとして取り込める仕組みも評価された。2013年7月からSAS導入プロジェクトがスタートし、約4カ月で稼働を迎えた。

プロジェクトマネジャー(以下、PM)として、導入を主管したネットチャネル合同チーム ネット営業部 ネット管理グループ 課長 長谷川 敬晃氏は、「私はいわゆる“システム屋”ではありません。そこで、SASのコンサルティング・サービスにPMの補助(PMO:プロジェクト・マネジメント・オフィス)をお願いしました。プロジェクトを予定通りに終えられたのは、SASから手厚いサポートを受けられたおかげです」と話す。

基幹システムと、アクセスログ解析の仕組み、そしてSASという3つの主要システムが連携する。さらに、世界で初めてSAS Marketing AutomationをAmazon Web services上で稼働させるという決して簡単ではないプロジェクトであったが、SASのコンサルタントはネットチャネル合同チームの一員として、プロジェクトをリードした。

 

メルマガ開封率が想定の2倍に

マーケティング・オートメーションの仕組みの導入を検討する段階で、期待効果として見積もっていたメルマガ配信効果に比べて、SAS Marketing Automationを用いた詳細な顧客データ分析の結果に基づいたマーケティング・シナリオを実装することで、メルマガの開封率は想定の2倍に達した。顧客からのレスポンスは稼働以来一定の水準を保っており、満足のいく成果を得られているという。

顧客の行動に基づいてアクションを取るためのシナリオは、段階的に拡充している。当初用意したシナリオに加え、いまでは10個以上のシナリオを運用中だ。顧客への情報提供を行う「フォロー」、購入期間のあいた顧客に対する「スリープ対策」、商品ごとに異なる購入サイクルをベースに適切なタイミングで継続購入を促す「継続促進」、そしてカートに入れたまま決済されていない商品のある顧客にお知らせを送る「カート放棄」の4つが主軸で、それぞれに細かなシナリオがある。

長谷川氏は、「実際にやってみると、カート放棄が想像より多かったことに驚きました。お知らせメールをお送りすると、思い出して購入いただけることも多く、これまでフォローしきれていなかった販売機会の創出に貢献しています。既存のウェブアクセス解析や基幹システムなどとの連携が実現できたSASだからこそ可能となった取り組みであり、それによってもたらされた諸々の成果を見るとSASを導入してよかったと実感します」と話している。

社内での活用も進んでいる。ネットチャネル合同チームの担当者は、SAS® Enterprise Guide®を使ってシナリオを作り、結果を検証している。さまざまな角度から検証作業を続けることで、良質な分析結果をシナリオに取り込み、新たなメール配信シナリオとして活用できるサイクルが生まれそうだ。

「正直なところ、“SASは難しいソフトだ”というイメージを持っていました。導入を決めても、メンバーがついてこられないことだけを危惧していたのですが、稼働後半年もすると主要なメンバーは全員、Enterprise Guideの基本的な機能は使えるようになりました。いまでは当初考えていたほどにはSASを難しいと感じることもなくなりました」(佐野氏)

同社は今後、Enterprise Guideの活用を促進し、現場の分析力をさらに高めていく。ファンケルオンラインには商品の感想を投稿してもらう「口コミ」機能が備わっており、投稿促進のためのプロモーションにも、シナリオを準備する計画もある。近く、ファンケルオンラインにログインすると、顧客に最適な情報を表示させるパーソナルページの仕組みもリリースしたい考えで、そうしたところにもSASを活用する方針だ。

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課題

主要購入商品別の4つの顧客セグメントをベースに行うメルマガ配信だけでは効果は限定的だった。販売データやECのログデータ、メルマガの開封履歴などのデータを組み合わせて分析し、顧客が欲している情報を、適切なタイミングで提供できる仕組みが必要になった。

ソリューション

SAS® Marketing Automation

利点

SASによりEメールでアプローチした結果を検証し、仮説に基づいて修正するプロセスを高速に回せるようになった。結果、Eメールの開封率は劇的に向上し、レスポンス率も高い水準を保っている。

本記事に掲載された導入効果は、各企業によって異なる状況やビジネスモデル、入力データ、業務環境に固有のものです。SASの紹介する顧客体験は、各企業に固有のものであり、業務面や技術面の背景もそれぞれ異なるため、各事例に掲載されたあらゆる証言は、導入の典型例を示すものではありません。導入にともなう金銭的効果、導入結果、ソリューションのパフォーマンスなどの特徴は、個別の顧客による機器構成や機器のコンディションに著しく左右されるものです。本事例は、すべてのSASの顧客が当該事例と同じ導入効果を得られるとするものではなく、そうした効果を保証するものでもありません。SAS製品および提供サービスの保証内容は、各製品・サービス向けに発行された保証書に記載された内容に限られます。したがって、本事例に掲載された内容は、それらの保証内容になんら補足するものではありません。事例に掲載された顧客は、各事例をSASとの契約にもとづいて提供しているか、SAS発行のソフトウェアの導入成功にともなう体験を要約しているにすぎません。

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