AstraZeneca
SAS® を導入し、より簡単に生産情報にアクセス

生産データへの確実なアクセスを維持していくことは、世界各地に従業員 5 万 6,000 人を擁し、世界をリードする製薬会社 AstraZeneca(アストラゼネカ)のたゆまぬ生産性向上を支える土台となっている。
複雑で数多くの生産工程をもつ製品「Turbuhaler (タービュヘイラー)」の品質管理を強化することを課題とした AstraZeneca は、SAS にアドバイスを求めることにした。そして SAS を利用した品質管理システムの改革を断行した結果、年間売上が 1,000 億円に達する喘息および慢性閉塞性肺疾患用の吸入式治療薬「Symbicort Turbuhaler (シンビコート・タービュヘイラー)」は、その薬効と柔軟な用法によって引き続き市場シェアを維持することに成功したのだ。

SAS を利用することで、AstraZeneca はこれまでよりも速く、そして簡単に生産データを抽出することができるようになり、それによって Turbuhaler 製品の生産プロセス効率化を確実に進めることができた。SAS Business Intelligence ソリューションを利用し、製造プロセスに存在する関連データのすべてを使った分析・調査・レポート作成が実行できている。このプロジェクトでは、科学者たちがより容易に意見交換ができるようにし、製品品質の強化や品質のばらつきの削減を図って、最終的には時間的節約に繋げることを狙いとしていた。

SASのソフトウェアは、技術的かつ科学的性質が強いAstraZenecaのデータを処理するのに大変適していました。

Eva Säfström 氏
プロセス・エンジニア

「製造プロセスには、生産データの他にも、プランニング・システムや品質管理システムといった生産を支援するデータソースが多数存在し、これらすべてのデータを追跡することが当然のことながら非常に重要でした。1つのデータテーブルには8,000万件までのデータを格納できます」とプロセス・エンジニアを務める Eva Säfström氏は話す。

SAS の使命感

プロジェクトを本格始動する前に、AstraZenecaはベンダー選定のため、候補企業数社に対してテスト用のパイロット実験を行った。SASと競合企業に対して、システムのプロトタイプを構築し、組織全体をターゲットグループとして、予め独自に定義しておいた数種類のレポートを作成するように依頼したのだ。

「SASは、このパイロット実験にも非常に強い使命感をもって取り組んでくれたので、早い段階から SAS のメリットを認識することができました」とSäfström氏は言い、「SASのソフトウェアは、技術的かつ科学的性質が強いAstraZenecaのデータを処理するのに大変適していました。また、SASが提供するレポーティング・ツールは、特殊なレポートの作成にもとても向いていました。さらに SASは操作性に優れており、私たちにとって非常に魅力的な特殊機能を数多く備えていました」と続けた。

SASは要求された仕様を満たし、ベンダーとして選出されました。プロジェクトは順調に始動し、Good Manufacturing Practice(GMP:適正製造基準)に準拠したレベルの高い品質管理が本格的に始まった。

同じくプロセス・エンジニアを務めるHenrik Åkerblom氏は、「生産環境と平行してテスト環境を開発することは非常に労力のかかる作業でした。総勢20名くらいが関与していたと思います」と語る。

「約18ヶ月後、私たちは新たなシステムの稼動にこぎつけました。その間、ユーザーやレポート受信者となる人々には十分な準備期間が与えられました。導入に長期間を要したのは、品質保証に関して厳しい要件を満たす必要があったということと、新システムのデータベースに数多くのデータソースを連携させなければならなかったからです。しかし一旦稼動し、運用段階を迎えると、システム自体も履歴データのインプットも、とても順調でした」とÅkerblom氏は語る。

ユーザーへの十分な情報提供

AstraZenecaが新システムのユーザーあるいはレポート受信者としているのは、およそ50名の従業員だった。主にマネジメント層、プロセス・エンジニア、分析担当者という3つのユーザーグループから構成されていた。マネジメント層は各種のレポートと生産高やトレンドに関する最新データを定期的に受け取ることになる。

また、プロセス・エンジニアは総合的なレポートを受信する他、自らレポートを作成することも可能で、トレンドを監視したり、欠陥の発見に努めたり、分析のためにさまざまな品質保証データにアクセスしたり、ツールを活用して原因究明を行ったりする。分析担当者は、品質保証に関連するすべてのデータを受け取ると同時に、分析に必要なデータにアクセスすることができ、さらに SASが提供する幅広い機能を利用することも可能だ。

「私たちは、他の作業と平行して、マネジメント層向けの標準レポートを作成し、社内から非常によい評価を得ていました。システム要件への対応が進んでいく様子を目の当たりにして、自分たちで開発や更新に関する新たなリクエストや要件を見つけ出すことができるということに心が躍りました」とÅkerblom 氏は振り返る。

「私たちが現在行っている分析や評価活動は、以前のシステムでは不可能だったか、あるいはシステムやアーカイブが異なるためにデータが散在していて極端に時間がかかっていたか、のどちらかでした。データ品質も大幅に改善されましたし、データ更新が頻繁に行われるようになったので、時間経過に伴う変化の様子も見て取ることができるようになりました。SASはシステムを進化させ、セキュリティの向上にも貢献してくれました。以前なら作成に2 日必要だったレポートも、現在は1分もあれば完成してしまいます」と、Säfström氏は言う。

SAS Enterprise BI Serverを基盤に、認証システムを備えしっかりと管理された環境で、3つのユーザーグループは異なる3つのツールを同時に利用することができ、さらに情報ポータルも利用できる。分析担当者は従来どおりのSAS環境を使っているが、プロセス・エンジニアはさらにSAS Enterprise Guide®も使えるようになった。

導入効果:

  • 全員が確度と品質の高いデータを使って分析・評価・意思決定を実行
  • 情報公開の自動化
  • すべてのレポート受信者およびユーザーが、あらゆるプロセス段階のデータにアクセスすることが可能となり、
    全体的な可視化が促進すると同時に、ユーザー要件に完全対応するため、レポートのカスタマイズを実現
  • ポータルを利用した情報公開によってプロセスの自動化を推進し、担当者のルーチン作業を回避
  • 個人間およびグループ間での情報共有を強化

期待される利点:

  • データアクセスが簡略化されたことによって迅速かつシンプルに分析が可能になり、業務の効率化を促進
  • Turbuhalerの製造コストを削減できる可能性
  • 生産プロセス上でのばらつきを削減し、想定外のハプニングを回避して安定的生産を実現。これによって、
    納品に対する信用レベルを引き上げ、在庫にかかる資本レベルを低くできる可能性
  • 情報収集方法の改善と根本原因分析の高速化をユーザーレベルで実感

課題

製造コストの削減を図ると同時に、迅速かつ信頼性の高いレポート作成や分析をサポートする

ソリューション

SAS は、全体的な可視化を推進し、各生産段階のデータへのアクセスを容易にした他、必要に応じて情報のカスタマイズや共有も可能とした

SAS® Enterprise BI Server

利点

以前は2 日かかっていたレポートが1分で作成できるようになるなど、時間の節約と効率性の向上が実現し、それによって製造コストの削減を図ることができた

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