America West Airlines

SAS®を活用し、人員計画を最適化。必要待機要員の予測精度向上によって、数百万ドル単位の経費削減に成功。

多くの大手航空会社と同様、America West Airlines(以下、America West)も、毎日数百本というフライトを運行するため、乗務員のスケジューリングと割り当てを行っている。また同時に、翌年必要とされる人員数の予測結果をもとにして、従業員の新規雇用やトレーニングに活用している。

しかし、病欠や予定外のスケジュール変更などの理由で元々割り当てられていた乗員に代わってフライトをカバーする待機要員(パイロットや客室乗務員)を何人確保すべきかについて、正確に割り出す方法は、これまでも多くの航空会社が課題としてきた問題だった。America West は SAS を使ってこの難しい課題の解決に乗り出したのだ。

America Westで人員計画&分析担当のシニア・アナリストを務める Kat Weaver氏は、多額の費用損失を招く欠航や過剰な人員を待機させて余計な人件費を支払うことを回避するため、SASを使って革新的な待機要員予測の方法を開発することにした。ここでの目標は、フライトをキャンセルすることなく、正常な運行を確保できる待機要員の最少人数をスケジュールできるようにすることだった。

「いったいどの時点で、運行に十分な要員が確保できたと確信でき、必要以上の人員を待機させないように要員確保をストップし、欠航のリスクを負うという判断をすればよいのか?」というのが Weaver氏の疑問であり、「どの時点で、つまり何人以内であれば賃金が割高になっても待機要員を確保しておき、何人以上なら欠航する、という判断が妥当なのかを判断ができれば、コスト効率を高められるはずです」と語る。

待機要員は、実際にフライトすることがなくても、通常通りの給料が支払われることになっている。そのため、1日を通して、1時間単位で何人の人員を待機させるかを正確に判断することが当面の目標となった。しかし、吹雪が原因でオハイオ州で機体と乗務員が足留めされるといったような事態を、どうしたら予測することができるのだろうか?何月何日にアリゾナ州でインフルエンザが大流行し、数十人のパイロットが病欠を取る、というようなことは予測可能なのだろうか?

Weaver氏は、SASを使って作成した7つの予測モデルと全社から集められた膨大な量のデータを駆使して、こうした問題の解決に当たっている。欠航便の履歴や天候パターン、乗員が参加するトレーニングのスケジュール、休暇の残数、過去の待機要員の水準、詳細な運行スケジュールなど、「手に入れられる情報は何でもすべて使います」とWeaver氏はいう。さまざまな情報を活用することで、予測モデルの実効性を高めることができる。


導入1年目にパイロットの人員モデルを何度か変更し、人件費の大幅削減に成功しました。

Kat Weaver 氏
人員計画&分析担当シニア・アナリスト

オンタイム・パフォーマンスの向上

America Westでは、SASが導入される以前は、通常の乗務員数の何%という単純な計算式に頼って待機要員の人数を決めていた。この方法は精度に欠け、必要以上の人員を確保してしまうことが多かったと Weaver氏は語る。一方、現在、America Westが使っている方法では、必要な待機要員の数を極めて正確に予測することができる。昨年は、月全体の予測数が1名以上外れることは一度もなかったという。

その結果、乗員不足が原因でフライトをキャンセルすることは滅多になくなった。Weaver氏は、「正確なプランを立て、適切な水準の要員確保を行うことができれば、通常、人員関連の問題で欠航を出すことはありません。SASのおかげで、スケジュール確保に手間取ってフライトを遅延させてしまう、といったこともなくなりました」と説明する。
実際、America Westの定刻運行率は、業界でも常にトップクラスだ。このランキングが上昇すれば会社の売上も上がっていくので、重要な指標とされている。

顕著なコスト削減効果

2002年に Weaver氏がこのプロジェクトに着手した段階では、さまざまな履歴データの不足や、保有しているデータを抽出するための技術インフラが整っていないことなどが障害となり、正確な予測を行うことは困難だった。しかし、こうした問題もSASの登場によって数週間で解決した。

Weaver氏は、「市場に出回っている分析パッケージを比較検討しましたが、SASがベストの製品でした。SASではデータセットのサイズ(データ量)は問題となりませんし、いくつ種類があっても関係ありません。さまざまなデータソースをスピーディかつ円滑に統合してくれます」と語り、「SASの計算結果は非常に正確でしたし、適合性の高いパラメータも多数用意されていました」と続けた。

SASソリューションは期待以上の効果をもたらし、短期間でROI(投資対効果)を実現できたと、Weaver氏は述べ、「システムテストの最中も、あまりに速く予測数値が弾き出されたことに驚きました。そもそも当社の課題を解決するソリューションができたことに感激しましたし、ましてプロジェクトの初期段階であれほど正確な予測ができるとは思いませんでした」と振り返る。

最初にSASがターゲットとしたのは、人員削減を図る2機種に加え、損失の大きいキャンセルを避けるために待機要員を増員したもう1つの機種だった。「導入1年目は、人件費削減に影響の大きい『パイロットの人員モデル』に何度か変更を加えました」とWeaver氏は説明する。

航空業界をリードする

米国の航空業界で規制撤廃の波を生き残り、さらに成長を続けている新興の航空会社はAmerica Westだけだ。1983年、たった3機の飛行機と280名の従業員でスタートしたAmerica Westは、1990年には年間売上10億ドルを超え、主要航空会社に数えられるまでに成長した。そして今では、革新的なソリューションを利用して数々の課題を解決してきた歴史とともに、低コストで包括的なサービスを提供する航空会社となった。
Weaver氏は、「現在、待機要員のプランニング力を強化するために、このような方法で予測を行っているのは当社だけです」と語った。

※America West Airlinesは本事例作成当時の社名。現US Airways。

America West Airlines

課題

毎日600本のフライトをカバーするため、最適な人数のパイロット、客室乗務員を待機させる。

ソリューション

SASの予測テクノロジー

利点

SASの利用によって、高額な負担を伴うキャンセル便や過剰な待機要員に支払う数百万ドルの人件費を回避。

Back to Top