Burda Ciscom

ダイレクト・マーケティングのパフォーマンスをリアルタイムに把握

Burda Ciscomは、親会社であるBurda Directを筆頭にさまざまな顧客企業にアプリケーション・サービスを提供している。Burda Direct Groupは、今から約10年前、わずか14名の従業員で事業を開始。以来目覚しい成長を続け、現在では従業員数1,200名以上、年間売上2億ユーロ(2億4,500万USドル)を誇る屈指のメディア企業へと発展した。Burda Ciscomは、800万人以上の定期購読者を対象としたダイレクト・マーケティングを通して、顧客の維持と売上拡大に努めている。

Burda Ciscomは、既に業界標準とされている業務用の顧客データ管理システムを導入していたが、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)システムとしては基礎的な機能しかもち合わせていなかった。戦略的にクロスセルやアップセルを行って売上の増強を図ろうとしていたBurda Ciscomは、せっかくなら今販売している商品を気に入ってくれている既存の顧客層に対して、購買意欲を刺激する商品を紹介していこうと考え、貴重な顧客データの有効活用に乗り出したのである。

こうした戦略を効率的に実行するには、顧客を深く理解することが不可欠であり、既存の業務システムがもつレポーティング機能では不十分であることは明らかだった。より的を絞ったマーケティングキャンペーンを行い、顧客収益性を上げて目標を達成するためには、優れた分析機能をもつCRMシステムが必要だったのである。


SAS は、当社のビジネスをよく理解してくれていましたし、市場をリードしている企業です。優れたツールと共に、実際にエンド・トゥ・エンドのソリューションを提供できるのもSAS だけでした。

Alexander Markert 氏
事業開発部門マネージャー

柔軟性のあるソリューションと唯一無二の正確なデータ

雑誌販売の世界では、定期購読者にいかに継続してもらえるかがビジネスを大きく左右する決め手となっている。Burda Ciscomのマーケティング・営業・広報活動のすべてを取り仕切る責任者である事業開発マネージャーのAlexander Markert氏は、「定期購読は1年または2年という契約が普通で、3年や4年という長期の契約は稀です。私たちの働きかけによって、さらに1年追加購読してもらうことができれば、会社の収益にとって非常に大きなプラスとなるのです」と説明する。

Markert氏は、「数年前には、柔軟性がなく融通の利かないソフトウェアを使っていましたが、お客様について知り、どんな商品を薦めることができるかを判断するためにも、分析に強いCRMシステムを使うべきだと感じ始めていました。当然、マーケティング活動やキャンペーンにかかる費用は厳しく管理し、『より的を絞った』使い方をしたいと思いました。そして、マーケティングや営業に関わるいくつかのプロセスを決定した上で、数社のベンダーと話し合いを持ったのです。結果的に、データウェアハウス、データ分析、すべてのレポート作成、そしてデータマイニングにSASを使うことにしました。やはりSASがベストのパートナーだと感じたからです」と語った。

エンド・トゥ・エンドのカスタマー・インテリジェンス

「SASは、当社のビジネスをよく理解してくれていましたし、市場をリードしている企業です。優れたツールと共に、実際にエンド・トゥ・エンドのソリューションを提供できるのもSASだけでした。プロジェクト開始時には200種以上のレポートが必要となると想定しましたが、この段階では、どのレポートが何の役に立つかということは誰にも分からなかったのです。

しかしその後、カスタマー・インテリジェンスの分析プロセスを何度も見直し、現在は10~20種のレポートのみを使っています。これで何が起こっているかを詳細に知ることができますし、リアルタイムでの情報活用が可能になりました。データベースから唯一無二の正確なデータを引き出すことができるようになったのです。これは非常に大きな強みです」とMarkert氏は語る。レポート閲覧の際にはファイル形式(PDFかXTML)を選択できるので、ユーザーはそれぞれの部署のニーズに適した好みのフォーマットでの情報入手が可能になった。

Burda Ciscomの経営層は、SAS® Campaign Managementを導入してすぐにその効果を実感することとなった。Markert氏は「キャンペーン対象としたグループの内、どのグループが新製品に好意的な反応を示しているかという情報も即座に明らかになりました。何が起きているか、つまり、どのキャンペーンが実益をもたらし、どのキャンペーンが失敗に終わったのかを素早く把握することができるようになったのです。こうした情報をもとにしてキャンペーン施策の調整を図り、顧客接触の最適なバランスを見極めていきました。すべてのETL(データの抽出/変換/ロード)プロセスをデータマイニングのために実行することができるので、今ではデータベース管理のシステムを4つも5つも使わなくてよくなり、システムを止める必要もなくなりました」と振り返る。

あらゆる階層をサポート

「分析に強いCRMシステム」と聞くと、まだ実際に利用したことのない人々は取っ付きにくいという印象をもつかもしれないが、SASのソリューションは、スピーディに、そしてどの階層のユーザーにも分かりやすい形でカスタマー・インテリジェンスを提供することができる。因果関係を簡略化して説明することによって、複雑な業務上の疑問に答え、隠れた洞察まで明らかにして、さらに将来の結果も予測するのだ。

Markert氏は「私たちは今回のベンダー選定以前にも、データ・クレンジングのためにSASを使っていました。IT部門は、SASを利用してグループの出版社にさまざまなサービスを提供していましたが、当の出版社も自社の業務にSASを導入していたのです。当社のマーケティング部門では、会社の業績をリアルタイムで知りたいと思う気持ちから、部門長などの管理職も自ら操作してこのソリューションを活用しています。1、2回クリックするだけで、今現在どんなキャンペーンが行われているか、その内の何が成功していて、何が失敗なのかといったことが即座に提示されます。SASは、誰にでも簡単に使うことができるシステムなのです」と締めくくった。

Burda Ciscom

課題

リソースを軽減しながらも、顧客維持率と顧客収益性の改善を図る

ソリューション

SAS Customer Intelligence 導入によって、よりターゲットを絞った効果的なマーケティングキャンペーンを実施